お好み焼きという料理は存在しない。カテゴリであった。
お好み焼きは本来、「子供を相手の」「一品料理の真似事」
染太郎の創業時の天もののメニュー
・いかてん
・えびてん
・あんこてん
・もちてん
・牛てん
いか天の天の由来
・天かすを材料に使っていた
・天辺に具をのせるから
・「具材」が天ぷらだった
お好み焼きのビフテキ
牛肉の切れ端を入れた粉ものにソースをかけ、高級洋食の気分を味わった「庶民のパロディ(憧れ)メニュー」
亀の子
お好み焼き(天もの)の生地を、楕円形や六角形のように丸く厚めに焼き、表面に十文字などの格子状の切れ目を入れたもの。見た目が亀の甲羅(亀の子)にそっくりだった
お好み焼きの誕生は大阪・広島ではなく「明治末の東京下町」。
ルーツは「文字焼」という江戸〜明治の実演菓子であり、そこから駄菓子屋文化や洋食屋台の影響を受けて変化した。
ソース焼きそばは本来、お好み焼きの一種として成立した。
「好きな具を入れて焼く粉もの」は戦前から存在。
戦後の食糧難が起源ではない。
お好み焼きとどんどん焼の違い
どんどん焼き
-屋台系
-薄い
-箸や串で食べる
-子供向け駄菓子的
お好み焼き
-鉄板で焼く
-自由に具材を選ぶ
-洋食文化の影響
今はないお好み焼きのメニュー
・カツレツ / フライ
小麦粉の生地に少量のひき肉を混ぜ、上から細かく砕いたパン粉をまぶして鉄板で焼き、ウスターソースをかけたもの。
オムライス
ご飯ではなく、ネギや天かすの入った小麦粉の生地を薄く焼き、それを卵でクルッと巻いてソースやケチャップをかけたもの。現代の「とんぺい焼き」や「オムそば」の遠い祖先。
・シュウマイ
ひき肉とタマネギを混ぜた生地を小さく丸めて鉄板で焼き、ソースをつけたもの。
キャベツボール
キャベツと揚げ玉(天かす)を鉄板の上で炒め、ソースを絡めて丸くまとめたもの。
・寄せ鍋
鉄板の上で、肉の切れ端、ネギ、こんにゃく、魚のすり身などをごちゃ混ぜにして炒め、醤油やソースで味付けした「汁のない鍋風鉄板焼き。
・エチオピア
小麦粉の生地にあんこを混ぜ込んで鉄板で黒っぽく焼き上げた、甘いデザート系のお好み焼き。「くろんぼ」というメニューの、別の呼び名
・あんこ巻き
クレープのように薄く伸ばした生地の真ん中にあんこを乗せ、くるくると細長く巻いて食べるもの。
文字焼
もんじゃ焼きの祖先とされる
江戸期〜明治期の屋台で、職人が小麦粉生地を焼きながら、文字や動物・縁起物を描いて見せる「実演菓子」としての始まる。
飴細工やしんこ細工と並ぶ、江戸の見世物+駄菓子文化
明治期の文字焼は、単なる平面の「お絵描き焼き」ではなく、立体的な造形も含んでいた
明治時代に駄菓子屋で焼かれるようになり、「文字焼き」が訛って「もんじゃ焼き」になった。
明治末〜大正期に鯛焼き・人形焼が流行し、文字焼が押されていく。
明治末の東京下町で、「料理のパロディ」としての新しい焼き物、お好み焼きが登場する。
文字焼きの職人・屋台が、新たな生業として「お好み焼き」へ転業していく。
料亭・割烹などの和食文化は大阪・京都に重心があり、対して屋台文化・洋食・ソース文化は東京が先行していた。このため、「ソースとキャベツを使う粉もの」の土壌が東京に整っていた。
京の着倒れ東京の食い倒れが、いつのまにか大阪の食い倒れになっていた。
→「京の着倒れ、大阪の食い倒れ(+江戸の飲み倒れ/買い倒れ)」
戦前のウスターソースは、現在のような酢・野菜主体ではなく、「醤油」が主原料だった。
リーアンドペリンのウスターシャンソースの原料は広東でつくられた醤油であるとし、第二次世界大戦で調達が難しくなって今の味になった。
お好み焼きの中で、「イカ天」「豚天」など「○○天」と称するメニュー群=「天もの」が登場し、ブームを生む。
当初は天ぷらのパロディとしての「天」がメニュー名に使われ、その後もお好み焼きの具材名として定着していく。
具は混ぜて焼くか、のせて焼くか
「のせて焼く(重ね焼き)」:戦前の主流
「混ぜて焼く(混ぜ焼き)」:戦後のイノベーション・関西の完成形
一方で、広島だけは戦前からの「のせて焼く(重ね焼き)」の伝統的な構造を独自の形で進化させ続けたため、現代でも「混ぜる大阪・のせる広島」という明確な二大潮流として残る
文字焼からもんじゃ焼きへ、さらに戦後の駄菓子屋文化の衰退へ。
「ソース焼きそば」を独立料理ではなく、お好み焼きの一種
ラーメンはそばのつゆに中華麺をいれたもの→「黄そば」
山形県の名物である「鳥中華」も、お蕎麦屋さんのまかない(蕎麦つゆ+中華麺)から生まれたメニュー
お好み焼きの物語 関連資料詳細
お好み焼きの物語 関連資料詳細 - Google スプレッドシート
目次
1. 大正7年のお好み焼き
2. 池波正太郎も勘違い!お好み焼きとどんどん焼は何が違う?
3. お好み焼きの歴史(概要)
4. 文字焼の誕生
5. なんと立体だった?明治時代の文字焼
6. 駄菓子屋の文字焼 もんじゃ焼きの遠いご先祖
7. 鯛焼きの出現と文字焼の衰退
8. お好み焼きの誕生
9. 和食は大阪、屋台と洋食は東京が本場
10. 戦前のウスターソースの原料は醤油だった!
11. 「天もの」の登場でブーム到来
12. 桃色遊戯の舞台、お好み焼き屋
13. 変わる駄菓子屋の文字焼
14. ソース焼きそばはお好み焼きの一種
15. 来々軒と支那そばの普及
16. 「天もの」日本各地へ
17. 第三次お好み焼き屋ブーム
