akon2.00βのよっぱらいの戯言

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もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」

 

 

 

脳内にはニューロンや軸索だけでなく、グリアも存在している。

アインシュタインニューロンではない脳細胞(アストロサイト)の数が群を抜いて多かった。

 

グリア

無意識をつかさどり、脳を再構成している。また人間の生命維持や身体機能や、学習や訓練による能力向上にも、グリアは大きく関わっている。

グリア細胞を構成する主要な細胞は、「アストロサイト」「オリゴデンドロサイト」「ミクログリア」「上衣細胞」。

 

アストロサイト

放出された神経伝達物質のうち、シナプス間隙から漏れ出たものを清掃し、情報をやりとりできるように整えている。またニューロンのエネルギー源となる乳酸の供給もおこなう。

 

オリゴンデンドロサイト

脳や脊髄でタコのように足をのばして軸索にからみつき、ミエリン鞘と呼ばれる絶縁体を形成する。これがうまく形成されないと、軸索の途中から電気的インパルスが漏れ出て、麻痺や失明などの重大な身体的障害を引き起こす。

 

ミクログリア

脳や脊髄を感染や傷害から守っている。複雑にからみ合った神経系の間をアメーバのように動き、有害な侵入者を攻撃して呑みこんでしまう。

 

上衣細胞

上衣細胞は脳室の壁を構成する形で存在し、その表層には大量の繊毛が生えている。この繊毛によって脳脊髄液を運搬し、栄養因子の輸送や有害物質の除去を担う。

また、脳脊髄液が成長ホルモンを含むことから、脳の発達段階におけるニューロンの増殖にも大きく関与している。

 

シュワン細胞=末梢神経を形成するグリア細胞の一種

グリア細胞のうち、末梢神経内でミエリンを形成している細胞。末梢神経は脳や脊髄から枝分かれする形で全身に伸びており、主に脳からの指令を身体に反映させたり、逆に知覚情報を脳に届けたりといった役割を担う。また、末梢神経が損傷した際に病巣部の修復を行う作用などもあり、機能の全容は未だ解明されていない。

 

カルシウムによるシグナル伝達→電極を光に置換

神経系は電気的インパルスの形で情報をやりとりする一方、すべての細胞は外界に関する情報をその表面でキャッチし、カルシウムイオンによってその内部に伝えている。

アストロサイトというグリアが神経伝達物質を感知すると、隣にあるアストロサイトにもそれを伝えていること。つまりグリアどうしで交信している。神経伝達物質を感知したアストロサイトは、他のアストロサイトとともにカルシウムイオンを放出することで、ニューロンうしの情報のやりとりを、その目的に最適化するべく調整する。

 

グリアは感染症微生物の標的になることが多いので、病気の原因ともなる。

 

脳腫瘍→ニューロンはほぼ無関係

グリア細胞が腫瘍化したもので、脳腫瘍全体の約20%を占める


脊髄の傷害

アストロサイトは、損傷部位に集まり、グリア瘢痕を形成することで、炎症を抑え、病原体の侵入を防ぐ。一方で、グリア瘢痕は神経再生を阻害する可能性もある。

 

麻痺

脳卒中や脊髄損傷などの神経系疾患では、ニューロンの損傷だけでなく、グリア細胞の機能不全も麻痺の原因となる。例えば、グリア細胞が作るグリア瘢痕は、損傷部位の修復を助ける一方で、神経再生を阻害する可能性もある。
グリア細胞の異常は、多発性硬化症や進行性核上性麻痺などの神経疾患の発症にも関与する。


感染

アストロサイトなどのグリア細胞は、異常プリオン蛋白を蓄積する。
グリア細胞は、ブリオン病によって破壊された神経細胞の老廃物を処理する役割を担っているが、異常プリオン蛋白の蓄積や炎症によって、その機能が低下すると、神経細胞の破壊が促進される。

 

グリア細胞精神疾患
アストロサイト:
神経細胞の活動を調整し、脳の機能を支える役割を担っている。アストロサイトの機能不全は、神経伝達物質のバランスを崩し、精神疾患の症状を引き起こす。
ミクログリア:
脳内の免疫細胞として、神経細胞シナプスを刈り込むなど、神経発達に重要な役割を果たしている。ミクログリアの異常な活性化は、統合失調症自閉スペクトラム症などの精神疾患の発症に関与する。
オリゴデンドロサイト:
神経細胞の軸索を覆う髄鞘を形成し、神経伝達をスムーズにする役割を担っている。オリゴデンドロサイトの機能不全は、統合失調症の症状と関連がある。
精神疾患におけるグリア細胞の異常:
統合失調症:
グリア細胞の異常な活性化や、ミクログリアによるシナプス刈り込みの異常が、統合失調症の症状と関連している。
うつ病:
アストロサイトの機能不全や、グリア細胞と血管の複合体の形成異常が、うつ病の病態に関与している。
双極性障害:
グリア細胞の異常や、ミエリンの異常が、双極性障害の病態に関与している。

 

神経変性疾患

ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞が活性化し、炎症性サイトカインや活性酸素などを放出する。これらの物質は、神経細胞の変性や脱落を促進する。

 

統合失調症てんかんうつ病

統合失調症:
グリア細胞の機能異常、特にアストロサイトの機能不全が、統合失調症の病態に関与する。
てんかん:
グリア細胞は、てんかん発作の抑制や伝播に関与しており、グリア細胞の機能異常がてんかん発作の誘発や悪化に関与する。
うつ病:
グリア細胞、特にアストロサイトやミクログリアの機能異常が、うつ病の発症や治療抵抗性に関与する。また、抗うつ薬の効果にもグリア細胞が関与している>

 

血液脳関門

脳の血管の内皮細胞が密に結合することで、脳内に有害な物質が侵入するのを防ぐバリア機能。このバリアのおかげで、脳は外部からの様々な影響から守られ、神経細胞が正常に機能できる。
グリア細胞血液脳関門
アストロサイト:
脳の血管を覆う突起(終足)を伸ばし、血液脳関門の一部として機能する。アストロサイトは、血管から特定の物質を選択的に通過させ、神経細胞に供給することで、脳内環境を整えている。
ミクログリア:
脳内の異物除去や貪食など、免疫細胞のような働きをする。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)

アストロサイトやミクログリアなどのグリア細胞が、神経炎症を引き起こし、運動神経細胞の変性を促進する

 

多発性硬化症

アストログリアの異常な活性化が病態進行に関与する。
ミクログリアが炎症反応に関与し、病状を悪化させる。

 

心臓発作と脳卒中

アストロサイトやミクログリアといったグリア細胞は、脳卒中後の炎症反応や神経細胞の死滅に関与し、神経機能の回復を妨げる。一方で、グリア細胞は神経再生を促進する。

 

片頭痛

CSD(皮質拡延性抑制:大脳皮質でニューロングリア細胞が脱分極を起こし、同心円状に広がる現象)によって活性化されたグリア細胞が、炎症性物質を放出し、神経の過敏性を高めることで、片頭痛の発作を誘発する。

 

パーキンソン病

グリア細胞の機能を調節することで、パーキンソン病の症状を改善したり、病気の進行を遅らせたりする

 

麻酔

麻酔薬投与によりグリア細胞の活動が抑制される

 

慢性疼痛

アストロサイト:
末梢神経が損傷されると、アストロサイトが未熟化し、その活動が亢進することが、慢性疼痛の持続に関与している。
ミクログリア:
神経がダメージを受けると、ミクログリアが活性化し、炎症を引き起こすことで、神経障害性疼痛の発症に関与する

アルコール依存症患者の脳内では、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)が減少する

グリアは脳を組み立て、再構成する

NG2細胞

中枢神経系の髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトを供給す。
自己複製能力を持ち、その数を維持できる。
分化能:病態時には、神経細胞やアストロサイトに分化する


老化

グリア細胞の老化は、パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの他の神経変性疾患の発症や進行にも関与している可能性がある。
老化グリア細胞を除去することで、認知機能の低下や神経変性疾患の症状を改善できる可能性がある。

 

アルツハイマー

ミクログリア:
アミロイドβやタウタンパク質の蓄積によってミクログリアが活性化し、炎症反応を引き起こすことで神経細胞を傷害する。一方で、ミクログリアは病変の除去や神経修復に関わる。
アストロサイト:
アルツハイマー病で活性化し、アミロイドβの分解に関わる酵素を分泌する。しかし、アルツハイマー病患者の脳では、この酵素の分泌が低下している。
オリゴデンドロサイト:
オリゴデンドロサイトは、神経細胞の軸索を覆う髄鞘を形成する細胞ですが、アルツハイマー病では髄鞘の形成に異常が生じ、白質病変に関与する。

 

記憶

グリア細胞シナプスを「食べる」ことで、不要な情報伝達を抑え、記憶をより効果的に定着させる

 

目次
第1部 もう一つの脳の発見
1章 グリア細胞とは何か ― 梱包財か、優れた接着剤か
2章 脳の中を覗く ― 脳を構成する細胞群
3章 「もうひとつの脳」からの信号伝達 ― グリアは心を読んで制御している
第2部 健康と病気におけるグリア
4章 脳腫瘍 ― ニューロンはほぼ無関係
5章 脳と脊髄の傷害
6章 感染
7章 心の健康(メンタルヘルス) ― グリア、精神疾患の隠れた相棒
8章 神経変性疾患
9章 グリアと痛み ― 恩恵と災禍
10章 グリアと薬物中毒 ― ニューロンとグリアの依存関係
11章 母親と子供
12章 老化 ― グリアは絶えゆく光に抗って奮い立つ
第3部 思考と記憶におけるグリア
13章 「もうひとつの脳」の心 ― 意識と無意識を制御するグリア
14章 ニューロンを超えた記憶と脳の力
15章 シナプスを越えた思考
16章 未来に向けて ― 新しい脳