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秘すれば花

秘すれば花 (講談社文庫)
風姿花伝を読みたいと思っていたが、軟弱なので、こちらを読んでみた。

代表的なものに以下がある。
初心忘るべからず
男時・女時
時節感当
衆人愛敬
離見の見
家、家にあらず。継ぐをもて家とす
稽古は強かれ、情識はなかれ
時に用ゆるをもて花と知るべし
年々去来の花を忘るべからず
秘すれば花
住する所なきを、まず花と知るべし
よき劫の住して、悪き劫になる所を用心すべし

これらを耳にしたことがあると思うが、たとえば、「初心忘るべからず」は、
「ぜひ初心忘るべからず」、「時々の初心忘るべからず」、「老後の初心忘るべからず」
と解説している。

風姿花伝』の第一章「年来稽古条々」で。
七歳
この芸において、大方、七歳をもて初めとす。
→子供にものを教えるには七歳がよい
さのみに、よきあしきとは教ふべからず。
→良い悪いなどを直してはいけない

十二、三より
さりながら、この花はまことの花にはあらず、ただ時分の花なり。
→若さゆえ


二十四、五
この比、一期の芸能の定まる初めなり。さるほどに、稽古の堺なり。声も既に直(なお)り、体も定まる時分なり。これ二つは、この時分に定まるなり。年盛りに向う芸能生ずる所なり。(以下略)

三十四、五
上がるは三十四、五までの比(ころ)、さがるは四十以来なり
→このあたりもエンジニア30歳限界説の起因かもしれないが、
この歳までそれなりの役者になっていなければ下がるばかりだというところが大切。

四十四、五
ようよう年ゆけば、身の花も、外目の花も、失せるなり。(以下略)
→部下に任せろ
この頃まで失せざらん花こそ、まことの花にてはあるべけれ
→本物の花のある役者ならば四十半ばになっても華やかさを失わない

五十有餘
この比よりは、大方、せぬならでは、手立あるまじ。
麒麟老いては駑馬に劣る」と申す事あり。
→なにもするなと

秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず
秘すれば花」とは、「地味に謙虚に生きろ」ではなく、「隠しておくことで価値があり効果も出てくる」という
打算的であるけど、隠していることすら秘密にしろというところが重要である。

「花があるね」といいますが、「花と、面白きと珍しきと、これ三つは同じ心なり」ということで、
高い技術に裏打ちされ、観客の耳目を強く惹きつける、魅力的な花にするために、秘することも大切ということなんでしょう。