「関数型プログラミングに目覚めた」を読んだ感想です。
いろいろと「評判」の書籍です。活字中毒患者に最適と勧められたので、読んでみました。活字中毒患者なので、ポエムだろうが、随筆だろうが雑食です。さらっと完食してしまいました。難しいことでも、何度も繰り返すことで、読者の理解をうながす手法は、吉村文学におよばず活字中毒患者の敵ではありませんでした(さらと読み飛ばしましたよ)。そうです。自らがアンチテーゼになることを厭わず、10ページに収まるような内容をFRPらしく「クール」に書き上げずに、400ページの大作にしてしまうあたりなかなかの筆力です。筆者のストーリーテーラーとしての才能の開花は、これからかもしれませんが、縦書きで書いていたら、別の印象をもったかもしれません。秀平システムがこんな「小説」を出してきたのは、路線変更なのでしょうか。
JavaScriptの黎明にいろいろ翻訳にかかわらさせていただきましたが、JavaScriptはライトウエイトな言語であり、このような格調高い文章で表現すると、なかなかありがたいものに思えてくるんですね。
惜しむらくは、哲学的な主張をしようとして、monadどころか、mandicでもない、ただのreactiveに終わってしまっては、サクラ先輩のIQ145も宝の持ち腐れではないでしょうか。もっとも、FRPに目覚めて、mandicさらにはmonadをめざす的な、二匹目、三匹目をめざすような布石を残さなかった潔さは、評価に値します。
最後に一言、他人が読めないコードを書いているくせに、他人のコードを「ダサイ」という、サクラ先輩、「論理をそのままにコード」にしてもバグは混入するんですが、このあたりは、サクラ先輩による「形式的仕様記述」を期待したいです。