akon2.00βのよっぱらいの戯言

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人体600万年史

人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
狩猟と採取で暮らしてきた人間の体は持久走するように作られており、机に座ってパソコンをみるようには進化してこなかった。
健康を維持するためには、毎日走って、狩猟と採取に適した体を維持する必要がある。
それもせっかく摂取したエネルギーを消費するために。
それでも楽をする道具を発明していく矛盾

■ミスマッチ仮説
進化した過程においては適応的だったが、現在の環境においては不適応。

初期の人類における主要な変化は、 二足歩行と固い繊維質を食べれる臼歯だ。
人類と類猿人との最終共通祖先のlCAがみつかっていない。
(1) 二足歩行(600万年前、初期人類)
(2) 果実離れ(400万年前、アウストラロピテクス
(3) 狩猟採集(200万年前、ホモ・エレクトス
(4) 世界各地への拡散(氷河期、旧ホモ属)
(5) 言語や文化の発達(後期旧石器時代ホモ・サピエンス
(6) 農業の開始(およそ600世代前)

■二足歩行
最初の二本足歩行者は両手を開けるために立ち上がったのではなく、
効率よく食べ物を集めるために歩くときの燃費を押さえるためだ。
→高いところの食べ物も取れる
→両手が使えると地下の食べ物が食べれる
チンパンジーのナックル歩行は燃費が悪い。

二本足の欠点
・妊娠時の体重を支えるのに向いていない
自然選択は女性の楔形の腰椎を2個から3個に増やした
ギャロップができないので、移動のスピードが遅くなる

■固い繊維質を食べれる臼歯
チンパンジーは起きている間の半分を食べ物をかじっている。
人類は固い果実以外への主食に対応した。
果実を主に食べていた時代は、前に突き出た幅広の門歯をもっていた。
固いものを食べるために臼歯が大きく厚くなると、門歯は小さく垂直になり、犬歯も小さくなり門歯と同じくらいの大きさになった。

■持久走型
足も遅く、非力な人類は「持久狩猟」を編み出した。

持久走型になるために
・脚が長くなった
・脚の骨の構造を変えた
・体温の冷却
→二本足立ちだと太陽に対する表面積が減る
→発汗、皮膚表面に水分を分泌することによって放射
→高い鼻。加湿できる。

早く歩けようにするために土踏まずもできた。
https://blog.goo.ne.jp/good-tasty/e/aeb7ec6cdd1883bf133c0685aa9e7ec3

http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20161004


■ミスマッチ病
労働事情や食生活など生活様式が劇的に変わったのに対し、身体の適応が追いつかず、人類はさまざまな健康問題を抱えるようになった。

ミスマッチ病に対し人類は、「文化的進化」という方法、
たとえば、原始的な公衆衛生や歯科技術、製陶、家畜化されたネコ、チーズ
によって予防もしくは軽減してきた。
ミスマッチ病の原因ではなく、症状に対処することで時として、「ディスエボリューション」という有害なフィードバックループを生む。
たとえば、眼鏡は近視のディスエボリューションの促進かもしれない。
足が痛めば、痛みを和らげる処方をして、足を強くしようとはしない。
→裸足ランニングがよいらしい

糖と塩と脂肪と澱粉をほしがるけど、食物繊維の多い食べ物用に体はできている。

インスリンは消化した食物から得られたエネルギーを体内の細胞に送り込む。
インスリンの濃度は血中グルコース(ブドウ糖)の濃度が上がったときに上昇して、その血糖のいくらかのを筋肉細胞と脂肪細胞に吸収させ、脂肪として蓄積させる。
つまり、脂肪の出所が炭水化物であろうと、脂肪であろうと、インスリンは体を太らせる。
インスリングルコースが含まれている食品を食べた後しか上昇しない。
食物がグルコースに分解される速度と、どれだけ多くのフルトース(果糖)を摂取して、どれだけ速く肝臓に達するかに依存する。

生リンゴとフルーツロール(リンゴに果糖したグミで食物繊維を除いたもので糖分(カロリー)は二倍)
リンゴはグルコースが30%、フルーツロールはグルコースが50%。
つまり、フルーツロールを食べるとリンゴと同等のフルトースと倍のグルコースが摂取される。
リンゴには皮がついており、リンゴの糖は細胞の内部にあり、両方ともに食物繊維がついている。
食物繊維がリンゴの糖分を包んでいる細胞の壁となり、炭水化物を糖に分解するペースを遅くする。
また、食物繊維は、腸内から血流と各器官に運搬するペースを遅くする。
一方、食物繊維は、食物が腸内を通過するペースを速め、満腹感をもようさせる。
結果として、生リンゴは糖の供給が少ないだけでなく、摂取した糖をゆっくりとしたペースで
消化させたうえ、満腹感も与えてくれる。
対象的にフルーツロールは血糖値を急速かつ大幅に上昇させる。
摂取のペースが遅いということは、インスリンの値もゆっくり上昇するので、血中グルコース濃度を一定にするためにどのくらいのインスリンを作ればいいかじっくり考えられる。
フルーツロールのグルコースは急速に血流に入り、血糖値を一気に上げる。
これにともになって大量のインスリンを過剰に放出する。
この過剰に放出にともなって、血糖値が急落し、飢餓感を覚え、さらにカロリーを摂取したくなる。
すぐに消化されるグルコースを含んだ食品は多くのカロリーを供給した上に空腹にさせる。

食物に含まれる脂肪の過剰摂取がLDL(悪玉コレストロール)の増加とHDL(善玉コレストロール)の減少、トリグリセリドの増加につながる。この三つの症状を脂肪異常症という。
脂肪には飽和脂肪と不飽和脂肪があり、飽和脂肪はLDLを増加させ、不飽和脂肪はHDLを増加させる。
ただし、不飽和脂肪にはオメガ3脂肪できた不飽和脂肪と
人工的に飽和脂肪に変換された不飽和脂肪(人工トランス脂肪)がある。
人工トランス脂肪はLDLを増加させ、HDLを減少させる。

草や葉を食べる動物の筋肉は、トウモロコシを食べる動物の筋肉より、不飽和脂肪が多く、脂肪が少ない。
→ここにも配合飼料の問題がある。

■動脈内のプラークの形成
高脂肪であるが低炭水化物を取っているアトキンスダイエットのような場合は、低脂肪であるが高炭水化物を取っている人よりHDLは高い。
大粒子LDLより小粒子LDLのほうが動脈壁に付着しやすく、燃焼し、炎症を起こしやすい。
炎症が起きると白血球が集まってきて異物を取り除こうと、泡を発生し、この泡にさらに小粒子LDLがからまり、酸化して凝固し、硬化した蓄積物の塊として動脈壁にはりつく。これをプラークと呼ぶ。
HDLはプラークからコレステロールをすくいとり、肝臓に送る。
飽和脂肪の多い食物は大粒子HDLのサイズを大きくする傾向がある。

農耕牧畜民は狩猟採集民より多くの食物を手に入れることができるがより過酷に働かなければならないうえ、飢饉や栄養不良の打撃を受ける。さらに伝染病から逃れるようになってガンや心臓疾患に追いかけられる。

文化的な選択は、かならずしも自然選択と同じ基準では働かない。
自然選択が働くのは、生物の生存能力、繁殖能力を高める突然変異だけである。
とはいえ、生物は種の保存のために進化しているはずだが、ガン細胞のように寄生主を倒して自滅してしまうものもいる。