「読む人の境遇に応じた教訓が得られる」
儒教と仏教と道教の三つの教えを融合。
儒教とは、「修身、斉家、治国、平天下」、すなわち学問を修め、身を立てて国を治めるこ とを説いたエリートの思想であり、「功名ヲ竹帛ニ垂ル」ことをすすめた「表」の道徳。
表の道徳だけでは、世の中は息苦しい。そこで必要になるのが、それを補完する「裏」の 道徳の役割をになってきたのが道教であり、その原型となる老荘思想。
儒教が競争場裡に功名を求める哲学だとすれば、道教はみずからの人生にのんびり自足する哲儒教が建て前の道徳だとすれば、道教は本音の道徳。
さらに、儒教がエリートの思想であるとすれば、道教は民衆の思想。
悩める心の救済には、仏教。
目次
第一章 心の不安と向き合っていくために
心が澄んでいれば体にもよい
時には冷静に、時には情熱的に
自分の心に勝つ
幸も不幸も心の持ち方による
ゆったり、のんびりと
すべては心のありよう
欲望をコントロールする
つねに冷静でありたい。
雑念を去る
静思のときを持つ
心はいつも静かな境地に
人の思惑を気にしない
財産や地位にこだわらない。
足るを知る
ふだんの修養に努めたい
一歩譲る心がほしい
進むためには退く
自然のなかにすばらしい教えがある
楽あれば苦あり
人の心だけは満たせない。
人生もかくの如し
冬来たれば春近し
第二章 前向きな気持で過ごすために
心を澄まして先人の教えに学びたい
心を集中すれば本質が見えてくる
つねに目的を確認してかかりたい
冷静に、かつ穏やかに対処する
やる気があれば進歩もある。
雑念に惑わされてはいけない
よく考えてから行動したい
とらわれない心で対処する
だれにでも天分がある
心はすがすがしく、のびやかに
洒脱な味わいもほしい
人間には欠かせないものがある
不遇なときは下を見る
これが家庭の和を保つ秘訣だ
将来の失敗に備えよう
人生をムダに過ごすな
自他を見比べるバランス感覚を
わだかまりを残さない
第三章 良好な人間関係を築くために
これが思いやりの心だ
→小さな過失をとがめない、かくしごとをあばかない、古傷は忘れてやる
感謝を期待してはならない
思慮深く円満に
極端は避けてほしい
誠実さを失ってはならない
こんな相手は敬遠したい
→口数が少なく、めったに本心をのぞかせない人に対しては、こちらもうっかり心を許してはならない。
→感情の振幅が激しく、自己反省の乏しい人に対しては、なるへく敬遠て話しかけないほうが良い
心の温かい人は幸せになれる
人から受けた恩は忘れるな
進むためにはまず退く
ほめるも不可、けなすも不可
濁のなかでも清でありたい
責任を追及するときには
恩恵に見返りを求めてはならない
清濁あわせのむ包容力がほしい
逃げ道は残しておけ
相手によってつき合い方を変える
広い心をもって生きたい
これが世渡りのコツだ:
→世俗と同調してもいけないし、離れすぎてもいけない
第四章 厳しい時代を生き抜いていくために
信念を曲げてはならない
自覚力と意志力がほしい
何事にも慎重を期したい
これが成功のカギだ
→難関にさしかかったときには歯を食いしばり、つねに目標を確認し、どうしても無理と見たら、ひとまず撤退して巻き返しをはかる。
思いたったら実行に移そう
軽々しく態度を変えない
冷静な眼と冷静な心
静中の動、動中の静がほしい
固い覚悟は天地をも動かす
虚心に対応したい
心のなかから執着を消す
危うきには近寄らず
やってはならないことがある
でき心と失言を戒めたい
心のバランスをとる
心の主体性を確立する
心の余裕を失ってはならない
世の中は油断もスキもない
第五章 逆境を乗り切っていくために
逆境は良薬、順境は凶器
逆境は人間を鍛える溶鉱炉
平穏無事より幸せなことはない
つましいながらもゆとりのある暮らし
失意は得意のなかにあり
苦しみのなかに楽しみがある
逆境のあいだに力をたくわえる
不愉快な忠告にこそ耳を傾けよ
天の意志をもはね返す
新しい胎動は衰退の極に生じる
恵まれない人々を思いやる
全盛期には慎重を期したい
これは人生の落とし穴だ
立場を変えてみよう
花を見るなら五分咲き
自分の過ちには厳しく対処したい。
引き際を誤るな
満ち足りた先にあるもの
視点を変えて見る
人の値うちは後半生できまる
第六章 周りの信頼を得るために
理想は高く、しかし現実に立脚する
時間をムダにするな
心の温かい人、冷たい人
恩恵は後になるほど手厚く
重々しく軽やかに
道理は一歩も譲るな
むしろ愚直であれ
名誉は独り占めしない
自分の行動をチェックする
目立ちすぎないほうがよい
度が過ぎればマイナスとなる
目立たぬ貢献を心がけたい
叱責されるのは幸せである
功績はきっちり評価する
水清ければ魚すまず
服装と人格とは無関係だ
相手を正しい道につかせるには
個人の利害を度外視せよ
成功の条件、失敗の原因
→素直で機転の利く人が成功し、強情で融通の利かない人が失敗する
これが不幸を避ける方法だ
→つねに喜びの気持ちを持って暮らすこと
→つねに人の心を傷つけないように心がけること
成功を勝ちとるコツ
→よく検討して慎重に事を運び、温かい心で回りの支持を集め、柔軟で機敏な対応を心がけること
徳によって得た評価は生き続ける
功績や学問はなくても
思いやりはすべてのものをはぐくむ
第七章 意味のある人生にするために
ちょっとした迷いも見過ごすな
内面が充実していれば人生は楽しい
人として為すべき三つの心得
→
してはいけない四つの戒め
→
動中の静、苦中の楽
「耐える」ことを支えとせよ
心を平静に保ちたい
自分の心しだいで
いまの境遇を楽しむ
くだらない野心は捨てよ
人格の向上には見識を深めたい
事業は徳があってこそ発展する
最高の人格は平凡そのもの
閑居していても天下の政治を忘れない
この三つも立派な人物の条件である
→細事の処理にも手を抜かない。人目のないところでも悪事に手を染めない。失意の時でも投げやりにならない。
道徳や仁義にとらわれない境地
早熟は晚成に及ばない
自分をあやつる糸を握って離すな
まずは一つの道を極めよ
天の意志には逆らえない
本物は自然流である
大切なのは形よりも心である
友人の過失は懇切に忠告せよ
古い友人を大事にしたい
第八章 人生の達人をめざすために
自分にとらわれない
流れる雲のごとく
過ぎたるは及ばざるがごとし
風流は身近にある
技巧を捨てたその先へ
春にまさる秋のおもむき
世俗のなかで世俗を超越する
琴と書物さえあればよい
病気や死に思いを致す
自在の境地に遊ぶ
とらわれない境地で生きる
悟りの境地をめざしたい
有能より無能がまさる
あるがままに生きる
流れにまかせる