人は「お金」よりも、むしろ「承認」や「名誉」によって動機づけられるという前提に立ち、 職場などの組織で、どうすれば人を動機づけることができるのかについて述べている。
成果主義が浸透していないように、『サラリーマン』は「お金で動いていない」。
かといって、
「出る杭は打つ」「奥ゆかしさを美徳とする」といった風土から、認めてもらうことを熱望していても、口に出しにくい。逆に露骨に褒められたり、認められたりするのは迷惑。周囲から叩かれたり、仲間はずれにされたりするか。したがって、「褒める、認める」ことでやる気を引き出そうとしてもうまくいかない。
大きな成果をあげたり、卓越した実力を示したり、積極的に認めたりするよりも(表の承認)、義理を果たしたり、周りとの調和を保ったりすることで、消極的に認められる場合が多いからだ(裏の承認)。
(裏の承認)重視の社会では、互いに突出することを戒め、序列を守りながら奥ゆかしく承認されようとする。このような風土は画一性と調和を重んじる農業社会や大量生産の工業化社会に適していた。
「個性尊重」「創造性発揮」が求められるポスト工業化社会、情報化社会、知識社会では、このような承認の仕方は個人にとっても組織・社会にとっても大きな障害になる。
しかし、何百年も受け継がれた日本的風土はそう簡単に変わらない。したがって、風土を変えようとするのでなく、(表の承認)が得られるように工夫すべきだ。つまり、日本ならではの認め方、認められ方を知るべきだ。そうすれば、日本の組織でも、個人が個性と能力を思う存分に発揮して、生き生きと働くことができるようになるはずだ。
ということだ。
結論が抽象的で対応に困るけど、納得できる。