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人間の本性を考える

 

人間の本性を考える  ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

 
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (下) (NHKブックス)

 
人間の本性を考える  ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中) (NHKブックス)

 

 

心は「空白の石板(ブランク・スレート)」か

人の本性は遺伝か環境の二項対立か。

人間の本性

 

ブランク・スレート(空白の石版)」=人間の心は白紙で、社会や自身が思いのまま書き込める=人間本性論

高貴な野蛮人=白紙状態の人間は無私・無欲・温和な心安らかな存在であり、貪欲さや不安・暴力は文明の産物。

機械の中の幽霊=精神と身体は分離しており、行動は精神によって自由に選ばれる。

 

ゆらぐ公式理論

霊長類学者は、人類に固有と考えられていた多数の複雑な能力(概念・空間感覚・道具の使用・嫉妬・親としての愛情・互恵的関係・仲裁・性差、等)を他の動物も持っている事を発見した。

→心はもはや、文化によってつくられる、無定形の塊ではない。

 

フランシス・クリックは「DNAに魂はあるか」で

思考や感情、喜びや苦しみ、夢や希望のすべてが脳の生理的な活動にあるとした。

 

生物学と文化をつなぐ最初の架け橋は心の科学、すなわち認知科学である。

 

認知革命の五つのアイディア

・心の世界は、情報、計算、フィードバックという概念によって物理的なせかいにもとづかせることができる。

・心はブランクスレートではありえない。ブランクスレートは何もしないからだ。

・無限範囲の行動は、心の有限の組み合わせプログラムから生じうる。

・諸文化の表面的な多様さの根底に、普遍的な心の機構が存在する可能性がある。

・心は相互作用する多数のパーツから構成される複雑なシステムである。

 

複雑な人間本性が存在する可能性を疑わるもの

・ヒトゲノム・プロジェクトの成果→遺伝子の数が少ない

ニューラルネット

コネクショニズム(人工知能研究においてニューラルネットワークモデルに基づいた知能体を実現・実装する立場)の限界

-種類と個との区別

-量化(変数の束縛)

-合成性

-再帰性

-ファジーな推論ではなくカテゴリー的な推論をする能力

・胎児期や乳幼児期における脳の発達

ブランク・スレートは可塑(プラスティック)のあるスレート

 

 

文化と遺伝子の関係

文化は人々の発見によって蓄積されていく。

したがって様々な異なる文化は遺伝子の種類の違いによるものではない。

不定形の心に形を刻印するわけでもない。

複雑な人間本性が存在する可能性を疑わせる科学的成果(ブランクスレートの抵抗)

ヒトゲノム・プロジェクト

ニューラルネットワークのコンピュータモデル

神経可塑性

→最新の科学を使った砦。しかし実体のない思い違いであり、複雑な人間本性は存在する。

 

政治的要請

政治的にブランクスレートが支持される。それらは道徳的要請からでてきたものである。

人間の本性とどう対峙するか

人間本性がこれからさらに説明されていくに伴い、その知識をどうやって扱っていくか。

 

人間の本性に関する懸念は次の四つの恐怖に要約できる

・もし人々に生まれつきの差異があるならば、迫害や差別が正当化されるのではないか

・もし人々が生まれつき不道徳であるならば、人間の条件を改善するという望みはむなしくなるのではないか

・もし人々が生物現象の所産であるなら、自由意志は神話になり、人の自分の行動の責任を取らせることができなくなるのではないか

・もし人々が生物現象の所産であるなら、人生には高尚な意味や目的が何もないという事になるのではないか

 

行動遺伝学の3原則

第1原則 ヒトの行動特性はすべて遺伝的である

第2原則 同じ家族で育てられた影響は遺伝子の影響より小さい

第3原則 複雑なヒトの行動特性のばらつきのかなりの部分が遺伝子や家族では説明できない

 

行動遺伝学はこころを「遺伝+共有環境+非共有環境」で説明する。共有環境は「家族が共有し、家族のメンバーに類似性をもたらす」環境のことで、一般的には子育てだとされる。非共有環境は「家族で共有せず一人ひとりを独自にさせる」環境で、遺伝とともに個性(一人ひとりのちがい)を生み出す。