akon2.00βのよっぱらいの戯言

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サービス業としてのIT業界

miyanさんのコメントに脊髄反射的に答えてしまいましたが、たしかに「やりがい」について議論する場に経営者が登場するのは変ですね。経営者からは、「こんなやりがいがあるはすだ」、「こんなやりがいを会社としては
用意している」というもの以上のものはでてこない。あくまでも経営者の視点での「やりがい」ですしね。
あらためてITProを読み直してみたけど、これすら提示していないですね。やりがいについて議論するならば、miyanさんがいうように開発者を招聘するべきですね。もちろん、どんなことにやりがいを感じるかはひとそれぞれでしょうが、具体的なやりがいを提示しなかったから、「まず10年間は泥のように働け」という言葉だけがめだってしまったのではないかな。
むしろ、学生のほうが具体的に提示している。

「就職活動をするようになって,銀行のATMやSUICAなどITが日常生活を支えていることを知った。やりがいがある仕事だと思う」

企業側は、なにを提示したのであろう。有賀さんの話からは、金、昇進がやりがいにしか読み取れない。これは結果についてくるもので、こんなひとがいるから、売上至上主義に走り、受けるべきでない案件でも受けてしまうわけですよ。そして、3K業界になったわけですよ。

司会の田口氏は聴衆に向かって「会場に来ておられる方々はIT産業で働いている先輩方だと思うが,やりがいがある,と感じている方は手を挙げてほしい」と呼びかけた。500人程度と思われる聴衆のうち,手を挙げたのは半数程度だった。

半数を多いかどうかはおいておいて、厚かましいひと以外は

「自分の書いた子供のようなものが世に出て人の役に立つのであれば,やりがいを感じられると思う」

と思っていたけど、自分のコードなんてごくわずかで、やりがいというにはおこがましいし、ましてや、自分がプロマネしてプロジェクトを成功させましたなんて、思い上がりもはなはだしいよね、と考えてしまい、手を挙げにくいですよね(そもそもシャイだからという話はおいておいて)。まぁ、それで本人がやりがいを感じるのは自由ですが。
サービス業にいるという自覚が必要なんじゃないかと思っています。ここで大切なのは、サービス業なので、「人の役に立つ」ということに、やりがいを感じないと、「泥のように働きたくない」となるわけです。ひどい業界となるわけです。動いて当たり前、止まったら怒られる、減点法の世界にいます。だから、高品質のシステムをどのように開発すべきか、困難な納期、機能に対応するためにどのようなアーキテクチャがよいのかなどを考えないで、もしくは考えさせてもらえないならば、つまらないでしょうね。むやみにシックスナインやc0が要求されるのではなく、サービスレベルに応じて求められるわけですから、必要以上に高品質にしてもポイントになるわけではないです。
年間7兆円の取引のあるシステム(高橋さんがアーキテクチャしたやつ)のリプレースを、発注者として検収しつつ、これを部門の基幹につないで、さらに本体の基幹につなぐなんて、仕事をしていますが、もちろん、パーツでしかないですが、「泥のように」働いてはいませんがやりがいはありますね。
ちなみに西垣氏は

商社くらい変動している産業はない。

といっているけど、商社の仕事をしたことがあるのかしら。変わろうとして、もがいているけど変わっていないと思います。IT時代には商社不要といわれつつ、なぜかバブル期を越える好景気なので、変われない。商社冬の時代という言葉を知らない世代ではないと思うのに残念です。知らない世界のことを例に挙げるなんて・・・しかし、本当に「泥のように働いていますね」。まぁ、経団連の会長まで登りつめられますからね。まぁ、そこまでいかなくても、「日本アルゼンチン協会常務理事」なんていて、アルゼンチンワインを安く売ってくれるみたいです。これは脱線しました。
IT業界がどのような業界を指しているのかあいまいにしたまま、書いていますが、業界の人でないひとが、ユーザ企業のIT部門に配属されるともっと悲惨かも。いくらビジネスでITが重要だといっても、モノを売ったり、製造している部門から見れば、社内の地位は低いですよね。キャリアからはずれたと受け取る人は多く、自分自身で職種を選択したわけじゃないだけに、
落ち込みは大きいと思います。同じ会社なのに、文句いわれまくられですからね。