六芒星の上に、"119104"という数字の表紙。
原書タイトルは …trotzdem Ja zum Leben sagenに収められたEin Psychologe erlebt das Konzentrationslagerで、「・・・それでも生にしかりと言う」「心理学者、強制収容所を体験する」という意味で、「夜と霧」というタイトルは、初訳のものを踏襲している。これは、夜陰に乗じ、霧にまぎれて人々がいずこともなく連れ去られ、消え去った歴史的事実を表現する言い回し。
初訳は1947年刊の旧版でこの新訳は1977年刊の新版で旧版では多出した「モラル」という言葉が削られている。旧版と新版でもっとも大きな違いは、旧版では「ユダヤ」という言葉が使われていないこと。
これは立場を異にする他人同士が許し合い、尊厳を認め合うことの重要性を訴えるため。
カポー
ユダヤ人の囚人の中で、暴力的で犯罪的性向のある囚人が、収容所警備の親衛隊の下部機関として一般のユダヤ人囚人の監督に当った。
「入浴施設」といろんなヨーロッパの言語で書かれた紙が貼ってあり、人びとはおのおの石けんを持たされた。そしてなにが起こったか。それについては言わなくてもいいだろう。すでに数々の信頼できる報告によって明らかにされているとおりだ。
※「入浴させてやる」とウソを言って水の代わりに毒ガスが流れる浴室に案内した。
鉄条網に走る
「特定のことに直面しても分別を失わない者は、そもそも失うべき分別をもっていないのだ」
ゴットホルト・エフライム・レッシング
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐えられる」
苦しむことはなにかをなしとげること