akon2.00βのよっぱらいの戯言

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脳はいいかげんにできている: その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ

 

第1章 脳の設計は欠陥だらけ?
最善より次善。とりあえずはこうするのが簡単だから

 

第2章 非効率な旧式の部品で作られた脳
燃費が悪い脳

軸索は水漏れする庭のホースのよう

脳はサイコロを振る

出来の悪い部品に何が素晴らしい能力を与えるのか→柔軟に変化できる

 

第3章 脳を創る
脳の発達は、遺伝子と環境の相互作用に委ねた理由

ニューロンの処理が遅く、信頼性が低い

・古い脳に新しい脳をかぶせているので非効率

ニューロンが大量にあるためニューロン同士をどのように接続するかを遺伝子にプログラムできない。

このため大人になるのに経験が必要となり時間がかかる。

 

個々の感覚器からの情報は分かれて処理され、脳内で混じり合う

→この感覚間の連携が一般人より進んでいる人が共感覚

 

第9章 脳に知的な設計者はいない

愛情、記憶、夢、神は、脳に対する進化上の制約から生じた

 

脳の設計の進化上の制約
1.脳をゼロから設計し直すことはできない。必ず既存のものに新たな部分を付け加える、という方法を採らなくてはならない。 
2.脳にいったん持たせてしまった機能を「オフ」にするのは非常に難しい。たとえ、その機能が負の効果をもたらすような状況でも、なかなか「オフ」にはできない。
3.脳の基本をなすプロセッサであるニューロンは処理速度が遅く、信頼性も低く、信号の周波数帯域も狭い。

脳に高い処理能力を持たせるには、ネットワークを複雑にし、サイズを大きくしなくてはならない。そのため、誕生時、胎内で十分に成熟してしまうと、産道を通り抜けられなくなる。

500のシナプスを持つネットワークはあまりに複雑すぎ、その構造をすべてゲノムで指定することは不可能。
→脳内のネットワークの構造の多くの 部分が、経験によって決まる。
→経験によってニューロンの配線を決める仕組みは、成長後も残り、少し修正されて記憶の蓄積に使われる。[記憶]
→記憶を有用なものにするためには、古い記憶と新しい記憶の統合や、感情との関連づけが必要。記憶の統合、定着は、夜間、感覚情報があまり入ってこない中に行うのが最良。
→非論理的で、奇想天外な物語が夢の中で展開される。[夢]
→人間は、排卵周期のどの時期でも性文し、長期にわたり夫婦関係を維持する。[愛情]
→左脳の物語作成機能は常にオンになっており、わずかな知覚、記憶の断片をつなぎあわせて物語を作ろうとする。その物語は夢の中などで、時には自然的なものになる。これが宗教的観念を生む。[神]


人間の子供は、脳が非常に未熟な状態で生まれて来ざるを得ない。
→人間の子供時代は長く、長期にわたり、親からのさまざまな援助を必要とする。

 

 

目次 – 
プロローグー「その場しのぎ」の図が人間らしさを生んだ
第1章 脳の設計は欠陥だらけ?
脳の作りは、案外いい加減/スイッチが入ったままの小脳/脳はアイスクリームコーンのようなもの/人間の脳を賢くしているもの

第2章 非効率な旧式の部品で作られた脳
燃費が悪い脳/軸索は水漏れする庭のホースのよう/脳はサイコロを振る/出来の悪い部品に何が素晴らしい能力を与えるのか?

第3章 脳を創る
遺伝子ではできないこと/ニューロンの運命/発達中の脳は戦場のようなもの/環境の豊かさはビタミンに似ている/細かい配線を環境に任せ た理由

第4章 感覚と感情
脳はなぜ「物語」を作るのか?/P細胞とWhat経路、M細胞とWhere経路/情報の保間を埋める/痛みを避ける学習

第5章 記憶と学習
記憶はどのように保存されるのか?/記憶の概乱/記憶の想起はネット検索に似ている/記憶のエラーが起こる理由/長期記憶の作られ方/海 馬とLTP、LTD/武要な役割を果たすNMDA型受容体/場所の記憶、脳内地図/「記憶」は、進化の偶然の産物に過ぎない

第6章 愛とセックス |
人類は変質者?/脳が決めた性の特徴/脳の性差とは何か?/愛とセックスの仕組み/歯磨きで起こるオーガズム/性的指向と脳の関係

第7章 睡眠と夢
眠らせない実験/睡眠はなぜ必要なのか?/レム睡眠とノンレム睡眠が交互に行われる理由/体内時計の進化/なぜ夢を見るのか?/空飛ぶ夢とコリン作動性ニューロン/怖い夢が記憶の統合を促す?

第8章 脳と宗教
宗教が存在する理由/関の「物語作り」は止められない/「超自然的な説明」の作用

第9章 脳に知的な設計者はいない
インテリジェント・デザイン論の誤り/まったく逆の真実

エビローグー「中間部分」の欠落
謝辞
訳者あとがき
参考文献