人は聞き流し、都合よく解釈し、誤解し、忘れる。
間違っているのは「言い方」ではなく、「心の読み方」
言った側は覚えている。言われた側は忘れている。
代表性バイアス
ある人が印象の強い行動をした時、そのグループ全体がそうだと思い込んでしまうこと
過剰一般化
少ない代表的な事例を全てに当てはめてしまうこと
子供の言う「みんな持ってる」はよく聞いてみたら2~3人程度であるような事象
エコーチェンバー現象
SNSなどで同じような意見を見聞きすることで自分の思い込みが強化されること
人間は本能的に都合のいい意見を取り入れやすい
信念バイアス
自分が正しいと思っていることは他の人にとってもある程度正しいと思い込むこと
相対主義の認知バイアス
多様性を認めすぎるが故、全ての物事について「それぞれ違っていい」と判断してしまい重要な判断ができなくなってしまうこと
AかBかのバイアス
はっきりさせたいがため、AかBで決着をつけようとしてしまうこと
抽象的な議論の中でAかBかの2択を迫ってしまうと中間層の人が置いてかれてしまう
流暢性バイアス
スムーズにわかりやすく説明されるとその内容を信じやすくなること
「相手の立場」で考える
・心の理論→他者にも自分と同じように心があり、それぞれ異なる思考や感情、信念を持っていることを理解する能力
・メタ認知→自分自身の意思決定を客観視する
感情を味方につけるコミュニケーションのコツ
・理由を伝える
・相手の感情に寄り添う
・悩みを共有する
「勘違い」「伝達ミス」を防ぐ→具体と抽象を行き来する
・具体にするとわかりやすくなる
・抽象にすると全体を捉えることができる
目次
はじめに 認知科学者が教えるコミュニケーションの本質と解決策
第1章 「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない
「人と人は、話せばわかり合える」ものなのか?
「話せばわかる」とはどういうことか?
「話せばわかる」の試練――記憶力の問題
人の記憶はどこまで「曖昧」なものなのか
「相手にわかってもらえる」を実現する方法を考えよう
第2章「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、
いったい何が起きているのか?
「言えば伝わる」「話せばわかる」を裏側から考える
言っても伝わらないを生み出すもの①「理解」についての2つの勘違い
言っても伝わらないを生み出すもの②「まんべんなく公平に見渡す」ことはできない、視点の偏り
言っても伝わらないを生み出すもの③「専門性」が視野を歪ませる
言っても伝わらないを生み出すもの④人間は「記憶マシーン」にはなれない
言っても伝わらないを生み出すもの⑤言葉が、感情が、記憶をどんどん書き換えていく
言っても伝わらないを生み出すもの⑥「認知バイアス」で思考が止まる
様々な思い込みと認知バイアス
第3章「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?
ビジネスの現場に、日常生活に認知科学をどう落とし込むか
「相手の立場」で考える
ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「心の理論」
ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「メタ認知」
「相手の立場」に立てる人のコミュニケーション
「感情」に気を配る
感情を味方につけるコミュニケーションのコツ
「勘違い」「伝達ミス」を防ぐ
「伝わる説明」を、具体と抽象から考える
「意図」を読む
第4章 「伝わらない」「わかり合えない」を越える
コミュニケーションのとり方
「いいコミュニケーション」とは何か?
「コミュニケーションの達人」の特徴① 達人は失敗を成長の糧(かて)にしている
「コミュニケーションの達人」の特徴② 説明の手間を惜しまない
「コミュニケーションの達人」の特徴③ コントロールしようと思わない
「コミュニケーションの達人」の特徴④ 「聞く耳」をいつも持つ
終章 コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために
ビジネスの熟達者とコミュニケーション
ビジネスの熟達者になるための「直観」
