著者がCIAの卒業生というので気になって読んでしまった。COPIA、「アメリカの食文化」をテーマにしたカルチャー・センターで、会長にロバート・モンダヴィが就任していたが、2008年に破綻。ロバート・モンダヴィ身売りの原因にもなったともいわれている。その跡地に、CIAのナパ分校がある。
レアール東京は六本木ロアビルにあったらしいが、いったことはない。
1980年代のニューヨークでの出来事なので、日本の事情とは異なる点を補正する必要がある。訳者にそこまで求める気はないけど、少しくらいは調べてくれてもという気持ちになった。もっとも「河岸が休みの日には寿司は食べないほうがよい」と思い込んでいた私であるが、実はところがちゃんとした店はそもそも河岸から引いていないことを知り愕然としたことがあるので、えらそうなことはいえない。
「うるさくて自己主張し、自意識過剰で、たえずおだてたり、なだめすかしたりしなければならない。
「アメリカンドリームを誰よりも理解し、評価しているのはアメリカ以外の国から来た人々だ。」
レストランでうまい食事にありつくためには
火曜日から土曜日にいくこと。
繁盛していること
客の出入りが多く、回転が速いこと
レストランが清潔(特にトイレ)で、コックの身なりがきちんとしていること
店の前に止まっているトラックが定評のある卸問屋であり、
チェーンに卸していない業者であること
月曜日には魚料理を注文するな
魚の仕入れの関係上、週末に売れ残ったものの叩き売りとなる曜日。
日曜のブランチメニューも、金曜と土曜の夜に出た残り物。
本来さっと焼いてレモン汁で食べたほうが旨いはずの魚が、なぜかビネグレット・ソースまみれで出てきたら要注意。それは、「保存」か「ごまかし」の意味だ。
「ビーフ・パルマンティエ」「シェパードパイ」「チリ・スペシャル」も残り物整理だ。
ブランチのオランデーズ・ソースは作り置きなので避けた方が良い。
魚市場は月曜日の朝から開く。しかし、鮮魚商も同じことを考えている。
ムール貝は食うな。
コックたちの扱いがぞんざいで、新鮮かどうかなどは確かめない
ステーキはウエルダンを頼むな
残った肉はウエルダン用にとっておく。
アンソニーシェフが食べたいのは、お袋の味。シンプルなトマトソースのスパゲッティ、残り物をぶちこんで煮込んだツナのキャセロール、ローストビーフのヨークシャプディング添え。
料理をする上で最初に必要なものは、極端に言えば一本のナイフで十分事足りる。
パナジウム入りのステンレス鋼で出来たグローバルナイフ
次に底の厚いテフロン加工のフライパン
→使うたびにペーパータオルで拭い絶対洗わない。
食材
エシャロット(プロの隠し味)
仕上げにバター(チーズ臭いバター)
焼きニンニク
→ニンニク絞りは使うな。ナイフの背で押しつぶすのはいい
→小房の一つを丸ごと火であぶり、焼き色がついて柔らかくなったものをしぼると香りがよく甘味がでる
→焼きニンニクの絞り汁に生の刻みニンクニをまぜたドレッシング
、
刻みパセリ
→フードプロセッサーは使わないこと
→パセリを冷水につけて、水滴を振り落として、2、3分乾かしたら、ナイフで細かく刻む
スープストック
→あぶった骨を何本かと、炒めた野菜を大鍋で水から煮込み、ひたすら煮詰める。充分に煮詰まったら、裏ごし器で漉し小さな容器に分けて冷凍しておく
ドゥミグラス
→先のスープストックに赤ワインを足し、エシャロットと生のタイムとベイリーフと粒コショウを加えて弱火でゆっくり煮込みスプーンにねっとりとついてくるくらいまで煮詰める。それから漉す。後は冷凍しておけばいつでも使える。
私にはまったく興味ないことが
「レストランのオーナーになりたいという欲求は、原因不明の恐ろしい業病だ。」
「簡単に言えば、エゴを満たしたいのだろう。」
「技術は教えられるが、もって生まれた性格は変えられない。」
フリーメーソンの握手のような手というのはよく板前から聞く話である。
「これまで私が書いてきたことが全部間違いであり、大雑把な一般論や経験則、先入観や常識などがすべて意味をなさない」