原書タイトルは"OUT OF CONTROL"。改題したと明記しているのは評価できる。しかし、「システムを永久進化させる9つの法則」とサブタイトルをつけておいて、対応するのが「神の九つの法則」というのはひどい(これに対応しているかどうかも定かではない)
作られたものと生まれたものを区別せずヴィヴィシステム(生命的システム)
ヴィヴィシステムの特徴
中央による強力なコントロールの欠如
サブユニットの自律的性格
サブユニット間の高度な相互接続
対等者どうしが相互に影響を及ぼし合う、複雑に入り組んだ非線形の因果関係
分散型システムの長所と短所
群れシステムの長所
適応できる
進化できる
弾力的
限界がない
新しいものを生み出す
群れシステムの短所
最適化できない
コントロールできない
予測できない
理解できない
時間がかかる
ブルックスの教訓
・一つ一つ積み上げていく構造→複雑なものを一挙に与えるのではなく、成長させる。
・センサとアクチュエータとの緊密な結合→思考ではなく、反射
・独立したモジュールの層→システムを独立可能なサブユニットに分解する
・中枢を欠いたコントロール→中央による計画を行わない
・疎らなコミュニケーション→信号線ではなく、外界に生じた結果を注視する。
バイオスフィア原理
・仕事の大部分は微生物によって行われる。
・土は生物である。土は生きており、呼吸している。
・食物網には冗長性を取り入れること
・多様性を徐々に高めていくこと。
・物理的に機能を提供できない場合はシミュレーションが必要
・空気がシステム全体の状態を教えてくれる。
・系に耳を傾けよ。系がどこへ進みたがっているかを見よ。
ネットワーク企業
・分散
・非集中
・協調
・適応
創造的ネットワーク経済の性格
・コアの分散
・フレックス・マニュファクチャリング
・マス・カスタマイゼーション
・産業生態系
・グローバルな収支計算
・共進化する顧客
・知識
・無料の帯域
・収穫逓増
・デジタル・マネー
・裏世界の経済
暗号による無政府状態
コックスのオブジェクト指向
JEIDAの超流通
http://sda.k.tsukuba-tech.ac.jp/masaji/paper/9605/jisa.html
生物が環境の変化に反応するときの可塑性
・形態的可塑性→一つの生物が複数の形態をとる
・生理学的適応性→ストレスに適応して細胞が変化する
・行動の柔軟性→新しいことを始めたり、移動したりする
・知的選択→過去の経験に基づいて選択を行う。
・慣習による手引き→他者の経験から影響を受けたり、教えられたりする。
ポストダーウィニアン
・共生→別々になった系統を収束させる情報交換の容易さ
・定向突然変異→環境から直接的な働きかけを伴う、ランダムでない突然変異と交差のメカニズム
・跳躍進化→機能のクラスタ化、コントロールの階層構造、構成要素のモジュール化、クラスタ全体を一気に変化させる適応プロセス
・自己組織化→特定の形態へと向かうバイアスを持ち、勢力を拡大して標準となるような発達。
進化の進化の七つの法則→ハイパー進化の趨勢
・不可逆性
・複雑性・多様性の増大
・個体数の増加
・特殊化・相互依存化の進行
・進化能力の増大
神の九つの法則
存在を分散せよ
収穫が増加するように耕せ
塊にして成長させよ
周縁を極大化せよ
自らの誤りを尊重せよ
最適条件を追求するな→多数のゴールを設定せよ
持続的な非均衡状態を追求せよ
変化は自ら変化する
・自己増殖するプログラム
・触媒作用を持つ合成化学
・自分で構造化するロボット