akon2.00βのよっぱらいの戯言

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LIFESPAN ライフスパン 老いなき世界

 

情報理論の父シャノンの情報の保持と復元に関する発見は、老化に当てはまる。

 

長寿遺伝子

寿命を延ばすだけでなく、より健康な生涯を送れるようにする力を持つ。
・サー チュイン→損傷したDNAの修復などを行う

哺乳類では 7種類のサーチュイン遺伝子が見つかっていて、これらは体内のほぼすべての細胞でタンパク質を作っている。

・ TOR(ラパマイシン標的タンパク質)をつくる遺伝子群

成長や代謝を 調節する役割を持つ。DNA の修復や、老化細胞によって引き起こされた炎症の軽減などである。

・AMPK(AMP 活性化プロテインキナーゼ)という酵素をつくる遺伝子

代謝をコントロールする機能を持ち、エネルギーレベルの低下に対処する。

 

適度なストレスが長寿遺伝子を働かせる

長寿遺伝子は、生体にストレスがかかると始動するという共通点を持つ。そのため、運動や絶食などによって適度なストレスを与えれば、長寿遺伝子を働かせることができる。
このようなストレス因子を「ホルミシス」という。これは毒が毒にならない程度の量で刺激効果を現わすことを指し、 一般に、生物にプラスの作用を及ぼす。
DNAは、自然放射線や化学物質などによって絶えず損傷を受けている。生命は生き延びるために、この DNAを修復する仕組み「サバイバル回路」を進化させてきた。すなわち、 DNAの損傷を感知し、細胞の増殖を遅らせ、DNA の損傷が治るまではその修復にエネルギーを振り向ける仕組みである。

 

エピジェネティック

DNAによらない遺伝の仕組み。

DNAメチル化やヒストンの化学的修飾などによって各細胞の中でどのゲノムがどの程度発現するのかを調整するための仕組み。遺伝子のようにデジタルではなく、アナログな情報である。このアナログであるがゆえに時間の経過にともなって劣化し、細胞の分化が緩み、その場で働くべき機能を徐々に果たさなくなる。

エピジェネティクスを維持するための機構がサーチュイン。

デジタル情報であるDNAの劣化ではなく、細胞の分化に関わり、アナログ情報でもあるエピジェネティックの劣化が原因。

 

老化のメカニズム
細胞が自らのDNAを複製するたびに、46本ある染色体のそれぞれが何らかのかたちで損傷する。 複製の最中に起きる損傷の他にも、自然放射線や環境中の化学物質、レントゲンやCTスキャンなどによってもDNAはダメージを受ける。

 

エピゲノム的な因子が、DNA の損傷に対処するためにゲノムを離れるとどうなるか。その位置にあった遺伝子のスイッチは、オフになるべきなのにオンになり、あるいはオンになるべきなのにオフになる。結果として、細胞は正しく機能しなくなる。そして、その混乱状態を具体化したものが老化だ。

 

サバイバル回路におけるサーチュインの役割
サバイバル回路→DNAの損傷を感知し、細胞の増殖を遅らせ、DNAの損傷が治るまではその修復にエ ネルギーを振り向ける仕組みである。

このサバイバル回路において、サーチュインは、DNAの安定化、DNAの修復、細胞の生存、代謝など様々な問題に対して、それぞれに特化した緊急支援チームを派遣する。

 

生体内の二種類の情報

老化→情報の喪失。生体内には二種類の情報があり、それぞれ異なる方式で符号化されている。

・デジタル情報

取り得る値が決まっている。

DNA を構成する基本単位の塩基部分にあたる、アデニン、グアニン、シトシン、 チミンのいずれかである。

DNA はデジタル方式なので、情報の保存やコピーを確実に行える。

・アナログ情報→エピゲノム

親から子へと受け継がれる特徴のうち、DNA の 文字配列そのものが関わっていないものを指す。ヒトの新生児はたった1個の受精卵から出発して、約260億個の細胞を持つに至る。また、細胞1個1個にはすべて同じ遺伝情報が格納されているのに、各細胞は何百種類もの異なる役割へと分化する。いずれの場合も、エピゲノムがこのプロセス全体を調整している。 このエピゲノムは時間とともに劣化する。

アナログ情報であるエピゲノムは不安定

 

長寿遺伝子を働かせる方法

・食事

野菜や豆類を多く摂 とり、肉や乳製品、砂糖を控える。
栄養失調にならない程度にカロリーを制限する。
月に数日だけカロリーを大幅に制限する(間欠的断食)

-mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)を活性化させるアミノ酸メチオニンを制限する。→mTORを働かせないようにすると、細胞は分裂に使うエネルギーを減らして、オートファジー(自食作用)に振り向ける。そして、タンパク質を一から合成するのではなく、損傷したタンパク質や折り畳み不全のたんぱく質を再利用するようになる。

肉類(とくに赤身肉に含まれているカルニチン)を制限し、代わりに植物性タンパク質を摂る。

・薬

ラパマイシン:ToRを阻害し、NADの生産を促して寿命を延ばす働きを持つ。
メトホルミン:糖尿病治療薬。ミトコンドリアの働きを活性化し、抗老化薬(アンチエイジング効果)を持つ。レスベラストロース:sir2酵素を活性化して寿命を延ばす。赤ワインに含まれ、カロリー制限と同様の効果が得られると期待されている。

サーチュインの燃料となるNAD
NADは7種類あるサーチュインすべての活動を高めてくれる。NADナイアシン(ビタミンB3)から生成される。ひどく欠乏すると、皮膚炎、下痢、認知症、皮膚のただれなどが生じ、放置すれば死に至る。しかも、NADは体内で500種類あまりの酵素に利用されているため、NADがなければ30秒と生きていられない。

NADの前駆体(生化学反応で特定の生成物の前の段階にある一連の物質)

・NR(ニコチンアミドリボシド)→ビタミンB3の一形態である

・NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)

→人間の細胞内でもつくられているし、アボカド、ブロッコリー、キャベツなどの食物にも含まれている。

 

体内では、NRがまずNMNに変換され、次にそれがNADに代わる。NRかNMNを入れた飲み物を動物に与えると、体内のNAD濃度はそれから2~3時間で約25%上昇する。

 

・運動

運動によって長寿遺伝子を働かせる

・長寿遺伝子がプラスの方向に調整される
テロメアが伸びる
・細胞に酸素を運ぶ新しい微細血管ができる、
ミトコンドリアの活動が高まって化学エネルギーが増える
・運動によるストレスの影響を最も強く受ける遺伝子が、それらの機能を若い頃の水準に引き戻してくれる。つまり「運動が遺伝子のスイッチを入れ、私たちを細胞レベルで若返らせてくれる」。

「高強度インターバルトレーニング(HIIT:高強度の運動と、少しの休憩を交互に繰り返し行うトレーニング法)」が、健康を増進する遺伝子を一番多く活性化した。

 


未来の選択肢

①老化細胞の除去
老化の典型的な特徴が老化細胞(増殖をやめた細胞)の蓄積だとすれば、それを除去すればいい。サバイバル回路が過剰に働きすぎると、もとの細胞がアイデンティティを失うので増殖をやめます。これが老化細胞。老化細胞はゾンビのようにほかの細胞にも影響をあたえる。老化細胞を除去する薬として、セノリティクスと呼ばれる効果細胞除去薬が開発され、臨床試験が始まっている。

②レトロトランスポゾンを封じ込める
ゲノム全域に移動することができる可動性のDNA配列がレトロトランスポゾン。ジャンクDNAと呼ばれることもあり、このお荷物遺伝子が複製されると老化の要因になる。

③免疫系を活用するワクチンを使う
がん細胞を死滅させるのに免疫系が使えるなら老化細胞にもできる。

④細胞のリプログラミング
細胞のプログラムを一度初期化して、最初の状態に戻す。DNAはデジタル式で情報を保存しているが、エピゲノムはアナログ式なため雑音が入りやすい。例えば、DVDはデジタル情報だけどディスクに傷が増えると情報が正確に読み取れなくなる。これが老化で、復元するためには研磨剤で磨くことで表面の傷をとることができる。クローン羊のドリーは、置いた状態でも若いDNAを保持していた。

 

遺伝子が異なれば薬への反応も異なる。