akon2.00βのよっぱらいの戯言

色しょく是食、食しょく是色

ナラティブカンパニー

ナラティブ(narrative)

物語。朗読による物語文学。叙述すること。話術。語り口。
デジタル大辞泉

ナレーション(物語を語ること)、
ナレーター(語りて)と語源を同じくする

医療分野では、医療従事者と患者の対話のあり方が「ナラティブ・アプローチ物語に基づく医療患者を「物語の主人公」として捉え、自分の病気とどう向き合っていくのかを話し合う手法

行動経済学とは異なり、経済事象を起こしている背後には「ナラティブの力」が作用している。
ナラティブ エコノミクス ロバート・シラー

ナラティブとストーリーの違い

ナラティブ ストーリー
演者 生活者 企業やブランド
時間 常に現在進行形、「これから起こること」を含めた未来の話 始まりと終わりが存在する、起承転結
舞台 社会全体 その企業が属する業界や競合環境

ナラティブが重要となる3つの理由=ニューノーマルの3つの変化
・共体験価値の高まり
→同じ空間で、同じ時間に、同じことをするという体験
→共感は価値観が共有できない
・社会的距離の見極め
・自分らしさが問われる。
→ブラント・オーセンティシティ→裏表がない


ナラティブを実践する5つのステップ
STEP1 パーパスの設定:ナラティブの「起点」を定める
パーパス→企業やブランドの「存在意義」
パーパスの設定:実践の3つのポイント
・内在する「暗黙知」を可視化する
→「社内に対する徹底的なヒアリング」や「顧客の声」による客観的な視点
・ベネフィット市場を意識する
→ブランド独自のベネフィット×「長期的かつ独占的」に保有できるパーパス
・設定のオーナーシップを維持する。
→パーパスの設定は経営者の仕事



STEP2 パーセプションの形成:ナラティブの「目的」を明確にする
認知と認識の違い
認知(アウェアネス)→物理的なモノや事象、それ自体の存在を知ってもらうこと
認識(パーセプション)→知覚、理解、認識=モノゴトの見え方や捉え方

5つの形成要素
「事象」「リテラシー」「グループ」「タイミング」「​コントラスト」

バーセプションの形成を実践する3つのポイント
①形成すべきバーセプションを言語化する
企業やブランドの、既存の、あるいは獲得したいバーセプションを明確に言語化
とくにパーセプションチェンジを狙う場合は、そのビフォーとアフターを明確化するべきです。その際、バーセプションは「客観的なものかつ具体的認識」にする。

②対象がカテゴリーかプロダクトかを判断する
パーセプションを形成する対象が、「カテゴリー」 か「プロダクト」かを判断し、どちらでパーセプションを形成した方が自社のベネフィットにつながるかを考える。

③5つの形成要素を活用する
「事象」「リテラシー」「グループ」「タイミング」「コントラスト」を考え、現在進行形で生活者とメディアともに物語を紡ぐ。


STEP3 ナラティブスクリプトの作成:ナラティブを「描く」
ナラティブスクリプトのワークシート
・ブランド
・ブランドパーパス
・ナラティブタイトル

  • 社会的な大局観と課題提示
  • 自社のオーセンティシティないしブランドの優位点
  • 未来のステークホルダー体験

実行のアイディア

ナラティブスクリプトの作成:実践の3つのポイント
・ナラティブのタイトルを決める
→便宜上のタイトルを決めることで、語りたい物語が明確になる。
・範囲を決め、余白を残す
→戦略的な登場人物
・未来のステークホルダー体験を組み込む
→抽象的な自社のビジョンではなく、具体的な未来構想



STEP4 マルチエンゲージの展開:ナラティブを「共創」する
3 つのマルチ化
・ターゲットのマルチ化
→異なる価値観のターゲットをどう巻き込むか
・メッセージのマルチ化

メッセージを固定化せず状況に合わせて変えていく・タッチポイントのマルチ化
→リアルとバーチャル、オフラインオフラインでどうタッチポイントを最適化するか


マルチエンゲージの展開:実践の 3 つのポイント
・ 「 3 つのマルチ化」を理解する.
→「ターゲットのマルチ化」「メッセージのマルチ化」「タッチポイントのマルチ化」を理解する。
・共体験の価値を明確にする
→「どのような価値、アイデンティティを共有するのか」という共有価値の明確化
・可変的なエンゲージ設計をする
→先が見えない時代には、「可変性」が重要になり、それを遂行する「変動実行力」も求められる。


STEP5 効果の測定:ナラティブを「はかる」
・パワーをはかる
①共感度(Relevancy)
そのナラティブに共感するかどうか。物品への共感なしに共創構造は成立しない。まずストーリーとして魅力を感じるかの 検証。次に重要なのは、それを自分自身に関連付けることができるかがポイントとなる。ナラティブへの参画可能性を見極める。
②伝播度(Talkability)
そのナラティブを人と共有したり、報道したりしたくなるか。伝播性もナラティブにとっては正要な要素だ。優れた物語は 伝承される。共創構造を拡張させるには、同じ体験(共体験)の同志を増やしたいという思いや、報道したいというメディア の意向が増幅装置になる。
③社会福利度(Well-being)
そのナラティブは世の中を良くするものだと思えるか。社会性と将来性も、ナラティブの重要な要素だ。社会を舞台に、未 来に向けて現在進行形で続く物語である限り、このポイントがしっかり担保されているかは検証すべきである。
④ブランド関与度(Authenticity)
そのナラティブに企業は正当性を持って関与しているか。繰り返しになるが、企業やブランドはナラティブの「主人公」で はない。しかし、正当な役割を持った「登場人物の一人」である必要はある。ナラティブの中に企楽が違和感なくポジションされているかを見極める。
⑤認識変容度(Perception Change)
そのナラティブは何らかの認識を変えるものか。ナラティブの大きな目的意識は「認知」ではなく「認識(パーセプショ ン)」。新しいパーセプション形成や変容にその物語は寄与するかどうか、その結果、人々の行動喚起が期待できるかを検証 する。

・成果をはかる

効果の測定:実践の3つのポイント
・「5つの指標」でナラティブスクリプトを検証する
①共感度、②伝搬度、③社会福利度、④ブランド関与度、⑤認識変容度を用いる
・「トリプルアウト」で成果を測定する
→アウトプット(実施活動による初期成果)、アウトテイク(情報発信活動に対するターゲットの反応やリアクション)、アウトカム(コミュニケーションがもたらした影響)で整理する。
・現在進行形のPDCAを回す
世の中の状況を見ながら物語の進行を調整

ナラティブカンパニー
ナラティブ(物語的な共創構造)を生み出し、その構造の中でマーケティングや広告・PR活動を行うことで、業績や企業価値の向上を果たしている企業

ナラティブカンパニーのチェックリスト
・「物語」はあるか
・「共創」されているか
・「構造」として機能しているか

ナラティブの実践こそが、ビジョンやパーパスの具現化にほかならない


目次

プロローグ ナラティブの時代がやってきた
PART1 なぜナラティブが求められるのか?―ニューノーマルの3つの変化
 1「共体験」価値の高まり 
 2「社会的距離」の見極め 
 3「自分らしさ」が問われる

PART2 ナラティブを実践する5つのステップ
 STEP1 パーパスの設定:ナラティブの「起点」を定める
  ソニーの事例 パーパス策定から普及まで社長がリード
  サンリオの事例 ハローキティのパーパスは「普遍的な思いやり」

 STEP2 パーセプションの形成:ナラティブの「目的」を明確にする
  資生堂のunoの事例:「第一印象はつくれる」日本男性の認識を変えてヒット
  ワールドの事例:アパレル→「D2Cのまとめ役」へと変容

 STEP3 ナラティブスクリプトの作成:ナラティブを「描く」
  パンテーンの事例:「#この髪どうしてダメですか」
  味の素冷凍食品の事例:「冷凍餃子は“手間抜き”です」
  WHILLの事例:車椅子→社会的活動を守る新ライフスタイルの提案へ
 
 STEP4 マルチエンゲージの展開:ナラティブを「共創」する
  米SUBARUの事例:LOVEキャンペーン
  ナイキの事例:「Breaking2」プロジェクト

 STEP5 効果の測定:ナラティブを「はかる」
  ナラティブをはかる2つの方法論
   
PART3 企業価値に直結するナラティブ
 1 ナラティブ力を発揮する達人たち
  トランプもナラティブの達人?
  「こんまり」のナラティブ
 
 2 ソーシャル・レスポンシビリティ:責任を果たすナラティブ
  SDGs達成にも欠かせないナラティブ
  ユニチャームの事例:「生理について気兼ねなく話せる社会」をつくろう
  メルカリの事例:創業の原点は「なめらかな社会を築く」

 3 ビジネストランスフォーメーション:変革を進めるナラティブ
  ネットフリックスの事例:世界一の変革企業に見るナラティブ性
  objct.ioの事例:自分たちが欲しいと思うバッグをつくる

 4 ビヘイビア・プリンシプル:行動を起こすナラティブ
  SUNDREDの事例:「新産業共創」の「拠りどころ」となる

 5 ナラティブカンパニーの時代
  ナラティブは企業価値に直結する
  ビジョナリーカンパニーからナラティブカンパニーへ