akon2.00βのよっぱらいの戯言

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ティール組織

脳は頭以外に腸と胸にある。
腸は一億個もの脳細胞(ニューロン)からなっていて、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンを作り出す。
脳は腸からの信号を感情として解釈している。
心臓の60%-65%はニューロンでできている。

感情に基づいて生じる心拍数の混沌リズムと規律正しいリズムは血液の質に化学変化をもたらし、健康のみならず、外界、環境の変化にも影響を及ぼす。

CEOはマインドフルであれというのは刺さる。

ビュートゾルフ→オランダ語で地域看護

マネージャの代わりにコーチ

進化する組織の特徴や事例は載っているが、「やり方」は書かれていない。

 

ティール組織とは、上司に指示命令され、機械的に働くのではなく、個々が自分らしさを最大限に発揮しながら、自ら意思決定をしていく。上下関係や、管理が少ない環境で、チームワークが発揮され、組織の存在目的を追求していく。生命体のような有機的な組織モデル。

 

・全体性(ホールネス)
→ありのままでいる。多様性

・自主経営(セルフマネジメント)

・存在目的(エボリューショナリーパーパス)
→「なんのために、今日、この仕事をしているのか?」ということが一人ひとりに共有されている

 問題はそれが起こった時と同じ意識レベルでは解けない。
アインシュタイン


 混沌とした時代に最も危険なのは、混沌そのものではなく昨日と同じ論理で行動することだ。
ピーター・ドラッカー

 

第1部 歴史と進化
第1章 変化するパラダイム 過去と現在の組織モデル
衝動型が自己中心的、順応型が組織中心的、達成型組織は世界中心的。優れているが大量消費のような負の側面もある。

 「受動的」パラダイム
人類の最も初期の発達段階は、紀元前10万年~5万年頃であり、血縁関係に基づく数十人程度の組織で暮らしていた。この時代にエゴは十分に形成されておらず、人々は他人と自分を完全に区別せずに捉えており、階層は存在しなかった。

 「神秘的」パラダイム
約1万5千年前、集団の規模は数百人程度の部族へ拡大し、人々は自己と他者を概ね区別して認識するようになったが、因果関係(原因と結果)への理解が不十分であり、神秘的な世界を生きていた。
この段階でもまだ組織は形成されておらず、これ以降のパラダイムで徐々に人は組織を形成し進化させていった。

 「衝動型」パラダイム
約1万年前、最初の首長制と原始的な国王、組織の最初の形態である「衝撃型」組織が生まれた。エゴは完全に目覚めており、人々は他者とは異なった存在として自己を認識していた。しかし感情を十分抑制できず、かんしゃくや暴力で欲求を表現する事が多かった。一方、他者と自己を区分できるため、役割分化(本格的な分業)が可能となった。組織には1人の長と多くの歩兵が存在し、このプロセスを経て数千人、数万人の組織へと拡大した。
衝動型組織は、小規模で支配的な集団と言う形で現れた。現代では、ギャングやマフィアなどの組織に見られる。この組織の特徴は、対人関係に力を行使し、構成員を無理やり従わせることにある。

トップの衝動的な行動パターンに立脚している為、組織としては脆弱である。

衝撃型組織に重要なのは「今」であり、計画や戦略は不得手である。

だが、新たな脅威や機会へは即座に反応し、混沌とした環境への適応力が高い。

計画や戦略を練り、成果を達成するのは不向きである。

 

「順応型」パラダイム
因果関係の概念が理解され、人々は過去から現在、未来へと続く時間の流れを把握し、将来に向けた計画を立てられる。その結果、農業が発展可能となり、食料に余裕が生まれる。その結果、統治者階級や役人、兵士などに分配できる余裕ができ、国家と文明が生まれる。

 順応型の意識を持つと、他者の感情やものの見方をより理解できるようになる。

他者が自分をどう見ているかも創造できる。

この段階では、エゴと自尊心は他者の意見に左右され、人々は自分の属する社会集団に承認され、受け入れられるように努力し、集団の基準を自分の行動基準に取り込む。

この結果、衝動型に見られた自己中心主義は自民族中心主義に変わる。

 

順応型組織は、中長期で計画を立てられる。
また規模を拡大できる安定した組織構造を作る事ができる。
この進歩により、大きな成果を上げられるようになり、ピラミッドや万里の長城などを作り上げた。

 
「達成型」パラダイム
意思決定の基準が倫理から有効性に変わる。
最善の判断とは、最大の結果をもたらす判断であり、人生の目標は、自分に与えられたカードで全力を尽くすことになる。
今日の大半のビジネスと政治のリーダーにとって達成型の世界観が支配的である。
産業革命期から2世紀の間、達成型組織は私たちに未曾有の繁栄をもたらした。
平均寿命は延び、先進諸国では飢饉や疫病は無くなった。
しかし、その影として、企業の貪欲さ、政治家の短期主義、過剰消費など達成型の負の側面は無視できない状況にある。
この段階の世界観は、物質的であり、大きいこと、多いことが良しとされ、出世、購買などの目標を達成すると幸せになると言う前提の生活となっている。
達成型パラダイムでは、自分の目標を達成する為に何をすべきかを考える事に夢中になり、未来に生きている。

今の瞬間を振返り、得た利益と自由に感謝する事はない。

 
達成型組織を具現化したのは、現代のグローバル企業である。

達成型パラダイムは組織を機械と考え、組織を工学的な視点でユニット、アウトプット、効率性、リエンジニアリング、ダウンサイジングなどの単語で捉える。

リーダーは組織を「デザイン」し、人材は「経営資源」となり、計画に従って「配置」される。

この段階のリーダーシップは目標重視型で、目に見える問題を解決する事に集中し、人間関係よりも業務遂行を優先し、合理性に価値を置き、感情に流されないように用心する。

イノベーション、説明責任、実力主義

 
「多元型」パラダイム
達成型の影を十分に理解し、物質主義、社会的不平等、コミュニティーの喪失がされている。
多元型は人々の感情に極めて敏感である。
あらゆる考えは等しく尊重され、公平、平等、調和、協力、コンセンサスを求める。
この見方に基づいて自発的に動くには、誰とでも協調的なつながりを築くように努力しなければならない。
20世紀に入り、このパラダイムに染まった人々が増え、非営利組織、社会事業化、地域社会活動家の中に良く見られるようになった。
この見方に基づき仕事をしている人は、仕事の成果よりも人間関係の方が価値は高く、ボトムアッププロセスの意思決定を模索する。
対立する見解をなるべく多く集め、最終的にはメンバーの総意に基づく決断を目指す。
達成型組織が明確なリーダーシップを褒め称えるのに対し、多元型組織では、リーダーは自分が率いる組織に奉仕すべきと主張する。

 
多元型の視点は権力や階層にはなじまず、リーダーの多くは自社を家族にたとえる。
ここ数十年で発展を遂げてきた会社の中には、このパラダイムの文化に基づき経営している企業がある。


「進化型」パラダイム
人類は、以上の4つの組織モデルを経て、今日に至る。そして人間の進化における次の段階はマズローの欲求5段階説の最後の欲求とされる「自己実現への欲求」に相当する。それは、「本物の」「統合的」「進化型」と呼ばれる。

 
自分自身のエゴから自らを切り離す
・私たちが、自分のエゴから自らを切り離せるようになると、進化型への移行が起きる。
・自分のエゴを一定の距離を置いて眺めると、その恐れ、野心、願望がいかに自分を突き動かしているかがわかる。
・それに気づけば、支配したい、自分を好ましく見せたいと言った欲求を最小化する術が得られる。
・私たちがエゴに埋没していると、他の人々の考えなど、外的な要因によって判断が左右されがちになる。
・一方、進化型は意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。
・自分の内面に照らして正しいかどうかを判断する。
・進化型では他人から認められる事、成功、富、帰属意識は快楽的な体験であり、エゴを充足させる甘酸っぱい「罠」と捉えられる。
・その為、それ以前の段階とは優先順位が入れ替わる。
・そして、他人からの評価や成功、富、帰属意識を求めず、充実した人生を送るよう努める。

 
人生は、自分の本当の姿を明らかにする旅
・進化型のパラダイムでは、内面の正しさを求める旅を続けると、自分が何者で、人生の目的は何か、という内省に駆り立てられる。
・人生の究極の目的は、成功したり愛されたりする事ではなく、本当に自分らしい自分になるまで生き、持っている才能や使命感を尊重し、世界の役に立つ事なのだ。
・進化型パラダイムでは、人生とは、自分たちの本当の姿を明らかにしていく個性的、集団的な行程と見られる。
・この段階まで進んできた人々の多くは、瞑想、ヨガ、自然の中を歩くといった慣行を通じて静かな場所を見つけ、真実と指針を語りかける内なる玉氏の声を耳にする。
・このような見方で、人生を見つめながら生活し、目的の深い意味に到達する個人は、恐れを知らずに自分の使命を追及できる。

 全体性を心の底から求める
・進化型の段階になると、全体性を心の底から渇望するようになる。
・エゴと自分自身の深い部分をつき合わせ、心、身体、魂を統合し、他者と充実した関係を築き、人生と自然との壊れた関係を修繕する状態を望むようになる。
・全体性に対するこの憧れは、世の中にあるほとんどの職場が促進している「分離」と対立する。
・どの職場でも、エゴと合理性が強調される一方、精神性と感情は無視される。
・また、働く人々は部門、階級、業績などに基づいて分離される。
・進化型のパラダイムに移ろうとする人々にとって、こうした分離は苦痛である。
・その為、転職や独立をし、自分自身や他人との全体性を得られる協調的な働き方を選択することも多い。

第2部
第1章: 三つの突破口(ブレイクスルー)と比喩(メタファー)
三つのブレイクスルー
・自主経営
・全体性
・存在目的


成功している会社であっても全てが進化型な訳ではなく、部分的に混在している。


第2章:自主経営/組織構造
・自分でコントロールできないとつまらない
・モチベーションの欠如は権力の不平等な分配によって生まれる
・対応する絶対数を増やして利益を上げるのではなく、対応を各個人に任せることで患者さんの病気が治っていくという結果が出る。
・上司はいないが平等なわけではない。それぞれの専門が尊重される。
・マネージャーがいなくてコーチはいる
・責任はチームにある
・チームを構成する20人という単位が良い
・数字的な効率ではなく、モチベーションで担保していく。
・自主経営チームは、少人数で自分たちで決定する。
・スタッフ機能をなるべく置かない


第3章:自主経営プロセス
・従業員を疑うのではなく、信頼することで自発的に作業をしてもらう。その効果で高い生産性を実現する。
・全員の希望を聞いて内容の薄くなった妥協を強いることでない。しかし必ず関係者に助言を求め、それらを真剣に検討しなければならない。
・助言を求めるから関心を示す。
・情報を共有することで同じコミュニティにいるという感覚を強める
・助言を求める職場は楽しい。私はあなたを必要としているという意思表示に他ならない。

 
第4章
ピア・コーチン

 
第6章
だれも座らない椅子
→組織の存在目的に耳を傾けるために、ミーティングのたびに誰も座らない椅子を用意して、組織と組織の存在目的を代表する席にしておく。

大集団プロセス
・U理論
・アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
・フューチャー・サーチ マーヴィン・ワイスボード
・オープンスペース・テクノロジー ハリソン・オーウェン

存在目的に耳を傾ける。

ステークホルダー・モデル→それぞれのニーズにこたえなければならない。


実行可能な解決策と高速反復

製造業におけるリーン生産方式

ソフトウェア開発におけるアジャイルソフトウェア開発

第7章
インテグラ理論の四つの象限を組織にあてはめる。p.380
https://heart-quake.com/article.php?p=5541

 

第3部:進化型組織を創造する
第1章:必要条件
・経営トップとオーナーに進化型の理解がないといけない。
・業種、組織の大小、地理的条件と文化的背景は重要ではない。
・一人のミドルマネージャーとしての導入は、無駄な努力。
・CEOが重要→マインドフルである。
・CEOは外部に対する組織の代表である。
・CEOの仕事は進化型の空間を保持する、行動の手本を示す。
・数値の集中管理自体が各担当の責任性を浸食する。
・自分がヒーローになれるから、みんながヒーローになれるへの移行
・成功は意味のある目的を追求した結果得られるものであり、成功自体を目標にしないように気をつけなければならない。

 
第2章:進化型組織を立ち上げる
・進化型組織をゼロから立ち上げると、軌道に乗せやすい
・共同経営者の理解が必要
・スタートアップ立ち上げ当初は進化型だが、人が増えるにつれ変わっていく

付録④ 進化型組織の構造、慣行、プロセスの概要

 
・自主経営に関する三つの慣行
助言プロセス
紛争解決システム
同僚間の話し合いに基づく評価と給与決定プロセス

・全体性に関する四つの慣行
安全な空間を作るための基本ルール
オフィスまたは工場
オンボーディングプロセス
ミーティングで実践すべき慣行

・存在目的に関する二つの慣行
採用
誰も座らない椅子ミーティング

第3章:組織を変革する
・CEOや取締役会が賛成してないと無駄な努力
心理的オーナーシップ
・自主経営の導入はミドルマネジメント以上のマネージャーは脅威に思うだろう。

・全体性を醸成するための組織慣行を決める。
・全体性は自主経営に比べて導入ペースが調整しやすい。
・存在目的に関する組織慣行

  • U理論
  • AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)

 
第4章:成果
・人は本当に意味があると確信できる目的を追求している時に効果を高めたいと思うものなのだ。
・成果は重要で、進化型は逆風に見舞われがち。売り上げが伴わないといけない。

 
画期的なパフォーマンスを引き起こす要因
①トップの数人ではなく、全員が権限を握っていれば組織としての力が何倍にもなる(自主経営)
②人々が自分らしさを失わずに職場に来るので、権限の使い方に知恵が絞られている(全体性)
③社員の権限と知恵が組織の生命力と一致すると、なぜか物事がうまく運ぶ(存在目的)

それまでのモデルでは使われなかったエネルギーを開放する
・存在目的を通じてー人々が自分よりも大きな目的を心から理解すると、個々のエネルギーが高まる。
・権限の分散を通じてー自主経営は恐ろしいほどのモチベーションとエネルギーをつくりだす。上司のために働くことをやめ、内在的基準に照らして働き始めるのだが、実はこちらの方が目指す水準も要求も高くなることが普通である。
・学びを通じてー自主経営の下では、私たちは学習への強い意欲がわいてくる。そして学習の意味が、スキルにとどまらず、内面の発達や個人としての成長という領域まで広がる。
・人材のよりよい活用を通じてー組織の中で出世するために、自分には合わないかもしれない管理職的な役割を押し付けられることはもはやない。各人の役割を(事前に定められた職務記述書ではなく)流動的に調整した方が、人材と役割はうまく適合する。
・エゴを満たすために浪費されるエネルギーが減るー上司にゴマをすり、出世のためにライバルを押しのけ、縄張り争いをし、問題を起こさずに見栄えをよくするために精を出し、他人に責任を押し付ける、といったことのために費やされる時間やエネルギーが少なくて済む。
コンプライアンスのために費やされるエネルギーが減るー上司やスタッフ機能が持っていた無駄な統制メカニズムや報告義務をつくり出すような官僚的な能力は、自主経営になるとほぼ完全に不要になる。
・ミーティングに費やされるエネルギーが減るーピラミッド型組織の場合、情報が指揮命令系統の中を円滑に上下するよう、情報を集めたり、まとめたり、浸透させたり、伝達するために、あらゆる階層でミーティングが必要となる。自主経営の組織形態ではほとんど不要になる。
より明確に、しかも賢くエネルギーを活用する。
・感じ取る力を磨くことを通じてー自主経営では、どの社員も周りの現実を直接感じ取って得た知識に基づいて行動する。情報は、組織階層の中で意思決定者に到達する前に失われたり、選り分けられたりしない。
・優れた意思決定を通じてー助言プロセスを用いると、同僚からの助言を受けて、適切な人が適切な判断を下す。合理的な判断だけでなく、感情や直感、美意識といった経験で培われた見識によっても意思決定が下される。
・数多くの意思決定を通じてー従来の組織では、意思決定がトップに集中しているため停滞が生じる。自主経営の組織構造では、数千もの判断がいつでも、どこでも下されている。
・タイムリーな意思決定を通じてー「海のことは漁師に問え」のことわざではないが、漁師が魚を見つけても、組織の上部から釣りの許可が下りるまで待たなければならないとしたら、さかなはとっくに逃げてしまっているだろう。
・存在目的に照らすことを通じてー組織自身が自らの方向性を実感している、つまり存在目的を持っているのだと従業員が理解できれば、彼らは存在目的に照らしながら意思決定をするため、進化に向かう風に後押しされながら航海できるようになるだろう

付録②進化型を超えて
マズローの自己超越


付録③ 進化型組織の組織構造
パラレル構造
個別契約の網構造
チームの入れ子構造

 

ついでに以下について調べてみた。
インテグラル理論との違い
ティール組織はケン・ウィルバーインテグラル理論から展開されたもの。
経営者の発達段階がティールの段階にならないと、ティール組織を創ることは実現できない。
インテグラル理論は統合的段階(ティール)の視点から体系化されたメタ理論。
インテグラル理論の成人発達理論でティールの段階は、スザンヌ・クック・グロイターの自我発達理論における5.0(The Autonomous Stage)レベルである。
一方、現在のビジネスのフレームワークのほとんどが、自我発達理論における4.0(The Conscientious or Achiever Stage)で構築されている。
http://integraljapan.net/articles/JTA2018EgoDevelopment.htm

・ホラクラシーとの違い
ティール組織は、レッドからグリーンという組織形態を経て辿り着いた、メンバー一人ひとりの自律的判断で機能する組織概念
ラクラシーは、厳密なルールのもとに運営される実践的な経営手法。
https://circu.co.jp/pro-sharing/mag/article/1310/#3


自主経営 達成型(オレンジ)組織のやり方 進化形(ティール)のやり方
組織構造 ピラミッド型の階層構造 ・自主経営(セルフ・マネジメント)チーム。・必要に応じて、コーチ(収益責任を負わず、管理上の権限も持たない)がいくつかのチームを担当する。
スタッフ機能 人事、IT、購買、財務、管理、品質、安全、リスク管理など、おびただしい数のスタッフ機能 ・左記の機能の大半は各チームで、あるいは自発的なタスクフォースで果たされる。・ごく少数のスタッフ機能は助言のみ行う。
調整 (トップ経営陣から、下部組織に至るまで)すべての階層で行われる定められたミーティングで調整が行われる。朝から晩までミーティングになりかねない。 ・経営チームによるミーティングはない。・必要が生じたときに調整が行われ、ミーティングが開かれる。
プロジェクト 複雑な状況を管理し、経営資源に優先順位をつけるための重い仕組み(プログラム&プロジェクト・マ ネジャー、ガント・チャート [作業 間の相互依存性と必要な経営資源を計算するためのグラフ]、計画、予算など) ・極端なまでに簡素化されたプロジェクト管理。・プロジェクト・マネージャーはおらず、プロジェクトに必要な人材は自分たちで集める。・計画や予算は最小限で(あるいは全くなく)自発的に優先順位付けがなされる。
役職と職務内容 どの仕事にも役職があり、職務内容は決まっている ・決まった職務内容の代わりに流動的できめ細かな役割が多数存在する。・役職はない。
意思決定 ・ピラミッドの上位でなされる。・どのような意思決定も組織階層の上部から無効とされる可能性がある。 助言プロセスに基づき完全に分権化 (あるいはホラクラシー的な意思決定の仕組み)
危機管理 ・少人数で構成される顧問団が秘密裏に会合し、CEOのトップダウンによる意思決定を補佐する。・社員への伝達は判断がくだされたときだけ。 ・透明な情報共有。・関連する人であればだれでも、集団的な知性に頼ってベストの反応を得ることができる。・助言プロセスを停止しなければならないときには、停止の範囲と期間が定められる。
購買と投資 ・組織内の階級に応じた限度額。・投資予算はトップ経営陣から干渉 される。 ・だれでもいくらでも使うことができるが助言プロセスは尊重される。・チームの投資予算は同僚間の話し合いに基づいて(ピア・ベース) 決定される。
情報の流れ 情報は力であり、知る必要がある場合に開示される。 会社の財務や報酬に関するものも含め、あらゆる情報はいつでも、だれでも入手できる。
紛争の解決 ー(紛争はうやむやにされることが多く、紛争解決のしくみはない) ・複数の段階を踏む正式な紛争解決の仕組みがある。・紛争は当事者と仲介者以外には知らされず、部外者が引きずり込まれ ることはないという文化がある。
役割の配分 ・少ない昇進機会をめぐる熾烈な争いが政治的駆け引きや秩序を乱す行為を生む。・縄張り争いがある。一人一人のマネージャーが自分の城の主となる。 ・昇進はないが、社員間の合意に基づく流動的な役割の再分配がある。・自分の権限外の問題について率直に意見表明をする責任がある。
実績管理 つまらない。レベルが低い 実用性が乏しい。一発屋。思いつき
報酬 ・組織階層上の管理職によって決定される。・個人別のインセンティブ・システム。・実力主義原則により、社員の給与には大きな差がつく場合がある。 ・基本給については、ほかの社員とのバランスを考えながら自分で定める。・賞与はないが、全社員平等の利益分配がある。・給与の格差は小さい。
解雇 管理職が(人事部の承認を得た上で)部下を解雇する権限を持っている ・解雇は仲介者の入る紛争解決メカニズムの最終段階。・実際には極めてまれ。
全体性 達成型(オレンジ)組織のやり方 進化形(ティール)のやり方
建物と組織図 ・標準化された、機能に特化した面白みのない社屋。・多すぎる肩書。 ・自分たちで飾り付けた、あたたかい雰囲気のスペース。子どもたちにも、動物にも自然にも開放され ているオフィス。・肩書が全くない。
価値観と基本ルール ー(組織の価値観は額に入って壁に飾られているだけのことが多い) ・明確な価値観が、組織内で受け入れられる(あるいは受け入れられない)行動や態度の基本ルールとして具体化され、働く人々にとって安全な環境を守ろうとしている。・価値観と基本ルールに関する継続的な討論を深めるための慣行。
内省のための空間 ・静かな部屋。・集団での瞑想と沈黙の慣行。・大集団での振り返り会。・チームでの監督と仲間同士での コーチング。
コミュニティーの構築 ・自分をさらけ出してコミュニティーをつくるための、物語ること(ストー リーテリング)の実践。
役職と職務内容 ・役職は「自分は何者か」を示す標識。・ 組織内に確立した職務記述書。 ・役職名がないため、社員は自分が何者かを深く追求せざるを得ない。・ 職務記述書がないため、自分の役割を自分で決められる。
業務時間の拘束 ・仕事にかけられる時間と自分が生活のうえで大事にしているほかの時間との割合についての、誠実な話し合い。
紛争 ・対立を明らかにし、対処するための時間が定期的に定められている。・複数の段階を踏む紛争解決の仕組みがある。・社員全員が対立に対処するための訓練を受けている。
ミーティング ー(ミーティングの数は多いが、ミーティングでの決まり事はほとんどない) ・エゴを抑え、全員の意見に耳が傾けられるような、具体的な決まリ事がある。
環境と社会への取り組み 事の本質とは無関係な「金額的基準」---「コストがかかりすぎない限りは・・・が買える」。・業績への影響を考慮しながら、経営トップだけが取り組みを始めることができる。 ・本質的な基準としての「誠実さ」---「なすべき正しいことはなにか?」・何をするのが正しいかをだれもが感じ、だれもが取り組みを始められる。
採用 訓練を受けた人事部スタッフが採用面接を行い、職務記述書に適合しているかが重視される。 ・将来一緒に働くかもしれない社員たちとの面談で、組織と存在目的が重視される。
オンボーディングプロセス ー(大半が管理面に関する入社プロセス) ・人間関係と企業文化に関する徹底的な研修。・組織に溶け込むためのローテーション・プログラム。
教育研修 ・研修内容は人事部が設計。・仕事上のスキルやマネジメントの訓練が大半。 ・研修は自由に自己責任で受ける。・社員全員が参加する文化構築の研修が極めて重要。
実績管理 ・過去の実績に関する客観的な断面を把握しようとする。 ・その人がこれまで何を学んだか、その人の使命は何か、一人一人と探求する。
解雇 ・解雇はほとんどが法的、金銭的プロセス。 ・解雇を学習機会へと転換する思いやりのある支援。
存在目的/組織の慣行 達成型(オレンジ)組織のやり方 進化形(ティール)のやり方
目的 ・(ミッション・ステートメントが何を言っていようと)主な目的は組織の存続。 ・組織は自らの存在目的を持った生命体として見られている。
戦略 ・戦略は組織のトップが決める。 ・戦略は自主経営(セルフ・マネジメント)ができる従業員の集団的 な知性から自然発生的に現れる
意思決定 (存在目的に耳を傾ける慣行はない)競争の中でいかに生き残るかが意思決定の主な原動力。 ・組織の存在目的に耳を傾ける慣行:-だれもが感知器(センサー)-大集団でのプロセス。-瞑想、誘導視覚化など-外部からの働きかけに対する反応。
競合他社 ・競合他社は敵。 ・競争という概念は組織行動に無関係。・「競合他社」を受け入れ、共に存在目的を追求する。
成長と市場シェア 成長と市場シェア ・存在目的の達成に寄与する限りにおいて重要。
利益 ・先頭に立つべき指標。 ・正しいことをしていれば自然についてくる後続的な指標。
マーケティングと製品開発 ・アウトサイド・イン一顧客の調査と顧客セグメンテーションが提供商品/サービスを決める。・必要に応じて顧客ニーズがつくられる。 インサイド・アウト一何を提供するかは存在目的によって定まる。直感と美によって導かれる。
プランニング、予算策定、管理 ・「予測と統制(コントロール)」に基づく。・中期計画、年次予算、月次予算という厳しい周期。・計画への固執がルール。逸脱した場合には説明が必要で、足りない分は埋めなければならない。・従業員にやる気を出させるための野心的な目標。 ・「感じ取ることと反応」に基づく。・まったくないか、極端に簡素化されている。・予算、予実分析はない。・「完璧な」答えを探すのではなく、実用的な解決策と迅速な繰り返し。・何が必要かを常に感じ取る。・目標数値はない
チェンジマネジメント 組織をA地点からB地点に動かすためのチェンジマネジメントのツールを揃える。 -(組織は環境変化に合わせて常に内部から変化しているんどえ,「変革」は無関係)
サプライヤーと透明性 サプライヤーは価格と品質で選ばれる。・外部に対しての守秘が当たり前。 サプライヤーは存在目的への適合度で選ばれる。・外部に対して完全に透明なため、存在目的をうまく達成するため部外者からの提案が歓迎される。
気分管理 ・どのような気分が組織の存在目的に資するかを常に感じ取る。
個人の目的 ー(従業員が個人の使命を見つけ出すための支援をするのは組織の役割はない) 個人の使命と組織の目的の交差点を探るために、採用、教育、評価制度が用いられる。


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目次

第一部 歴史と進化
第一章 変化するパラダイム 過去と現在の組織モデル
人は無意識に誰かの前提に縛られる。古くは神様や太陽など言語が無い時にはそこを前提に動いていた。そこから神は大事にしつつも己の欲という衝動が大切だという規範に移行し、そしてそこも大きな目で生態系として環境に合わせていく規範ができ、その後は生態系から資本主義が発達し、持つものと持たざるものの二元論から達成=持つために何ができるかという問いが大きくなった。そして、人々は現在、その限界を感じ、二元論を超えた棲み分け=つまり、多元な世界がパラレルに生まれていることをこの章ではみていこう。過去から現在、組織だけが変わったのではなく、もっと深い遺伝子レベルで変化が起こり、それに合わせた組織モデルが出現してきている。それだけなのである。

受動的パラダイム→無色
神秘的パラダイム→マゼンダ
衝動的パラダイム→レッド
順応型パラダイム→アンバー
達成型パラダイム→オレンジ
多元型パラダイム→グリーン


「衝動型」から「多元型へ」 組織モデルの共存

第二章 発達段階について
発達するには、アウストラロピテクスから始まり、狩猟型から農耕牧畜型経済、そして貨幣経済と人類が資本主義が始って200年、その間には全く異なる価値観があった。それぐらい先が読めないスピードで人類は複雑に進化している。組織の発達段階云々ではなく、人は永遠に発達し続けるため、それが組織の成長に繋がっている、それだけなのである。リーダーシップとは、その発達段階に合わせて出現し、それは時代を重なりながら複数のタイプが存在するのである。サーバント、オーセンティックなど表現は様々だが、間違いなく、時代や環境から、人間が発達し、組織が進化していっているのである。

人類の進化の複雑さ
別の段階に移行する
発達段階を組織に当てはめる
リーダーシップ

第三章 進化型

進化型は価値基準をどんどん拡げる。究極、自分という存在
エゴを失う恐れを抑える
コンパスとしての隠れた正しさ
人生は、自分の本当の姿を明らかにする旅
強さの上に人生を築く
逆境に優雅に対処する
理性の先の知恵
全体性に向けた努力
他の人々との関係における全体性
人生と自然の全体性
進化型パラダイムにとっての意味

第二部 進化型組織の構造、慣行、文化
第一章 三つの突破口と比喩
新たな比喩 生命体としての組織
進化型組織が開く三つの突破口
調査対象となった組織の特徴

第二章 自主経営/組織構造
一つの事例 ー達成型組織から進化型組織へー
自主経営チーム
驚くべき成果
上司の不在
ミドル・マネジメントは存在しない
必要最小限のスタッフ機能
労働者が進化型の方を向く理由
経営陣はなく、ミーティングはほとんどない
チーム間の人員調整と知識の交換
信頼 対 統制
信頼のエネルギー
プロジェクト
自主経営を数万人規模に拡大する
ポランティアによるタスクフォース
組織図も、職務記述書も、肩書きもない
自主運営する生徒、教師、保護者 ー進化型学校

第三章 自主経営/プロセス
意思決定ー助言プロセス
危機発生時の意思決定
購買と投資
暗黙の前提を明らかにする
内部のコミュニケーション
紛争の解決
役割の決定と配置
チームレベルでの実績管理
個人の実績管理
解雇
報酬とインセンティブ
自主経営への四つの誤解

第四章 全体性を取り戻すための努力/一般的な慣行
人間性を仕事に呼び込む
開放的な、真の意味での「安心」できる職場環境
内省のための空間
物語ること
ミーティング
紛争に対処する
建物と地位
環境問題と社会問題

第五章 全体性を取り戻すための努力/人事プロセス
採用
オンボーディング
研修
職務記述書、役職、キャリア・プランニング
約束、労働時間、柔軟性
フィードバックと実績管理
解雇
要約ー全体性を支える慣行とプロセス

第六章 存在目的に耳を傾ける
競争、市場シェア、成長
利益
存在目的に耳を傾けて意思決定を行う
存在目的に耳を傾ける慣行
有機的なプロセスとしての戦略
マーケティング
プランニング、予算策定、統制
チェンジマネジメント
顧客、サプライヤー、情報フロー
意図的な「気分」の管理
個人の目的と組織の目的
存在目的に耳を傾けるーここまでの要約
第七章 共通の文化特性
自主経営
全体性
人間関係の構築と対立
存在目的


第三部 進化型組織を創造する
第一章 必要条件
経営トップ
進化型の空間を保持する
進化型組織を支える3つの突破口の模範となる
その他の役割ーほかの社員と同じ一人の仕事仲間
取締役会とオーナー
必要だが不十分

第二章 進化型組織を立ち上げる
前提と価値観をつなぐもの
自主経営に関する三つの慣行
全体性に関する四つの慣行
存在目的に関する二つの慣行

第三章 組織を変革する
自主経営を導入する
全体性を醸成するための組織慣行を決める
存在目的に関する組織慣行

第四章 成果 
証拠となる逸話
画期的なパフォーマンスを引き起こす要因

第五章 進化型組織と進化型社会
進化型社会はどのように見えるだろうか?
進化型社会の中の進化型組織
未来をつくりだす

付録① 調査用の質問表
付録② 進化型を超えて
付録③ 進化型組織の組織構造
付録④ 進化型組織の構造、慣行、プロセスの概要