ワインは酸化していくものなのに還元臭とは。
チェリーの味わいとかと同様にミネラルも比喩なんだけど、ミネラルというひとつの物体があるような表現が納得できない。鉱物といっても、それぞれ味は違うわけだし、そもそもワインに含まれるミネラル分は微々たるもので味がわかるものなのか。
仮にわかるとして、植物は光合成による化学変化なので、根が仮にミネラルを吸収したとしても、ミネラルとして果実に蓄えることはない。根も忙しいので、取捨選択してよいよう分だけを吸収している。
ワインの主成分は水、エタノール、各種の有機酸、糖、グリセリン、アミノ酸、核酸、タンニン、炭酸ガスなど。
各種の有機酸の中では酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸
水に含まれるミネラルは、主に「カルシウム」「ナトリウム」「カリウム」「マグネシウム」の4つで0.2%
炭水化物13.4 g
タンパク質0.1 g
ビタミン
ビタミンB6 (1%)0.01 mg
ミネラル
ナトリウム (0%)5 mg
カリウム (1%)70 mg
カルシウム (1%)5 mg
マグネシウム (1%)5 mg
リン (1%)7 mg
鉄分 (2%)0.3 mg
他の成分
水分 75.2 g
アルコール 11.1 g
前提知識の整理
植物は空気中の二酸化炭素と水と光エネルギーによって水と酸素を放出し、ブドウ糖を作り出す(炭酸同化作用(光合成))。
根から無機態窒素(アンモニアや硝酸態窒素)を吸収し、光合成で作り上げたブドウ糖を結合させ、アミノ酸、そしてタンパク質を作る(窒素同化作用)。
また、根の先から根酸を放出し、土壌中の栄養分(プラスイオン)を溶かして、吸収する(陽イオン交換)。
正確には、光合成反応でATP(アデノシン三リン酸)をいったん作り、そのATPを利用して無機物から有機物を合成し、さらに、合成した有機物を無機物に分解してATPを合成し、そのエネルギーを様々な活動に利用している
吸収した無機物がすべて合成できずに残存物が残ると土壌中に何かの異変があった。これを味わいと言うかどうかは別の問題
鉄の起源は、土壌、製造工程中の鉄製品、コラージ(澱引き)
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ワインの特徴は、土壌のミネラルの関係より土壌の物理的条件による
楕円グラスについての言及はない。
土壌中に特定のミネラルが豊富だからといって、ブドウがそれらを大量に吸い上げ、果汁中に人間が感知するほどの濃度になることはありません。
植物は必要な栄養素を、必要な分だけしか吸収しないからです。
また、もし果汁中のミネラルが豊富だったとしても、それは酵母にとっての栄養分が多いということ。
さきほど挙げた火打ち石の香りなどの硫化物は、酵母が発酵するのに苦しんだ際に発生させる成分です。
つまり、皮肉なことにミネラル豊富なブドウ果汁から造られたワインは、果実味が全面に出たミネラル感の少ない味わいになってしまいます。
ワインの原料になるブドウはヨーロッパブドウ(学名ヴィティス・ヴィニフェラ)というひとつの種しかない。このため遺伝子に多様性がなく、突然変異が起きやすい。
実の成熟
①糖分の成熟
②フェノール類の成熟→風味の成熟
この二つが一致するとアルコール度数が12-13度になる。
しかし、糖分が蓄積してリンゴ酸が減少と、色と香りの深まりやタンニンの成熟(フェノール類の成熟)は連動しない。
ジェラール・セガン
The concept of terroir in viticulture
Cornelis van Leeuwen, Gerard Seguin
Journal of Wine Research 17(1):1-10, 2006
ワインの品質と土壌の栄養素含有量との間に関連性は見出すことはできない。
ブドウへの水分供給を調節する土壌の物理的特性がワインの品質を決める。
土壌の化学組成が関係するのは窒素が過剰か、栄養素が著しく欠乏している場合のみ。
水分が適度に不足している方が新梢の成長が抑えられ、実の重さや収量が減る。こうしたブドウでは、実のアントシアニン量やタンニンの量が増え、赤ワインの質を高める理想的な条件となる。
土壌は水と無機イオンを供給するだけ
窒素がかなりの量が必要だが、多すぎると葉や枝が育ち実のつきが悪くなる。
酵母は窒素が必要なので、窒素が少ないと発酵がうまくすすまない。
カリウムが不足すると収量や実の質が落ちる。
カリウムの大半は果皮に含まれるため、
とくに赤ワインでは、カリウムはブドウの主要な酸である酒石酸と結合するため、酸度が下がる。
土壌のカルシウムが多いと構造は密ではなくなり、通気性がよく、つまり、土中の生物が活性化し、水はけもよくなる。
水を吸い上げるときに、水に溶けているものをすべて取り込む。
特定の栄養素が足りなければ、その栄養素を含む水を吸い上げる。
よく似た無機イオンが存在すると間違った栄養素を取り込む。
たとえば、土に石灰岩が多いと鉄をうまく吸収できない。
鉄は緑葉素の緑の色素を作る成分として不可欠で不足すると光合成に支障をきたす。
根は水素イオン(陽イオン)を放出し、土壌中の陽イオンを取り込むことかできる。
土壌に保持できる陽イオン(カルシウムやマグネシウム、鉄、窒素を含むアンモニアイオン)の量
CECの値が大きければ土壌の肥沃度は高い
土壌中の有機物は微生物の活動によって無機イオンに分解される。
ミネラルと感じている香りは揮発性硫黄化合物の匂い、つまり、還元臭
もっとも頻繁にみられるのは複合硫化物やメルカプタン
火打石は水に溶けないので味がするわけはない
精密ブドウ栽培(PV:Precision Viticulture)
ロバート・モンダヴィは「葉面積指数(LAI)」と称する衛星画像から見て取れる樹冠密度が、ブドウの果実の品質と収量とどれくらい関連しているかを調べている。
南アフリカの大規模ワイナリーでは、成熟度をブドウ果樹の外見からベテランが判定し、これをLAIとよく似た衛星画像で測定可能な指標である「正規化植生指数(NDVI)」との相関を調べたところ有意であったとしている。養水分ポテンシャル(LWP)という給水に関連する指標も有意。
ヨーロッパブドウはフィロキセラ対策のために、アメリカ産ブドウ(フィロキセラの被害を受けない)に接ぎ木している。
リュット・レゾネ(減農薬栽培)→IPM:総合的有害生物管理
カバークロップ
ビオディナミ調合剤
https://winebeer.jugem.jp/?eid=111
制限灌漑(RDI)と部分灌漑(PRD)
→PRDの二列点滴潅水は面倒
ブドウの列と列の間のカバークロップを一列おきに刈る
ワインのスタイルに合った酸素透過率の栓を醸造家に選んでもらう
ソーヴィニヨン・ブランの香りを作る硫黄含有化合物
・3MH
・3MHA
・4MMP
ミクロ・オキシジェナシオン
ワインにセラミック筒を通して微量の酸素供給をすることで、樽熟成のようにゆっくりと酸化を進行させることができる
全房発酵への理由
・茎を忌み嫌っていたアンリ・ジャイエが亡くなった
・温暖化の影響で熟した茎が多くなった
マセラシオン・カルボニックと全房発酵
全房発酵は、梗を取り除かずにブドウを房ごと醸すこと。
マセラシオン・カルボニックは、全房発酵の一種では炭酸ガスを充填するため、果実内の酵素による発酵(細胞内発酵)が促進され、ワインはフルーティーで柔らかい風味。一方、単に梗付きのブドウを醸すだけの全房発酵(マセラシオン・カルボニック以外)では、細胞内発酵だけでなく、ブドウが潰れてから始まる酵母によるアルコール発酵が主となり、複雑な風味になる。
還元臭→硫黄化合物とみられる物質から生じる匂い
還元臭の原因物質
・硫化水素→腐った卵のようなガス
・メルカプタン(チオール)→キャベツ、ゴム、焼けたゴム
・硫化シメチルDMS)→煮た野菜
・3MH、3MHA、4MMP→特定の濃度だとトロピカルフルーツやパッションフルーツ、濃度が濃くなると猫の尿
・ベンゼンメタンチオール→スモーキー感や火打石の匂い
・オーク由来のチオール化合物→コーヒーやオークの香り
疑似共感覚
ほかの感覚から味覚が誘発される。
ワインの味の比喩は疑似共感覚
