「新潮文庫100冊の本」以来、この手の推薦図書を読破するのは好きだ。「世界のビジネスリーダーが読んでいる」の根拠に興味があったが、明確に書いてなく、なくとなく参考図書にあげられている図書からピックアップしたのだろうと思った。世界のビジネスリーダーが読んでいる」と称するならば、誰々が読んでいるという書式で統一すればいいのに。
チョムスキーを「宗教 / 哲学 / 思想」と分類するのはいただけない。マルチバースを取り上げるなら、リサ先生だよなぁとか、小室直樹が一冊も入っていないあたりからして、宗派が違うのであろう。というわけで、未読で読みたい本はなかった。
むしろ、とりあげられていないが、「はじめに」で書かれている「幾山河瀬島龍三回想録」は読んでみようと思った。
興銀物語でも書いていただきたい。
なお、本書を読んでも当該図書を読んだ気にはなれない。
目次
はじめに
読書が与えてくれたもの
ビジネスリーダーに求められる読書とは
我々はどこへ行くのか
読書の仕方について
序章 : 学 問の構造と本書の構成
歴史の区分
学問の発展
学問の体系
学問分野の関係
本書の構成
第I部 人類の知の進化
第 I章 宗教 と 神話
神話と宗教の誕生
COLUMN | メソポタミア(文明)
ゾロアスター教
COLUMN | ペルシア、イラン、アラブ
セム的一神教
イスラム教
インド発祥の宗教
仏教
第 2 章 哲学 と 思想
哲学とはなにか
COLUMN | 存在論と認識論
「知識は力なり」ベーコン:7世紀科学革命とイギリス経験論の誕生
「近代哲学の父」デカルト: 存在論から認識論への転回と大陸合理主義の誕生
「近代哲学の祖」カント: 認識論におけるコペルニクス的転回 -
「近代哲学の完成者」ヘーゲルと実在論:ドイツ観念論から実在論への転回
実存主義、構造主義、ポスト構造主義:本質主義から実存主義、構造主義への転回
西洋哲学と東洋哲学の比較
第3 章 経済と資本主義
経済学(economics)の定義
古典派経済学
マルクス経済学
ケインズ経済学
経済的新自由主義(economic neoliberalism)
宇沢経済学と社会的共通資本
第2部 人類の歴史に残る200冊
第 I章 資本主義 / 経済 / 経営
道徳的感情論』『国富論』(アダム・スミス)
『蜂の寓話』(バーナード・デ・マンデヴィル)
『人口論』『経済学原理』(トマス・ロバート・マルサス)
『経済学および課税の原理』(デヴィッド・リカード)
『資本論』(カール・マルクス)
『ロンバード街』(ウォルター・バジョット)
『有閑階級の理論』(ソースティン・ヴェブレン)
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ウェーバー)
『経済発展の理論』『資本主義・社会主義・民主主義』(ヨーゼフ・シュンペーター) 『論語と算盤』(渋沢栄一)
『雇用・利子および貨幣の一般理論(一般理論)』(ジョン・メイナード・ケインズ)
「孫の世代の経済的可能性」(ジョン・メイナード・ケインズ)
『「経済人」の終わり』『企業とは何か』 『現代の経営』(ピーター・ドラッカー) 『経営行動』(ハーバート・サイモン)
『隷従への道』(フリードリヒ・ハイエク)
『ゆたかな社会』
『バブルの物語』(ジョン・ケネス・ガルブレイス)
『資本主義と自由』(ミルトン・フリードマン)
『貧困と飢饉』(アマルティア・セン)
『学習する組織』(ピーター・センゲ)
『社会的共通資本』『経済学は人びとを幸福にできるか』(宇沢弘文)
『知識創造企業』(野中郁次郎、竹内弘高)
『イノベーションのジレンマ』(クレイトン・クリステンセン)
『貧困のない世界を創る』(ムハマド・ユヌス)
『グローバリゼーション・パラドクス』(ダニ・ロドリック)
『ワーク・シフト』(リンダ・グラットン)
『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)
『「Gゼロ」後の世界』(イアン・ブレマー)
『イノベーション・オブ・ライフ』(クレイトン・クリステンセン、ジェームズ・アルワース、カレン・ディロン)
『21世紀の資本』(トマ・ピケティ)
『21世紀の貨幣論』(フェリックス・マーティン)
『ゼロ・トゥ・ワン』(ピーター・ティール)
『HARD THINGS』(ベン・ホロウィッツ)
『モラル・エコノミー』(サミュエル・ボウルズ)
『良き社会のための経済学』(ジャン・ティロール)
第 2 章 宗 教 / 哲学 / 思想
『ギルガメシュ叙事詩』
「ヴェーダ」
『イーリアス』
「誓い」(ヒポクラテス)
『語録要録』(エピクテトス)
『中論』(龍樹)
『ラーマーヤナ』(バールミーキ)
『マハーバーラタ』(ベーダ・ビヤーサ)
『告白』
『エチカ』(バールーフ・デ・スピノザ)
『パンセ』(ブレーズ・パスカル)
『人間知性論』『統治二論』(ジョン・ロック)
『人間不平等起原論』『社会契約論』(ジャン=ジャック・ルソー)
『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』(イマヌエル・カント)
『精神現象学』(ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル)
『ツァラトゥストラはこう言った』 『道徳の系譜』(フリードリヒ・ニーチェ)
『精神分析入門』(ジークムント・フロイト)
『モーセと一神教』(ジークムント・フロイト)
『自由からの逃走』(エーリッヒ・フロム)
『開かれた社会とその敵』(カール・ポパー)
『千の顔をもつ英雄』(ジョーゼフ・キャンベル)
『悲しき熱帯』(クロード・レヴィ=ストロース)
『統辞構造論』『統辞理論の諸相』(ノーム・チョムスキー)
『利己主義という気概』(アイン・ランド)
『正義論』(ジョン・ロールズ)
『ポスト・モダンの条件』(ジャン=フランソワ・リオタール)
『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル)
『なぜ世界は存在しないのか』(マルクス・ガブリエル)
『科学者が人間であること』(中村桂子)
『国家』(プラトン)
『政治学』(アリストテレス)
『史記』(司馬遷)
『貞観政要』(呉競)
『王書』(フェルドウスィー)、『統治の書』(ニザーム・アルムルク)
『法の精神』(シャルル・ド・モンテスキュー)
『コモン・センス』(トマス・ペイン)
『永遠平和のために』(イマヌエル・カント)
『アメリカのデモクラシー』(アレクシ・ド・トクヴィル)
『共産党宣言』(カール・マルクス、フリードリヒ・エンゲルス)
『自由論』(ジョン・スチュアート・ミル)
『贈与論』(マルセル・モース)
『大衆の反逆』(ホセ・オルテガ・イ・ガセット)
『ひとはなぜ戦争をするのか』(アルベルト・アインシュタイン、ジークムント・フロイト)
『全体主義の起原』『エルサレムのアイヒマン』(ハンナ・アーレント)
『私には夢がある』(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)
『離脱・発言・忠誠』(アルバート・ハーシュマン)
『想像の共同体』(ベネディクト・アンダーソン)
『FACTFULNESS』 (ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド)
第 4 章 歴史 / 文明 / 人 類
『歴史』(ヘロドトス)
『歴史の研究』(アーノルド・J・トインビー)
『大転換』(カール・ポラニー)
『地中海』(フェルナン・ブローデル)
『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド)
『リオリエント』(アンドレ・グンダー・フランク)
『大分岐』(ケネス・ポメランツ)
『〈帝国〉』『マルチチュード』(アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート)
『シンギュラリティは近い』(レイ・カーツワイル)
『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)
『国家はなぜ衰退するのか』(ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン)
『大収斂』(キショール・マブバニ)
『暴力と不平等の人類史』(ウォルター・シャイデル)
『2世紀の啓蒙』(スティーブン・ピンカー)
『人口減少社会のデザイン』(広井良典)
第5章 自然 / 科学
『自然学』(アリストテレス)
『天体の回転について』(ニコラウス・コペルニクス)
『プリンシピア』(アイザック・ニュートン)
『種の起原』(チャールズ・ダーウィン)
『雑種植物の研究』(グレゴール・ヨハン・メンデル)
『生命とは何か』(エルヴィン・シュレーディンガー)
『大陸と海洋の起源』(アルフレート・ヴェーゲナー)
『生物から見た世界』(ヤーコプ・フォン・ユクスキュル)
『沈黙の春』(レイチェル・カーソン)
『危険社会』(ウルリヒ・ベック)
『ワンダフル・ライフ』(スティーヴン・ジェイ・グールド)
『ホーキング、宇宙を語る』(スティーヴン・ホーキング)
『解明される意識』(ダニエル・デネット)
『エレガントな宇宙』(ブライアン・グリーン)
『ミラーニューロン』(ジャコモ・リゾラッティ、コラド・シニガリア)
『テクニウム』(ケヴィン・ケリー)
『がん』『遺伝子』(シッダールタ・ムカジー)
『宇宙は何でできているのか』(村山斉)
『意識はいつ生まれるのか』(ジュリオ・トノーニ、マルチェッロ・マッスィミーニ)
『数学的な宇宙』『LIFE3・0』(マックス・テグマーク)
『生命、エネルギー、進化』(ニック・レーン)
『時間は存在しない』(カルロ・ロヴェッリ)
第 6 章 人生 / 教育 / 芸術
『生の短さについて』(ルキウス・セネカ)
『自省録』(マルクス・アウレーリウス・アントニヌス)
『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
『エセー』(ミシェル・ド・モンテーニュ)
『エミール』(ジャン=ジャック・ルソー)
『フランクリン自伝』(ベンジャミン・フランクリン)
『自助論』(サミュエル・スマイルズ)
『大学教育について』(ジョン・スチュアート・ミル)
『民衆の芸術』(ウィリアム・モリス)
『民主主義と教育』(ジョン・デューイ)
『幸福論』(アラン)
『輝く都市』(ル・コルビュジエ)
『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル)
『自由と規律』(池田潔)
『美術の物語』(エルンスト・H・ゴンブリッチ)
『歴史の進歩とはなにか』(市井三郎)
『クリエイティブ資本論』(リチャード・フロリダ)
第 7 章 日本論
『古事記』(稗田阿礼、太安万侶)、『日本書紀』(舎人親王)
『学問のすゝめ』『文明論之概略』(福沢諭吉)
『西郷南洲遺訓』(西郷隆盛)
『代表的日本人』「後世への最大遺物」(内村鑑三)
『武士道」(新渡戸稲造)
『失敗の本質』 (戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎
あとがき
謝辞
参考図書
《人類の歴史と代表的書籍》年表
《人類の歴史に残る300冊》リスト