若者が右傾化したのではなく、リベラルとされていた政党が右傾化した。
ネトウヨ→非マイノリティポリティクス
→非マイノリティとは、マジョリティだがマジョリティとして満たされていない
→(日本人であるということ以外に誇るもののない)日本人アイデンティティ主義者
→中国や韓国に異常にこだわるのは「歴史問題」だけでなく、アジア(あるいは有色人種)でもっとも優れた民族という日本人の優越感を脅かすから。
→白人(欧米)へのコンプクレックスの裏返し
→日本人の右傾化は嫌韓れ反中を利用した日本人の「アイデンティティ回復運動」
在日認定
韓国や中国の主張に理解を示したり、日本を批判した相手を通名(日本名)を使った在日韓国・朝鮮人だと認定する。
日本の右翼運動はヤクザと混然一体となっており、ヤクザには在日も多かった。
ドーパミンク→快楽ホルモン
セロトニン→幸福ホルモン
オキシトシン→愛と絆のホルモン
日本では、愛国主義はナショナリズムと同義で、パトリオティズムは愛郷主義、パトリオットは愛郷者などと訳される。アメリカのアカデミズムでは国を愛するという意味で使われる。
グローバルスタンダードのリベラル
①道徳の黄金律→己の欲せざるところ、他に施すことなかれ
②普遍性→ダブルスタンダードの禁止
四つの政治思想
リベラルはliberty(自由)から生まれた言葉。
宗教のくびきや封建的な社会制度からの自由を目指す。
自由(基本的人権)が実現すると、福祉や格差是正を求める平等主義に変質していく。
これを批判して、本来の自由主義に戻そうというのがリバタリアニズム(自由原理主義)。
①自由を求める自由主義
②平等を重視する平等主義
③共同体を尊重する共同体主義
④理性によって決定する功利主義→最大多数の最大幸福
リバタリアンは自由を至上のものとするが、これを突き詰めると、国家こそが個人の自由の最大の制約であるということになる。国家が貨幣を発行することに反対し、ビットコインのような国家から独立した通貨を指示する。国家の機能のすべてを市場に置き換えようというのが無政府資本主義(アナルコ・キャピタリズム)
サイバーリバタリアン
→功利主義を過激化させたもの
カリフォルニア・イデオロギー
ヒッピーの理想とコンピュータ技術者であるハッカーの理想が交じり合った混合物である。ヒッピーもハッカーも反権威主義、自由の尊重という点で共通点がある。しかしヒッピーはその先に人間の本来性の尊重という反属性主義、コミュニティー志向、脱資本主義という理想を持っていた。それに対してハッカーの反権威主義や自由の尊重は、個人の実力の評価という反属性主義、フロンティア志向、資本主義の肯定に連なるものであった。
狭義のリベラルは自由や共同体よりも平等を重視する。平等主義。平等を否定するものはすべて保守のレッテルを張る。
広義のリベラルは平等主義だけでなく、自由主義(リバタリアン)や功利主義、コミュニタリアン左派(寛容な共同体主義)も含める。
→知性主義者の共同体をリバタニアと名付ける。
すると、保守はここに含まれないコミュニタリアン右派となる。
→反知性主義者→エリート主義批判→自分たちが属する共同体=国家と深く一体化している→ドメスティックス
J.ハイトの6つの道徳基盤
・ケア/危害→子供(家族)を保護しケアする。弱いものを守る。
・公正/欺瞞→協力するものに報い、不正を働くものを罰する。
・権威/転覆→階層の中で、(上位や下位の者と)有益な関係を結ぶ。支配と服従
・神聖/堕落→不浄なものを避け、精神や身体を清浄に保つ。宗教感情
・自由/抑圧→自由と私的所有権を尊重する。
リベラル(左派)は「ケア」「公正」「自由」を重視し、「忠誠」「権威」「神聖」を重視しない。
保守(右派)は六つをバランスさせることを望む。
リベラルは上述の三つの道徳基盤の受け皿にしかなり得ず、右派は直観に訴えれば六つの道徳基盤にいずれかに届く。したがって、リベラルが保守に敗れ、世界が右傾化する。
選挙のために投票所に行く経済的合理性はない。
自分の党派性を確認するために投票所に行く。
党派性はアイデンティティに直結し、政治的な見解は社会的な帰属を示す象徴(バッチ)
リバタニア(リベラル共和国)の住人は、知識社会化、グローバル化、リベラル化の潮流に適応した人。
保守派(コミュニタリアン右派)は、それぞれの国(共同体)ごとに異なる価値を奉じるので、共生は難しい。
日本語という言語によって、グローバル空間から隔離されたマーケットでは、ドメスティックス向けの言論があふれることになる。
英語のマーケットでは、著者の自国だけでなく、リバタニアのすべての知識層を読者に想定できる。
これが日本と英語圏の出版事情の大きな違いになっている。
ドメスティックスの主張が国境を超えるとしばしばリベラルに反転する。
安倍一強の秘密
・国際社会ではリベラル
・若者にはネオリベ
・既存の支持層には保守
現代の世界は、ほぼ同じ価値観を共有する巨大リバタニア(リベラル共和国)と、
別々の価値観で分断された多数のドメスティックスで構成されている。
世界中で、右傾化が進みながら、ひとひどの価値観はますますリベラルになる。
ネオフィリア(新奇好み)とネオフォビア(新奇嫌い)
資本主義はネオフィリアに有利なシステムだ。
新しいものを発明したり、その発明をいち早く利用して市場を独占することで、大きな富をもたらす。
遺伝子
・NMDAとDBHは認知能力を高め、好奇心が高く、新しい経験に開かれていて、リベラルになる。
・NARGIは認知能力が低く、恐怖や不安に敏感なので、保守になる。
匂いは性選択に関係している。
嗅覚と嫌悪感が強く結びついている。
イデオロギーは匂う
生理的免疫システム
・皮膚や粘膜による物理的な防御
・白血球による自然免疫
・免疫グロブリン(抗体)やT細胞による獲得免疫
この生理的免疫システムの手前に行動免疫がある。
サイバーリバタリアン
・右派
個人に正しい選択を強制するのではなく、よりよい生活習慣にナッジしていく(そっと肘で押す)
→おせっかいな自由主義
→徴税、再配分という国家の暴力を最小限にして、個人の自由な選択を尊重する。
・左派
すべての国民に文化的な生活を保障するだけの資金を給付するベーシック・インカム
ロボットが代替する近未来では、ロボットから徴収した税金を分配する。
→隷属なき道