対象読者に「支援を受ける立場の人」とあるのがよい。
「コーチングの指南書教授法はあっても、クライアント学というのはない」
つぎに、本書の目的が、「役立つ支援と役立たない支援の違いを明らかにする」というのもよい。
そして、「支援とは社会的通貨である」としている。
クライアントが陥りやすい五つの罠
①最初の不信感
②安堵
③支援の代わりに、注目や安心感、妥当性の確認を求める。
④憤慨したり防衛的になったりすること
⑤ステレオタイプ化、非現実的な期待、対人知覚の転移
支援者が陥りやすい六つの罠
①時期尚早に知恵を与えること
②防衛的な態度でさらに圧力をかけて対応すること
③問題を受け入れ、相手が依存してくることに過剰に反応する。
④支援と安心感を与えること
⑤支援者の役割を果たしたがらないこと
支援者が知らない五つのこと
①クライアントは情報や助言、あるいは尋ねられた質問を理解できるかどうか
②クライアントは支援者の提案に従うだけの知識やスキルを備えているだろうか
③クライアントの本当のモチベーションは何か
④クライアントのおかれた状況はどんなものか
⑤クライアントは経験に基づいて、期待や固定観念、恐怖氏といったものをどう決定するだろうか
クライアントが知らない五つのこと
①支援者には助けを与えるだけの知識ゆスキル、モチベーションがあるか
②この人に助けを求めれば、どんな結果が得られるか
③何かを売りつけたり不適切に強制したりするために、状況を利用しょうとしない支援者なら、本当に信じられるのか
④クライアントとして、私は提案されたことを実行できるだろうか
⑤支援を受け入れると金銭面や感情面、また社会的な面でどれだけの代価を払うことになるだろうか。
支援を求められた人は、支援する際、専門家、医師、プロセス・コンサルタントの三つの役割から選択できる。そして、以下を実行しなければならない。
・状況に内在する無知を取り除くこと
・初期段階における立場上の格差を縮めること
・認識された問題について、さらにどんな役割を取るのが最適かを見極めること
控えめな質問のプロセス
・クライアントに主導権を握らせ続け、自分のために問題を能動的に解決する立場を取り戻せるようにすること
・ある程度まで自分のジレンマを自力で解決できるという自信を与えること
・クライアントと支援者が協力できるように、なるべく多くのデータを明らかにすること
支援関係の7原則
1.双方が準備できているとき
2.関係が公平であるとき
3.支援者の役割が適切であるとき
4.言動すべてが介入であり、人間関係の今後を決定づける
5.純粋な問いかけから効果的な支援は始まる
6.問題のオーナー(当事者)はクライアント(支援される側)である
7.あらゆる答えを手にすることなど、ありえない
プロセス・コンサルテーションの10原則
1.常に人の役に立とうとする。
2.今ここの現実に、必ず軸足を置いておく。
3.自分の無知と向き合う。
4.行動はみな介入である。
5.問題も解決も、当事者はクライアントである。
6.流れに任せる。
7.タイミング超大事。
8.対立しあう介入を、前向きに都合良くとらえる。
9.すべてがデータ。間違いは常に起こり、最高の学習材料となる。
10.疑問があるときは、問題を分かち合う。