akon0.98bのよっぱらいの戯言

好客三年不変店 好店三年不変客

無意味のススメ

無意味のススメ: 〈意味〉に疲れたら、〈無意味〉で休もう。

今年一番の良書。非常に美しい。

「自分を雇用しているのは会社の判断である」「自己評価は常に最低ランクにし、大した成果を出さないように働く」というのはまさに、「創造的無能」ではないか。

無駄の美学を信奉しているので、とても共感した。ジャガーなんて無駄の美学の最も足るものだと思っている。あんな美して機能性がない車はない。

 

以下、引用。

これは、影である。私の肉体の一部が、地上のどこかに落とした影。

あなたにとって意味のあるものは、どこにも見えない。無意味しか、ここにはない。

しかし、こうした影がある事実は、次の真実を示す。この世界には、光がある。

あるいはこうも考えられる。この無意味()からこそ、意味(光)が生まれるのだと。

 

道に迷うことが難しい。意味が私の進むべき先をあれこれと教えようとするから。

失敗もまた難しい。押し寄せる意味たちが、正しい答えを押し付けてくるから。

意味の最大の罪は、私やあなたから、「間違える自由」を奪ったことにある。

 

自ら求め、つくり、その結果として手にした意味ならば、よい。

問題は、半ば強制的に押し付けられる意味である。

 

本書の役割は、つまるところ無意味を自分にとっての意味のあるものとするための思考や行動を説くところにある。無意味に価値を見出し、無意味を愛するためのアイデアを述べる。

 

「これはどんな意味があるのだろう」と首をかしげる体験が、言い換えれば無意味との遭遇が、新しい意味を作るヒントになる。

 

自分を雇用しているのは会社の判断である。

自己評価は常に最低ランクにし、大した成果を出さないように働く。

 

無意味は美しい。きっと、そこには打算がないからではないか。

投げかけた言葉への報酬を、無意味は要求しない。無意味はいつも無欲である。

「意味ないよ」と不満をこぼしているうちは、断じて無意味には達しない。

虚無は無意味とは違う。意味がないものがある。それが無意味。なにもないわけではない。

「空は無ではない。存在だ」ということだな。

解釈をかぶせることで無意味は台無しになるが、静かなる思考なら、無意味を壊さない。

さしあたって、目的を捨てよう。そうすれば無意味は身近なものになる。

 

ドストエフスキーが「死の家の記録」で教えてくれたように、

究極の拷問は、無意味の体現にある。具体的には穴を掘れ、そして、穴を埋めて、これを繰り返せ。

他者との関係性の中に、目的を持とうとするから、不意の出会いを打ち壊してしまうのである。

 

無意味の意味は、他人がつくった意味に自由に踏みつぶされないためにの、抑止力、あるいは防御壁にある。

これを無意味によって完成させれば、本来の自由を手に入れられるようになる。

 

無意味は意味を破壊する。あるいは、無意味は意味を殺す。

 

以下、感想。

そういえば、自由とは不自由だと感じたものであった。

「途中で本文用紙を変える」という無意味なアイデアに無意味に感心した。

「重版未定」というタイトルの本も書いているみたい。

「不関係性の美学」という本を書きたいと思っているらしい。

 

念のため、ピーターの法則も再読した。

*[本] ピーターの法則

ピーターの法則

ピーターの法則

 

 

<創造的>無能のすすめ」という副題がついており、<実証>ピーターの法則」という続編があるようだ。無能(incompetence)

 

階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。

つまり、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない従業員によって占められる。

仕事は、まだ、無能のレベルに達していない従業員によって遂行される。

 

階層制とは、元来カトリック教会の聖職たちの階級制度を指す言葉だった。

それが階層関係によって整序された組織を意味するようになった。

 

ピーターの逆説

階層社会の従業員たちは、真から無能をとがめだてはしない。

無能をあげつらうのは、「引き」のある同僚への羨望の現れ

 

指導者としての資質は不従順、不従順は無能と映る。

 

「終着駅症候群」と命名する、成功者に共通する自訴症状

慢性疲労胃潰瘍・下痢・過食・食欲不振・不眠症・偏頭痛・むかつき・耳鳴り・めまい・アル中・性的不能

現在の実力よりもかなり高いレベル(無能レベル)にいきなり行くと心身をこわしてしまう。

 

「終着駅症状」

・フォノフィリア(電話愛好症)

・パピロフォービア(紙片恐怖症)

・パピロマニア(紙片狂)

・フィレオフィリア(ファイル愛好症)

・タビュラトリー・ジャイガンティスム(大机願望)

・タビュロフォービア・プリバータ(個人用机恐怖症)

・自己憐憫

・リゴール・カルティス(図表偏執症)

・末期的足もとさらい

・シーソー症

・惰性的バカ笑い症

・ストラクチュロフィリア(建物愛好症)

 

無能につけるピーターの特効薬

ピーターの予防薬 ── 昇進を回避する方法

・マイナス思考を持つ

「昇進したら、自分はさらに高い目標の仕事をこなせるのか?」と自問自答して、「現在の地位で満足だ」と自らを納得させることを指す。

創造的無能の活用

昇進の打診が来ないよう、周囲に欠点をアピールすること。これにより、無能になるための昇進を未然に防ぎ、現在の地位で能力を発揮し続けることができる。

 

ピーターの痛み止め ── 無能レベルでも健康と幸福を

無能と判断されても、その後の本人の努力と周囲のサポートで、痛みが出た後の痛み止めが可能

 

ピーターの気休め薬 ── 終点到達症候群を抑える

昇進に前のめりになることをやめる

現状の労働に関する価値や尊さを語る

 

ピーターの処方薬 ── 絶大なる治療効果

昇進により無能になることを未然に防ぐ予防薬

無能になってもその程度を軽減させる痛み止め

完全に無能になる手前でも気休め的な対処

 

処方するのはあなたです!

 

自分は昇進したくないのだという事実をうまく隠ぺいした「創造的無能

 

 

ピーターの法則の処方箋が知りたかったが、結果として反語でしかないと思う。

 

ディルバートの法則

無能な者は害(製品の品質低下、顧客の機嫌を損ねる、他の従業員を不愉快にするなど)をなさないように意図的に昇進させられる

 

パーキンソンの法則

第1の法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2の法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する