第一章 脳は私のことをホントに理解しているのか
意識は私の全部じゃない
医学部では脳の研究、理学部では脳の探求、脳の心理的な側面は文学部、人工知能は工学部、薬学部では脳のための薬を作る。
・理系の人は人差し指が短い。
男性ホルモンの影響で、男性は薬指よりも人差し指が短い。
理系は男性の方が多い。
つまり、「理系の人は人差し指が短い」というデータがでてしまった。
たまに逆の人がいるが、LGBTの可能性がある。
・天然パーマはIQが低い
アフリカ大陸のいくつかの国では、政治的、経済的、文化的、環境的に恵まれていない国があり、十分に教育が受けられない人がいるから。
・ゲシュタルト群化原理
脳波全体をひとまとめに認識する。
・人の顔など半分しか見ていない
言語は左脳がつかさどり、映像は右脳がつかさどる。
脳が支配する体側は左右交錯するので、左側の視界でみたものは交差して右脳に届く。
つまり、映像は右脳がつかさどるので、左側の視界でみたもので、みたものを判断している。
・変化盲
脳は「変化したことに気づかない」。したがって、髪型が変わったことに気づかない。
・単純接触現象
長時間接しているほど好きになる。
・つり橋の上の告白は成功率が高い
つり橋の上は高所にあり緊張する。このドキドキを脳は「ときめている」と勘違いする。
・好きな人を振り向かせたければ、「何かを手伝わせる」
脳は感情と行動の矛盾を解決させたいので、「好きでもないのに手伝っている」という矛盾を解決するために好きになってしまう。
身近な「まあまあ良い人」を選んで妥協しないといけないが、納得できないので、「この人でいいんだ」と無理やり納得するために脳には「恋愛」という機能がある。恋愛はテグメンタ(脳の腹側被蓋野)を活性化する(快感が生まれる)ので、「この人が好きだ」という奇妙な妄想が生まれる。
「私の気持ちはこうだ」と本人が思っていることは、案外とあてにならなくて、むしろ脳は無意識が支配的だから、「本当は自分で考えるぼとの自由はない」。「意識は単なるる脳の奴隷」「私が決断した行動さえも本当は別のところに真の理由があるかもしれない」
・基底核
大脳基底核に属する「淡蒼球」をここでは、基底核と呼ぶ。基底核は「やる気」や「モチベーション」に関与する。基底核は「直感」を生む場所。
・直感とひらめきは異なる。
ひらめきは思いついたのちに理由が言える。
直感は自分でも理由がわからない。
・ひらめきは寝て待て
睡眠は脳の休息時間ではなく、情報の整理や保管のための活動で、この際にひらめきがうまれることがある。
・ブーバ・キキ試験
図形の意味が分からなく読み方はなんとなくわかる。これが直感。直感は訓練したことにしか働かない。
・ノンヴァーバル・コミュニケーション(言葉を使わない会話)
女性は、ちょっとした仕草や態度や表情に、メッセージを込めたり、読み取ったりする能力にたけている。
・パターン・コンプリーション
部分から全体を類推する
・「好み」は操作される
正しいか間違っているかという基準は、どれだけそれに慣れているかという基準
「正しさ」は、記憶のしやすさに規定される。
「正しい」は「好き」の言い換えに過ぎない
「何度も見かけたら好きになる」
「周囲の状況を引き込みつつ、好きになったり嫌いになったりする」
第二章 脳は空から心を眺めている
人間らしさは、人間社会で育って生まれてくる後天的なもの
他人の心が理解できる。
→相手の痛みを理解する「共感」は、痛みを感じる脳回路を転用することで生まれた。
脳は幽体離脱を生み出すための回路を用意している。
→他人の視点に立って、自分を客観視することができる。
進化の過程で他者の存在を意識できるようになり、
他者の仕草や表情を観察することによって、その行動の根拠や理由を推測することができるようになり、他者の心の理解や社会性行動の種になった。
この他者の存在を意識できる機能を自分自身に使って自分の仕草や表情を観察できるようになって、自分の行動の根拠や理由を推測することができるようになった。
無から新しい機能を生み出すのは大変なので、生物は祖先の生命機能を使いまわすことで進化してきた。
このため脳内から自分自身にアクセスするのではなく、他者の存在を意識する機能を使って自分自身に心があることを知ることができた。
これが幽体離脱機能。
目では、ロドプシンという受容体によって光を電気に変えている。
光を感受する細胞は常にチャネルを開いていて光が入ってくるとチャネルを閉じる。
そして、目を閉じているときに、この細胞は最も活動していて、目を開くと活動が停止する。その電気信号の変化が情報となって脳に届く。
ところで、光を感じる受容体はひとによって持っているタイプが血液型のように異なる遺伝多型である。つまり、ひとによって感じる色が異なる。
味の受容体も同様に遺伝多型で、受容体のセットによってニューロンの反応性が異なるので、同じものを食べてもひとによって感じる味が違う
嗅覚も遺伝多型であるため、ひとによって同じ匂いでも、いい香り、無臭、臭いにわかれる。