akon2.00βのよっぱらいの戯言

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エマニュエル・トッドの思考地図

 

日本の読者のためだけの語り下ろし

 

 

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あらゆる知的活動は「入力→思考→出力」から成る。なかでも思考は自然発生的な「思いつき」や「気づき」といった着想である。思考する前にまず広く文献やデータを読み、膨大な知識を脳内に蓄積する「入力」が最も大切だ。

知識を蓄積していくと、突然アイデアが湧く「発見」に至る。それが驚くべき数字やデータであっても、思考から排除すべきでない。新たな分野を切り開く端緒と捉えるべきだ。

 

なんの目的もなく、世界でいま何が起きているのかを知るために、ただ数値データを眺めるというのも大切なことなのです。

 

考えるのではなく、学ぶ

 

注に注目せよ

→読書というのは、そのなかで引用されていたり、参考文献として挙げられているものの中から、自分にとって役立ちそうな文献を見つける作業

 

分野横断的に読む

 

カニ歩きの読書→斜めに歩いて横に進む→柱となる部分から外れた読書も必要

→二つの軸の交錯点

 

新たに学んだことを掘り下げる

 

元のテーマに立ち返る

 

隙間を埋める読書

 

着地点の見当をつける

 

対象→社会とは人間である

創造→着想は事実から生まれる

 

データの意味に気づく力

「普通である」という異常

思いつきをかたちにする

予想外のデータを歓迎する

 

視点→ルーティンの外に出る
アウトサイダーであれ

外の世界へと出る経験

外在性のつくり方

 

分析→現実をどう切り取るか
データの背後には人がいる

 

出力

書きながら考えない

ディクテーション(音声を聞きながら、書き取りをする)という方法

章立てはチェックリスト

 

倫理→批判にどう対峙するか
価値観ではなく知性の戦いを

 

未来→予測とは芸術的な行為である
現実には服従せよ

 

 

目次
日本の皆さんへ
序章 思考の出発点
困難な時代/思考を可能にする土台/なぜ哲学は役に立たないか/混沌から法則を見いだす/思考とは手仕事/考えるのではなく、学ぶ/能力はだれもが平等/思考のフレーム/処理能力としての知性/記憶力という知性/創造的知性/機能不全に注目する

1 入力 脳をデータバンク化せよ
自分のなかに図書館をつくる/研究者とは旅人である/仕事にヒエラルキーはない/趣味の読書、仕事の読書/市民としての読書/研究は楽しくなくてはいけない/注に注目せよ/分野横断的に読む/カニ歩きの読書(二つの軸の交錯点、もう一つの補助線、準備としての読書、 新たに学んだことを掘り下げる、元のテーマに立ち返る、隙間を埋める読書、着地点の見当をつける)/結論づける勇気

2 対象 社会とは人間である
社会から覆いを取り去る/社会を維持するための幻想/文学による探求/精神分析による観察/合理主義と経験主義/歴史に語らせる/すべては歴史である

3 創造 着想は事実から生まれる
「発見」とは何か/データ蓄積から着想へ/無意識での攪拌プロセス/アイディアにどう向き合うか/データの意味に気づく力/「普通である」という異常/思いつきをかたちにする/アイディアを妨げるもの/グループシンクの社会/リサーチから発見へ/自分の発見に驚く/予想外のデータを歓迎する/自信がなければ何も生まれない/誰かに評価してもらうこと

4 視点 ルーティンの外に出る
虚偽意識に囚われた人々/現実を直視する条件/英語で読む利点/アウトサイダーであれ/外の世界へと出る経験/外在性のつくり方/古典を読む意義/比較という方法/別の世界を想定する/機能しすぎる知性はいけない/別のかたちで刺激を与える

5 分析 現実をどう切り取るか
アナール学派の弱点/社会を観察する目/今現在から逃れること/分析の時間的尺度/過去から未来を考える/歴史学統計学との出会い/歴史統計学の考え方/データの背後には人がいる/現実にはいくつもの描き方がある/相関係数から読み解く/機械のように検証する/統計学的想像力

6 出力 書くことと話すこと
社会への発言/怒りに基づく介入/書くことは苦手/友人を説得するように/書きながら考えない/ディクテーションという方法/章立てはチェックリスト

7 倫理 批判にどう対峙するか
学術界からの反感/思想というバイアス/同調圧力に抗う/価値観ではなく知性の戦いを/学者としての私、市民としての私/研究結果に忠実であれ/フォーマット化される知性/複数の自己/最悪の事態を予期できないわけ/批判を受けるという特権

8 未来 予測とは芸術的な行為である
ウイルスが明るみに出したもの/家族構造との関係性/現実には服従せよ/進行中の危機を思考する/歴史という補助線/ポスト・コロナを予測する/思考から予測へ――三つのフェーズ/芸術的行為としての予測