akon2.00βのよっぱらいの戯言

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コトラーの「予測不能時代」のマネジメント

 

 

原書タイトルは"CHAOTICS" The business of managing and marketing in the age of turbulence.「カオティックス」の復刻版のようです。

 

・混乱に対処する超過当競争時代の戦略

 1.ステークホルダーを満足させる

 2.戦略的に予想する

 3.スピード

 4.意表をつく

 

・混乱に対処する超過当競争時代の戦術

 1.メッセージ

 2.市場ルールを変更

 3.一斉または連続攻撃

 

カオティスク・マネジメント

カオティスク経済状況下では乱気流は避けられない。

乱気流を乗りこなす新たな経済戦略が必要。

それがカオティスク・マネジメント

 

検討すべき新たな態度

①変化を直接肌で感じる

②フィルターを外す

③戦略が廃れていくのは避けられないことを認める

 

カオティックス・マネジメントは、乱気流とそれによるカオスを検知・分析してそれに対応するための体系的手法であり、次の三要素からなる。

「早期警報システム」を開発して乱気流源を検知する。

「キーシナリオの構築」でカオスに対応する。

優先順位の高いシナリオとリスクに対する態度に基づいた「戦略を選択する」。

 

「早期警報システム」を開発して乱気流源を検知する。

経営陣が次の8つの重要な問いに答えること。その上で、この問いに沿った議論を深めてから、早期警報システムの開発に着手することである。

-これまで盲点だったのはどこか。そこで今何が起こっているか。

-役に立つ似たような例がほかの業界にないか。

-無理やり正当化している重要な兆候はなにか。

-業界内で、ちょっとした信号に気づき、それに基づいてどこよりも先に動くのがうまいのはどこか。

-社内の一匹狼や非主流派が言おうとしていることはなにか。

-今後、自社にかなり損害を与えそうな(あるいは役立ちそうな)思いがけないことはなにか。

-業界の流れを変えそうなこれからの技術はなにか。

-想定外のシナリオはあるか。どんな内容か。

早期警報システムの3つの要素

リスクの特定

影響を受ける可能性があるのは、どのような市場動向と産業動向か。

リスクの観察

影響を及ぼす(あるいはそのうちに及ぼすようになる)兆しとなりそうな、ライバル企業や業界全体のどういう動きがあるか。

経営陣の対応

リスクがどう変化するかを常に頭に入れて、組織が損害を受ける前にすばやく積極的な対応に着手する用意ができているか。

 

不確実性のレベル

【レベル1】はっきりした将来像が見えていて、多少は残る不確実製要素も戦略決定には影響しないため、ひとつの予測展開だけで、戦略立案に十分正確な基盤となり得る。

【レベル2】いくつかの将来像が考えられ、いくつかのシナリオのいずれかになると想定できる。

【レベル3】さまざまな将来像の可能性が考えられるが、重要な不確定予想は限られている。

【レベル4】まったく不透明であり、不確実な状況のさまざまな局面が互いに影響しあっていて、予測がほぼ不可能である。

 

シナリオ・プランニングの効果的かつ効率的なやり方

そのシナリオ分析で答えるべき主要な問いを決める

こうすることで、ほかの手法や類推による分析よりシナリオ・プランニングのほうがいいかどうかの判断ができる。

分析の範囲と期間を設定する

これまでにどのくらいの速さで変化が起きてきたかを考慮したうえで、デモグラフィックス(人口動態)・製品ライフサイクル・その他関心のある分野の動向をどの程度予測できるかを判断する。

主なステークホルダーを特定する

起こり得る結果に影響を受けたり関心があったりするのは誰かを判断する。そうした相手の目下の関心事はなにか、それは時とともに変わってきたかどうか、変わっていたらそれはなぜか、を特定する。

基本動向・乱気流・その結果生じるカオスの威力を調査する

この調査には、業界・競合・景気・政治・技術・法律・社会の各動向を含まれる。ブレインストーミングを行い、そうした動向が調査項目にどの程度影響するかを判断する。その後、それぞれの動向が、なぜ、どのように、組織や事業に影響するかを明確にする。

カオスを生み出す主な不確実要素をつきとめる

業界・市場・事業に重大な影響を与えそうなカオス的魅力も突き止める。異なるカオス的勢力の間に何らかのつながりがあるかどうかを判断し、「ありえない」シナリオは一切排除する。

キーシナリオを決める

たいてい、2~4通りのシナリオができあがる。できればそれを座標化すること。ひとつのやり方として、プラス要素はすべてひとつのシナリオに、マイナス要素はすべて別のシナリオに入れてから、それ以外のシナリオを練り上げる方法がある。そうすれば、100%の最良・最悪シナリオにならない。さらに必要となりそうな追加調査を確認し、実施する。

キーシナリオの善し悪しを判断する

目標達成に必要なシナリオか。内部に矛盾がないか。典型的か。比較的安定した結果状況を象徴しているか。

決定したシナリオに集中する

組織が直面している基本的問題に取り組むシナリオができあがるまで、ここまでの7ステップが繰り返し見直す。それぞれのシナリオのプラス面とマイナス面を見極めてから、起こり得る確率に基づいて各シナリオに優先順位をつける。

 

企業の究極の目標は、反応性・強靭性・弾力性の高い組織づくり、つまり、生存し、反映する能力のある組織づくりである。「企業の持続可能性(BES)」を目指し、実現するのはそういう組織である。

・反応性

外的刺激にすばやく反応できる資質

・強靭性

ストレス、プレッシャー、やり方や環境の変化に耐えられる資質、つまり、環境に対処する上で、機能性の損害・変更・低下を最小限に抑えながら、さまざまな変化(時に予測不可能な変化)にうまく対処できる力。

・弾力性

曲げたり縮めたり伸ばしたりした後に、元の形状や元の場所に戻ることができる資質のことで、企業の場合は、再起や回復の力があること。

 

隠れたチャンピオン企業に学んだ「9つの教え」
●コアに欠かせない2つ
①強力なリーダーシップ
②意欲的な目標
●内部能力と密接につながっている3つ
③自社の強さへの信頼
④たゆまぬイノベーション
⑤選り抜きのやる気ある従業員
●外部の機会を追う力を特徴づけている4つ
⑥限られた市場への集中
⑦競争力
⑧顧客密着型
⑨グローバル志向


カオティクス・マネジメント・システム」を実施する明確なロードマップ
①乱気流とカオスの発生源の特定
②乱気流に対する誤った対応の特定
③早期警報システムの確立
④キーシナリオと戦略の構築
⑤キーシナリオの優先順位付けと戦略の選択
カオティクスによる戦略的対応の実施
カオティクスマーケティング戦略の実施
⑧企業の持続可能性(BES)の達成


カオティクスによる戦略的対応」を実行する5つのステップ
ステップ1:現在のビジネスモデルと戦略の再確認
ステップ2:カオス下での戦略実行能力の判断
ステップ3:戦略的対応の実行プロセスの明確化
ステップ4:「カオティクスによる戦略的対応」の実行
ステップ5:見直しと修正

 

 カオティクスマーケティング戦略における8つの注意点
① コアとなる顧客層の市場に占める割合を確 保する
② コアとなる顧客層が同じライバルから顧客をうばい、シェアを拡大していく
③コアとなる価値観を前面に押し出す
④効果がないことはすぐにやめる
⑤自社の強みを強化して、弱みを排除すること
⑥顧客のニーズとウォンツが移ろいやすいので、顧客調査をしっかりする
(○○が欲しいというときに、実際に○○を買う手段が多様化しています)
⑦コアブランドや最良ブランドは安売りしないこと
マーケティング予算を惜しまないこと