訳書を読む際に大切なことは、原書タイトルと邦題を確認することだと思っている。
タイトルは本文中に頻繁に出てくる重要なキーワードであったりする。
これが意訳されているミスリードされる。
"awakening the heroes within"、「内なる英雄を覚醒させる」といったところでしょうか。
型の本らしいので興味を持った。
人類の心の深い部分には共通の物語を生み出す層がある。この層を「集合的無意識」とよぶ。その物語の型を「アーキタイプ」と呼ぶ。タイプは「型」、アーキとは、始原という意味で、モナリサの微笑みを「アルカイック・スマイル」と呼ぶ。このアーキタイプが人生に意味を与える基本的な役割を果たしている。このユング心理学の考え方を、より実用的に、平易に自分で自分の人生に応用できるように工夫した。
幼子、孤児、戦士、救助者、探求者、破壊者、求愛者、創造者、統治者、魔術師、賢者、道化、これらのアーキタイプが正しいかどうかはおいておいて、ストレングスファインダーもそうだけど、キャラの育て方はキャラによって異なるからキャラを認識しないといけないというあたりまえのことができていない。
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現代人は、人類が体験したことのない生活を営んでいるせいで毎日のように世界を再構築しているのだが、だからこそ、自分たちの行動を時として拠り所のない空虚なものに感じてしまう。
私たちが安定した暮らしと健全さを取り戻して豊かな王国を築くためには、古の英雄たちのように、旅に出て自分の使命を悟り、自分が授かった「ギフト」を発揮しなくてはならない。
英雄はドラゴンを倒して、囚われの乙女を救い出し、財宝を見つけて持ち帰る。
英雄が持ち帰った、「更新された真実」がすべての者たちに影響を及ぼしていく。
自分の旅はたいしてものではないと思い込んでドラゴン退治や財宝探しの機会を逃してしまうと、むなしさを味わい、心にぽっかりと空いた穴に苦しめられることになる。
私たちはそれぞれ大切なギフト(特別な才)を授かって生まれてきた。だが、そのギフトは旅に出かけないと発揮できない。
多くの教育機関は、人間性を存分に発揮する方法を教えるよりも、生徒たちを経済という機会の歯車にするための教育を行っている。私たちは商品や物資とみなされ、高値を付けた人間に売られるか、価値が高まるように改良されるだけだ。そこには人の魂や心を尊重しょうという意識は存在しない。その結果、私たちは次第に自分を卑下するようになっていく。
私たちは、自分が完璧なのかどうかを知るために、他人を基準として自分を測ろうとする。
英雄はドラゴンに立ち向かうが、ドラゴンはそれぞれのアーキタイプの影である。
つまり、アーキタイプをネガティブな姿で表現している。
ドラゴンは自分の中にも棲んでいる。
歴史を振り返ってみても、たとえば、神というアーキタイプを呼び起こすには、儀式や祈祷や瞑想などを行なったり、寺院をつくったりする必要があった。
→つまり、アーキタイプはなんらかの方法で覚醒させる必要がある。
12のアーキタイプ
https://www.uiltexas.org/files/capitalconference/Twelve_Character_Archetypes.pdf
HMI(英雄神話指標)
https://www.uiltexas.org/files/capitalconference/Heroic_Myth_Index_Test.pdf
1章 旅における三つの段階
旅における三つの段階(準備、旅、帰還)
「準備」ステージ:幼子、孤児、戦士、援助者
自分の能力、勇気、思いやり、理想への忠誠心を証明するように求められる。
幼子から楽観主義と信頼を学ぶ
転落を経験すると、孤児から、仲間と団結して助け合うことを学ぶ。
戦士から目標を設定して達成するための戦略作りを学びねあわせて、自制心と勇気を発揮するように求められる。。
援助者からは他人のことを気遣い、最終的には自分のことも大切にするようになる。
「旅」ステージ:探求者、破壊者、求愛者、創造者
自己が形を変えていくこと(変容)が求められる。
探求者→生き抜く力
破壊者→自分を解き放つ力
求愛者→愛する力
創造者→想像する力
「帰還」ステージ:統治者、魔術師、賢者、道化
自分だけでなく、王国、他人を変容させることが求められる。
統治者→自分の人生に全責任を持つこと
魔術師→自分や仲間を癒して変容させること
賢者→束縛からの解放と真実へのこだわり
道化→喜びや奔放さを受け入れる余裕
つまり、旅のステージ(今自分がどの段階にいるか)によって、
自分の前に現れるガイドが変わります。
逆に言えば、自分の前に現れるガイドが何かを知ることができれば、
今自分がどの段階にいて、何をすべきかが分かる。
ただ、あるアーキタイプに支配され過ぎるとそれは「ドラゴン」となって
私たちを苦しめることになります。
最初に。自我(エゴ)を育み、その後に魂(ソウル)に出会い、最後に自己(セルフ)という独自の感覚を生み出す。
自我の旅は、世の中を安全に生き抜いて成功を手にするすべを教えてくれる。
自我とは、自分と他人とをきちんと区別すること。そして他人との(依存ではなく)共存の関係を作ること。
自我の助けがあれば、現実世界に適応していくすべや、その世界に私たちの要求が満たされるような変化を起こすすべを学ぶこともできる。
魂の旅は、人生の奥底に潜む神秘に遭遇することで、人から信頼される「本物」になるための手助けをしてくれる。
ここでは、自分の内面と向き合い、ば上を目指すことや、自己変革、愛情、自分の人生を生きることなどが含まれる。
自己の旅は、自分が本物である証やパワーや自由を探し当て、それを表現していく方法を示してくれる。
ここは、精神の調和がとれ、自己実現に向かう段階。
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幼子の特徴
幼子の肯定的な特徴
人生や、自分自身や、他者を無条件に信頼する
信念と希望を持ち続けるができる
自分が期待することへ信念を貫き通す
無邪気さ
楽天的で疑いを抱かない人生観
率直さ
誓いや約束を神聖視し続ける
影
現実の物事や自他の否定
あれかそれか、善悪の二元論
現実逃避
意思や自己の力の放棄
恐れからの常なる緊張状態
覚醒を促す声
安全で安心できる環境を求めたり、守ってもらいたいとか無条件の愛や受け入れを望んだりしたとき
レベル1:疑いを抱かず、環境を受け入れている状態。今の完全な状態がすべてであるという信念を持つが、実際は依存状態にある。
レベル2:幻滅や失望を体験するが、逆境に在っても信念と善良さを持ち続けている。
レベル3:賢い幼子として楽園への帰還を果たす。否定・愚直・依存とは無縁の信頼と楽観主義を有す。
孤児の特徴
孤児の肯定的な特徴
自立、依存からの解放
現実を冷静に見る力
結束、相互支援
影
否定的な特徴
責任転嫁
不信、反発
機能不全
被害妄想
冷笑的
覚醒を促す声
見捨てられ、裏切られ、酷い扱いを受け、無視され、幻滅させられたと感じるような体験をした時
レベル1: 現実を受け入れ、痛みや無力感、信頼の喪失を実感する。
レベル2: 助けが必要だということを受け入れ、自ら救いや支援を求めるようになる。
レベル3: 権力者に依存する代わり、相互の助け合いと団結の精神で同じような立場の人々との関係を築く。
戦士の特徴
影:無慈悲、理念を持たずに勝利に執着する。相手を征服するためにパワーを使う。自分と異なるものを無条件に脅威とみなす。
覚醒を促す声:大きな難題や障害
公正さを欠く権力者━━それが、職場の上司や教師といった人々であろうと━━に立ち向かう時や、誰かに危害が及ばないように行動を起こす時が、戦士への道の第一歩だ。
レベル1: 戦って勝利を収めることが目標。手段を選ばない戦い方で、目標は相手の息の根を止めること。敵を滅ぼすべき“悪”と見なす。
レベル2: 利他的な目標へと移行していく。教養と洗練を身につけるにつれ、フェアプレーの理念とルールに則った闘い方になっていく。致命的な損害を与えずに勝つことを求めるようになっていく。
レベル3: 広範囲な社会の利益につながる目標を達成することに関心が向かう。本当に大切なもののために闘うが、暴力的な力の行使をほぼ必要としない。
援助者の特徴
影:苦しむ殉教者、我が子を貪る父と母、「罪悪感を抱かせる」行為や自責の念にかられた行為、イネーブリング(他人の依存癖、無責任な態度、自己中心主義を助長してせんどうする行為)
覚醒を促す声
他者の世話を必要とする責務、例えば子どもが生まれて親になる、お兄ちゃん・お姉ちゃんのなる、ペットを飼って世話をする、あるいは自他の何かしらの苦しみに気づいたとき、「面倒をみなくてはならない」役割を担ったときや「助けたい」と思い願ったとき
レベル1: 自分の望みや欲求を犠牲にしても、他者を助けようとする傾向があります。
すべての人を助け、あらゆることに気を使い、必要とされればいつでもそばにいようとするでしょう。すべてを同時にするのは不可能ですが、取捨選択の責任は負いたくないと思うかもしれません。
自分の目の前の相手の要求に応え続けようとし、燃え尽きとも言える状態になっていくかもしれません。そこでやっと「もうこれ以上は無理だ」と言えるようになるでしょう。
レベル2: 他者を気遣う行為によって自分をすり減らしていくのではなく、豊かにすることができるよう自分自身を慈しむ術を学びます。
一時期、他者の世話を拒んででも、自分のケアに専念するかもしれません。この間に、他者にただ使えるやり方ではなく、力を与えるやり方を覚えていきます。
レベル3: 近しい人々だけではなく、より広範囲に対象を広げます。コミュニティを形成する能力を身につけるか、既存のコミュニティに参加するという形で、一人ですべてを背負わなくとも大丈夫な環境を作るでしょう。そして、特に自分が手をかけるべき対象を選んだり、どこにどれぐらいの労力をさくかなど取捨選択の責任を負おうとする意欲も出てくるでしょう。
探求者の特徴
影:過度な野望、完全主義、自尊心、献身能力の欠如、一般的な中毒症状
覚醒を促す声: 孤立、不満、空虚な心、チャンスの到来
レベル1: 探索、放浪、実験、研究、新たな挑戦
レベル2: 野心を抱く、成功への階段を登る、自分の能力を最大限に発揮する
レベル3: 霊的な探索、変容
破壊者の特徴
影:自己破壊的な行為(薬物やアルコールへの依存、自殺を含む)、他者への破壊的行為(殺人、レイプ、名誉棄損を含む)
覚醒を促す声:痛み、苦悩、悲劇、喪失の体験
レベル1: 混乱状態、死や喪失や痛みの意味を理解しようとする努力
レベル2: 死という運命と喪失、両者に伴う無力な状態の容認
レベル3: 自分や他人の価値観や成長を支えてくれなくなったものを手放そうと決意する能力
求愛者の特徴
影:嫉妬、妬み、愛情を注ぐ裳の人間関係への病的執着、セックス依存症、ドンファン症候群、乱交、セックスやポルノへの執着や(その反動としての)厳格主義
覚醒を促す声:心酔、誘惑、憧れ、、突然のときめき
レベル1: 至福や愛するものに従う。
レベル2: 愛する物や人との絆を結び、献身的に尽くす。
レベル3: 徹底的な自己受容によって自己の誕生を促し、個人を超越的なものと、個々の人間を集団と、結びつける。
創造者の特徴
影:悲観的な環境や、限定的な機会の創造、強迫観念にとらわれた創造活動、ワーカホリック
覚醒を促す声:白昼夢、幻想、イメージ、霊感のひらめき
レベル1:ビジョン、イメージ、予感、霊感を心を開いて受けていれる。
レベル2:自分の本心が何を望み、何を行動に移し、何を想像したがっているかに目を向ける。
レベル3:実際に自分のイメージどおりのものを創ってみる。(夢を実現する機会を自分に与える)
統治者の特徴
影:支配的、幻覚、専制的、人を操る行動、恐ろしい暴君
覚醒を促す声:人生における資源、調和、支援、秩序の不足
レベル1:自分の人生の現状に責任を持つ。外界での欠乏となって表れている内面の傷や無力感を癒す方法を模索する。自分の人生や家族の人生を第一に考える。
レベル2:現実の世界で自分の夢を暗示するスキルを養い、そのための環境づくりを行う。自分が属しているグループやコミュニティの幸福に関心を持つ。
レベル3:資源(外部のものも内部のものも)の徹底活用。社会や地球全体の幸福に関心を持つ。
魔術師の特徴
影:邪悪な魔法使いや意地の悪い魔女、ネガティブな出来事に同調し、ネガティブなものを自分に引き寄せ、ポジティブな出来事をネガティブな出来事に変える。
覚醒を促す声:体や心の疾患。超感覚的な体験。シンクロニシティの体験。
レベル1:いや意思を体験したり、超感覚的な体験やシンクロニシティから目を背けない道を選ぶ
レベル2:ビジョンに従って行動し、そのビジョンを現実のものにすることによって自分の霊感に根拠を与える。夢を実現する。
レベル3:すべてのものがお互いに結び付いているという知識を意識的に利用する。心理的、感情的、霊的な現実を変えることによって、物理的な現実を変えるという技術に磨きをかける。
賢者の特徴
影:隔絶、無感覚、「象牙の塔」、「超越感」、批判的、裁断的、もったいぶったふるまいや態度
覚醒を促す声:混乱、疑念、真実を見つけたいという強い欲求
レベル1:しんじつと客観性の探求
レベル2:懐疑主義、真実の多様性と複雑性の認識、真実に対する相対的な視点。人間の条件の一つとしての主観性の受容
レベル3:究極の真実、もしくは複数の真実の体験、英知
道化の特徴
影:わがまま、ものぐさ、大食漢、無責任
覚醒を促す声:退屈、倦怠、もっと人生を楽しみたいという欲望
レベル1:道化(人生はゲームであり、楽しむために存在する)
レベル2:トリックスター(回転の速い頭は、他人を騙し、困難を切り抜け、障害物を避ける方法を見つけ、とがめられることなく真実を語るためにある)
レベル3:賢い道化、もしくは阿呆(人生とは今という瞬間を存分に味わうこと、生きることそのものを祝い、一日一日、瞬間瞬間を着実に生きること)
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