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山桜記

 

山桜記 (文春文庫)

山桜記 (文春文庫)

 

 

なぜ、葉室 麟を読み始めたのかきっかけは思い出せないけどよい話ばかりであった。

時代小説はあまり読まないのですが、史実のスピンアウト小説は好きです。

 

・汐の恋文

戻ってくれば殺されるが、戻ってきてくれと言われたのがうれしくて戻ってきた。

竜造寺政家の家臣瀬川采女とその妻である菊子の物語。

  

氷雨降る

鍋島直茂の所領となっている旧領三郡を家康に願い出て回復しようとしたら、裁判に負けた有馬晴信の物語。

 

・花の陰

細川ガラシャの嫁である前田利家の七女千世はガラシャと死を共にせず生き残った。

ガラシャは千世に「夫をいとおしむ思いを貫け」と自分の果たせなかったことを成し遂げてほしいと頼む。

そのことを舅に伝えれば保身できたのに。

 

・ぎんぎんじょ

お家のために、当主龍造寺胤和の娘(慶誾尼)でありながら、

家臣鍋島清房に嫁ぎ、鍋島家が龍造寺家を簒奪しても、鍋島家にした身として、誾誾如たり。

 

・くのないように

八十という名は苦のないようにと。

加藤家はいずれとりつぶされるから娘には

徳川家にあって苦のないように生きてもらいたいと。

加藤清正の娘徳川頼宣の元へ嫁ぐ際に、嫁入り道具に、

愛用の槍を差し出すことによって、加藤家は徳川家に対して、

もはや武器を持って戦うことはないという心構えを示した。

 

・牡丹咲くころ

「樅ノ木は残った」と同様に、原田甲斐江戸幕府による取り潰しから藩を守るために尽力した忠臣として描く

家康の曾孫にあたり御三家に嫁げる鍋姫が格下にあたる立花忠茂のもとに嫁ぐのも将来起きるであろう

伊達家の騒動から遠さげるために。

 

天草の賦

黒田如水の孫の黒田忠之島原の乱の出陣している際に、

天草四郎許嫁で、如水の異母弟の黒田直之の孫娘が

天草四郎を救出しょうという物語。

 

のちの島原の乱に関係する人々を集めたのかもしれない。
花の陰の細川忠興の三男忠利(忠隆の弟)
ぎんぎんじょの鍋島直茂の子鍋島勝茂
氷雨降るの有馬晴信の子有馬直純
牡丹咲くころの立花忠茂
天草の賦の黒田忠之
くのないようにの加藤家と汐の恋文の竜造寺家は断絶