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ヒトラーの大衆扇動術

ヒトラーの大衆扇動術

ヒトラーが『わが闘争』で述べている宣伝ノウハウはとてもシンプルだ。自分の頭でものを考えている連中は、どうせ少数派なのだから、相手にしても無駄だ。大事なのは、残りの多数派に、とにかく何度も何度も同じことを吹き込むことだ、と。つまり、「アホのほうが多数派だ」という割り切りが肝なのだ。」


・ 大衆は愚か者である。
・ 同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
・ 共通の敵を作り大衆を団結させよ。
・ 敵の悪を拡大して伝え大衆を怒らせろ。
・ 人は小さな嘘より、大きな嘘に騙される。
・ 大衆を熱狂させたまま置け。考える間を与えるな。
・ 利口な人の理性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
・ 貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
・ 都合の悪い情報は一切与えるな。都合の良い情報は拡大して伝えよ。
・ 宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視覚聴覚を刺激して感性で圧倒しろ。


ヒトラーの行動原理の根本にあるのは、大衆は愚昧だという考え方だ。孤立している個々人は冷静であったとしても、それが集団になった途端に熱狂しやすく、雰囲気に流されやすくなる。
 人は信じたいものを信じたがる傾向がある。例えば、現在危険な事態が進行中な雰囲気があるという認識があれば、その感覚を補強する情報を選択的に信じてしまう。これが、どれだけ注意しても流言飛語が絶えない理由だろう。

 ゆえにヒトラーは、当時のドイツ国民が信じたかったこと、なってほしいと思っていた未来を演台で説いた。ドイツ国民は優秀だ、ユダヤ人がドイツ人の仕事を奪っている、自分について来れば生活は向上する。そんな演説をぶち上げ、それを実行して見せることで、熱狂的な支持を集めることに成功したらしい。
 国民の熱狂を傍目に見ながら、少なくとも初期のヒトラーは冷静だった。自分が国民からどの様に見えるかを研究し、よりよく見える演説方法を研究した。資本家には彼らの資産を守るために必要な政策を提示し、資金を集めた。部下に権限を渡し、効率的な実務実行を推進した。相手・状況における選択が、彼をトップに押し上げたのだという。


ヒトラーゲッベルスに語った言葉
青少年に判断力や批判力を与える必要は無い。娯楽と競争意識だけを与えればよいのだ。青少年から思考力を奪い、指導者の命令に対する服従心だけを植え付けるべきだ。国家や社会や指導者を批判する者に対して動物的な憎悪を抱かせるようにせよ。少数派や異端者は悪だ、と思い込ませよ