一部のがんの治し方
・小さいうちは外科手術。放射線療法で治ることも
・化学療法は血液癌に反応する
・精巣がんはかなり進行していても薬で根治できる
ピンポイント爆撃型の手術や放射線療法は広がったがんには役だたない
絨毯爆撃型の化学療法はがん細胞だけでなく、正常細胞も殺してしまう
全生物の共通祖先はルカ
がんは現代病ではなく、生命誕生以来すべての多細胞生物に潜む「システム上のバグ」
すべての生き物はがんになる。
ハイパー腫瘍
最初にできた腫瘍に寄生して、その血流供給を自分の食糧源にし、最初の腫瘍を窒息させてしまう
がんにならない動物
・クシクラゲ
・センモウヒラムシ
・テチヤ・ウィルヘルマ
遺伝子の突然変異ががんの起点であり、DNAの損傷パターンやウイルス(パピローマウイルスなど)による発がん。細胞という「情報記録装置」に蓄積する変異が、環境要因(化学物質・放射線など)と相互作用して発症に至る。
がんを引き起こすもの
化学物質やウイルスに加え、染色体異常や家族性がん
がん遺伝子とがん抑制遺伝子
変異が重なっても必ずがんにはならず、「がん化の境界線」は曖昧
がん化の鍵は「環境変化への適応」→環境次第で細胞の振る舞いは変わる
がんは枝分かれしながら多様化し、いくつかの進化ルートのみが最終的に転移型がんに至る。
病気が環境を変え、環境がさらに病気を育てる
血管新生
がん細胞が自らの増殖と転移のために、栄養や酸素を供給する新たな血管を形成する
男性患者の腫瘍は化学療法や放射線療法を受けても育ち続けるのに対して、女性患者の腫瘍は育たなくなる。
ホルモンや生活習慣が違うという面もあるかもしれないが
プレシジョン・メディシン(個別化医療)」の限界
分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わる特定の分子を標的とする薬剤。
この治療薬による選択圧が耐性がんを生み出す「進化的帰結」。
がんを「完全に殺す」よりも「制御・共存する」
目次
第1章 地球に生命が生まれたところから話は始まる
第2章 がんは生きるための代償である
第3章 がんはどこからやってくる?
第4章 すべての遺伝子を探せ
第5章 いい細胞が悪い細胞になるとき
第6章 利己的な怪物たち
第7章 がんの生態系を探索する
第8章 世にもけったいながんの話
第9章 薬が効かない
第10章 進化を味方につけてゲームをする
第11章 がんとのつき合い方
