身体化された認知
認知の多くの特徴が生物の全身の側面によって形作られる
■第1章 温度――アイスかホットか
下してきた重要な判断は、その場の飲み物の温かさによって左右されていた。
・初対面のひとには温かい飲み物を出した方がいい。
物理的に温かさを感じると、対人関係で感じる温かさも増す。
孤独は本当に冷たいが、温かいのを持てば気分は和らぐ。
物理的な温かさを感じると、気前が良くなり、人への信頼が強まる。
デートや商談、交渉の時は、相手に温かいものを飲ませる。
会議やパーティを行うときは、部屋を暖かくしておこう。
■第2章 手触り――商談に勝つ椅子、負ける椅子
交渉に対して、強硬な姿勢で臨む人もいれば、柔軟な姿勢で臨む人もいる。
その違いを生んでいたのは、「触覚」だった。
・交渉の際は、やわらなかな感触のソファに座らせると相手の態度が柔軟になる。
人と接触すると、その人への信頼感が強まり、協力的な態度をとる
物理的な硬さを感じると、他人を頑固で厳しい人だと評価する。
交渉の姿勢に応じて強固になったり、柔軟になったりする。
触感にまつわる比喩を聞いたときには、実際の触感と同じ脳の領域が活性化する。
子供も大人も文字通り人とふれあおう。
柔軟な姿勢で交渉に臨むには、柔らかい椅子に座り、硬いものを持たないようにする。
子供にはやわらかく、手触りの良いおもちゃを買ってあげよう。
haptics好きとしてはhug shirtは興味深い。
■第3章 重さ――バックパッカーが旅に魅せられる理由
物理的な重さを感じると、目の前の物事に対して感じる重要性も増す
重要なものを手に持つと、それを実際よりも重く感じる。
心に重荷を感じると。体も重く感じる。
履歴書やレポートには重い紙を使おう。
また、重さのあるフォルダーに挟んで提出しよう
重いものを持っているときに何かを決める場合は、立ち止まって「何も持っていなくても同じ判断をするか」を考えてみよう。
深刻な秘密は日記に書いたり、誰かに話したりして、その重荷を軽くしよう。
■第4章 赤 その1――赤ペンの使用を禁じた学校
さまざまな色の中でも赤は別格だ。赤色を見るだけで、あらゆるテストの成績は下がり、赤いユニフォームを着るだけで、あらゆる試合の勝率は上がる。
赤色をみると、頭を使う課題のパフォーマンスは悪化する。
しかし、単純な身体的課題のパフォーマンスは高まる。
スポーツやゲームなどでは、赤を北チームには自信が生まれる。
また、対戦相手や審判からも有利な反応を引き出すことができる。
テストや学校の教材、また人への指示などに赤色を使うのはやめよう。
スポーツやゲームでは赤いウェアやユニフォームを着用しよう。
■第5章 赤 その2――赤を身につけるとなぜもてるのか?
赤色と性的欲求の繋がりは、驚くほど強い。女性は赤を身につけた男性を「セクシー」だと感じ、セックスしたくなるのだ。では、女性が赤を身につけたら男性はどう感じるのか? 赤の力を味方につける方法とは。
男性は赤い女性を見ると、その人をセクシーだと感じる。
赤の効果は、平均レベルのルックスの女性において最も顕著にみられる。
赤に引き付けられる男性の効果は、実際の行動に現れる。
女性もまた赤い男性を魅力的でセクシーと感じる。
女性の赤は、セックスを連想させて男性を引き付け、男性の赤は、支配性を連想させて女性を引き付ける。
女性はセクシーさを印象付けたいときは赤を身に着けよう
男性も社交や商談で支配性を印象付けたいときは赤を身に着けよう。
■第6章 光――冬になるとなぜ気持ちが沈むのか?
なんだか気分が落ち込む日。その原因は「光」にあった。「明るい笑顔」が、本当に明るく見えるのはなぜなのか。薄暗い部屋は私たちの心を蝕む。人生を前向きに楽しく生きるためには、部屋の「明るさ」が必要だ。
ストループ効果
言葉の意味と文字の色の食い違いが生み出す現象。
白と明るさは好ましさと、黒と暗さは悪さと結びつけている。
黒は暴力性の強さを連想させ、それが実際の行動にも影響する。
明るさの感覚は、心の影響を受けており、好ましいものを見たり、好ましい気分の時は実際より明るく、悪いものを見たり、悪い気分の時は実際より暗く感じる。
暗い場所では「暗い」衝撃が引き出され、不正が起きやすい
明るい光を浴びると、気分が良くなり、社交的になる。
相手から好印象を持たれるためには、白い服を着る
寝室やリビング、オフィスは物理的に明るくする
気持ちが沈んだ時は外に出て太陽の光を浴びる。
■第7章 空間 その1――感情的な交渉と論理的な交渉
相手との距離によって、行動や感情は大きな影響を受けている。
相手と冷静に話し合いたいときは距離を取り、感情に訴えたいときは身体を寄せる。
パーソナルスペースを侵されると扁桃体が活性化し、不快感を抱く。
そして、自らの個性を主張し、ほかの人との違いを際立たせる。
空間的な距離の近さを経験すると、目の前の物事との心理的な距離も近くなる。
多様でユニークな意見が欲しいときは、狭い場所に詰めて座りながら会議する。
相手との心理的な距離を近づけけるためには、メールや電話ですませず、対面での
コミュニケーションを行う。
相手の論理に訴えかけたい交渉では、普段より相手との距離を取って座る。
反対に、相手から感情を引き出したいときは体を寄せて座ろう。
■第8章 空間 その2――選挙に勝つと背が高くなる?
高さは強さと好ましさ、低さは弱さと悪さと強い結びつきがある。
他人の背の高さをどう感じるかは、その人物と海苔から関係の認識に影響される。
大きさと強さ、小ささと弱さも強い結びつきがある。
姿勢によって、自信の大きさやリスクへの積極性が変わる。
異性から魅力的に思われるためには、女性は上から、男性は下から写真を撮る
大きな力を持っていると思われたいときは、Lサイズの飲み物や食べ物を頼もう
ビジネスや社交の場では、相手より高い椅子に座り、強いポーズをとろう。
■第9章 浄め――心の汚れは除菌シートで落ちる
心理的な汚れを感じると、物理的な洗浄を行いたくなる。
また、特定の体の部位による行動で心の汚れを感じた時は、その部位をきれいにしたくなる。
そうした千錠を行うと、実際に心も洗浄され、罪悪感などが薄れる。
物理的な嫌悪感を抱いているときは、道徳的な嫌悪感も抱きやすくなる。
しかし、実際に浄化行為を行えば、物理的な嫌悪感の影響もすすぎ落とせる。
過去の出来事の影響も、浄化行為によってコントロールできる。
清潔さと道徳性を結びつけて考える。
過去の経験の影響を薄めて冷静な判断をするためには、浄化行為を行う。
■第10章 匂い――あの店ではなぜ財布のヒモが緩むのか?
甘いものが好きな人は漢字が良いとみなされる。
甘いものを食べると、他人に親切な行動をとりやすくなる。
店の滞在時間を長くし、財布のひもを緩ませる香りがある。
→ラベンダー
認知的活動や運動のパフォーマンスを高める香りもある。
→ペパーミント
ゼラニウムを嗅ぐと人はお互いにかかわり合おうとする。
清潔な香りをかいだ人は浄化行為を行いやす
デートや商談の時は、相手に好印象を与えるために、甘いものを食べよう。
店づくりや、事務作業、勉強には匂いの力を活用しよう
部屋をきれいにさせたいときは浄化にかかわる香りをかがせよう。
■最終章 閃き――グーグルのオフィスは何が違うのか?
嫌な記憶は紙に書き出して封筒に入れることで、マイナスの感情をやわらげる。
部屋を歩き回ったり、二つのものを一つに合体させたりするなど、
「創造的思考に関する比喩表現どおりに行動する」と創造的になる。
また、電球など創造性のシンボルとなっているものを部屋に置く。
目次
■はじめに 五感が操る私たちの世界
■第1章 温度――アイスかホットか
■第2章 手触り――商談に勝つ椅子、負ける椅子
■第3章 重さ――バックパッカーが旅に魅せられる理由
■第4章 赤 その1――赤ペンの使用を禁じた学校
■第5章 赤 その2――赤を身につけるとなぜもてるのか?
■第6章 光――冬になるとなぜ気持ちが沈むのか?
■第7章 空間 その1――感情的な交渉と論理的な交渉
■第8章 空間 その2――選挙に勝つと背が高くなる?
■第9章 浄め――心の汚れは除菌シートで落ちる
■第10章 匂い――あの店ではなぜ財布のヒモが緩むのか?
■最終章 閃き――グーグルのオフィスは何が違うのか?
■おわりに 身体化された認知があなたの人生を変える