「利己的な遺伝子」のリチャード・ドーキンスが、チョーサの「カンタベリー物語」に倣って、進化の分岐点で共通祖先とそこに合流してくる生物達にまつわる40以上の物語を語ってゆく。
合流を「ランデヴー」、最後の共通祖先を「コンセスター」、最初の生命を目指す旅を「巡礼」
ヒト→チンパンジー・ボノボ(ピグミーチンパンジー)→ゴリラ→オランウータン→テナガザル→旧世界ザル→新世界ザル→メガネザル→キツネザル→ヒヨケザル・ツバイ→齧歯類とウサギ類→ローラシア獣(カバ・アザラシなど異質な哺乳類たち)→異節類(貧歯類・アルマジロ)→アフリカ獣類→有袋類→単孔類(カモノハシ)→蜥形類(爬虫類・鳥類)→両生類→肺魚→シーラカンス→条鮱類(ヴィクトリア湖のシグリット)→サメとその仲間→ヤツメウナギ・メクラウナギ→ナメクジウオ→ホヤ類→ヒトデとその仲間→旧口類→無体腔型扁形動物→刺胞動物(クラゲなど)→有櫛類(ゴカイ・バッタ・フジツボ・ハキリアリなど)→板形動物→カイメン類→襟鞭毛毛虫類→ドリップス→菌類→アメーバ動物→植物→不確かなグループ→古細菌→真性細菌
・農耕民の物語
農耕が自然に対する人為的な介入の始まり。
・クロマニヨン人の物語
ラスコー洞窟の絵画に見られる芸術が人類史上最大の文化的飛躍だという仮説。
言語の発達が存在しないものを描く表現の発明の原因であるか、もしくはその正反対かもしれない。
ランデヴー0.すべての人類
・タスマニア人の物語
多数の個体の共通の祖先が意外と近くにも存在しうる。
最も現代に近い共通祖先がいる時点とその集団の誰もが共通祖先であるか現代に子孫を残していないかどちらかである時点とは異なる。
タスマニアにたった一人の移民がタスマニア人の祖先となる確率は80%。
・イヴの物語
ミトコンドリア・イブやY染色体アダムは、「現在のすべてのヒトの共通祖先」ではなくて、「現在のすべてのヒトのDNAの一部の共通祖先」。
■古代型ホモ・サピエンス
・ネアンデルタール人の物語
進化を生物個体の系譜という視点から見ることはできない、見るべきではない。
つまり、系図学的な系譜よりも遺伝子の系譜の方が重要だということである。
化石の変化も遺伝子の系譜を反映している。
ネアンデルタール人と現存するすべての人類の女系的な共通の祖先は、ミトコンドリア・イブよりずっと以前の年代になる。つまり、ネアンデルタール人と現代型人類の間の交雑が成功することはめったになかったので、ネアンデルタール人は死滅した。
主要な出アフリカは従来考えてこられた二回ではなく三回(アラン・テンプルトン説)
・15-8万年前(YOOA)→ミトコンドリアDNAおよびY染色体DNA
・84-42万年前(MOOA)→βヘモグロビン、MS205、MC1R、
・170万年前(OOOA)→MX1
■エルガスト人
・エルガスト人の物語
堆積岩の中では化石が連続的に形成され得ない。
グレンローズの恐竜と人間が同時に存在しているように見える足跡の化石は、人間の足跡の方が勘違いである。
■ハビリス人
・器用人の物語
ホモ・サピエンスの比率は典型的な哺乳類の六倍なのであるが、脳の大きさだけで知能を語ろうとする言説には不安。
■猿人
・リトル・フットの物語
二足歩行が発達したことによる利点、および何のために二足歩行が発達したのか。
様々な仮説があるが、少なくとも手が自由になったのは結果であり、二足歩行が発達したのが先である。→結論は、クジャクの物語で。
・ボノボの物語
ランデヴー1の地点より早く(未来に)ボノボとチンパンジーは合流(分化)しているので、二者は現代の人類からは同じ近さである。
ランデヴー2.ゴリラ
・ゴリラの物語
ボノボの物語で言及されているように、類人猿から別れた後に人種の(外見上の)分化が行われた以上、ゴリラとあらゆる人間は同じ距離にいる。
ランデヴー3.オランウータン
・オランウータンの物語
最節約原理を用いた分化の仮説。
これ以前にアフリカにいた祖先は一旦アジアに渡り、オランウータンと分化した後にアフリカに渡ったという説明ができるが、必要な仮説が少ないからといって真実とは限らない。
ランデヴー4.テナガザル類
・テナガザルの物語
現生の種の系統図を作る際の作業は、最尤法という最も可能性の高いツリーを作る手法。
ランデヴー5.旧世界ザル
尾を持って登場する最初の巡礼者。
新世界ザルは、狭鼻猿類(下を向いた鼻孔)、広く左右に開いた鼻孔、耳は骨性の管を欠いている。
音声より直立二足歩行が先にあった。骨を食べるときの姿(この本で言及されている直立二足歩行の前適応としての「座る」と言う姿勢)、骨を食べるための行為(手を使って骨を砕くなど)。
ランデヴー6.新世界ザル
・ホエザルの物語
狭鼻猿類である類人猿と旧世界ザルは三種類、赤、緑、青の錐体をもつ三色系。
夜行性の祖先が三色系を失った後、三種類目の錐体を獲得した。
新世界ザルは、二色系の色覚しかもっていない。
ただし、ホエザルは恒常的3色型色覚
異常三色系色覚者(色弱)
ヒトでは、男のおよそ2%が二色系の色覚障害。8%が他の種類の赤緑色覚障害
ランデヴー7.メガルザル
メガネザル以外の夜行性の哺乳類はタペータム(光を反射する眼)である。
恐竜の時代に夜行性だった哺乳類のいくつかのグループは、恐竜が滅んで安全になった時に昼行性に転じた。メガネザル類は夜行性に戻ったがタペータムを再生させるという進化的な道筋は閉ざされた。
カエルやバッタのように長い後ろ脚を持っている
毛のはえたカエル
ランデヴー8.キツネザル
曲鼻猿類。他の霊長類は直鼻猿類。
・アイアイの物語
マダガスカル島は世界中の動植物の全種のおよそ5%がいる。
80%は他の地域にはいない種。
■白亜紀の大激変
隕石により、恐竜が絶滅した際にトガリネズミは生き残り、食肉類と霊長類に進化した。→遅発爆発モデル
ベルム紀の地球温暖化による大規模火山噴火では盤竜類が絶滅。
ランデヴー9.ヒヨケザル(滑空する)とツバイ(植物の隆盛)
・ヒヨケザルの物語
ヒヨケザルの合流のタイミングの推定の不確実。
ランデヴー10.齧歯類とウサギ類
・ハツカネズミの物語
個々の遺伝子は英単語で、生物を形作る際に異なるのはその配列順であって、ゲノムの比喩として設計図を持ちだすべきではない。
・ビーバーの物語
延長された表現型。
「表現型(phenotype)」とは一つの個体の観察できる特徴の総和であり、ビーバーにおいては扁平な尾というのが表現型の一例であるが、ビーバーが作るダムも含まれる。
尾の遺伝子、骨や皮膚のための遺伝子はダムを作らせる遺伝子、行動のための遺伝子と構造的な差異はない。よって遺伝子の違いはすなわち表現型の違いであり、そこに身体の外部・内部の区別は無意味だ。
ランデヴー11.ローラシア獣
ローラシア大陸からやってきた。
レトロトランスポゾンの有無。
・カバの物語
.鯨偶蹄目は、ラクダ、ブタ、ウシ、シカ、カバ、クジラなどを含む。
カバに最も近縁なのがクジラ。
ウマ、バク、サイが奇蹄目なのに対しラクダ、ブタ、カバ、クジラなどは現在では鯨偶蹄目に分類されている。
・アザラシの物語
雄雌の比率はそれぞれを育てる際の経済的出費に対応している。
例えば一夫多妻のハレムを形成する種は、ハレムが大きいほど雄雌の体格差が大きい。ちなみにそこから、男女の体格差が少ないので人類の一夫多妻はありえない、とは言えない。人間の強い・弱いの差は体格に加えて権力や知性にも大きく左右されるからだ。
ランデヴー12異節類(貧歯類)
ランデヴー13アフリカ獣類
ランデヴー14.有袋類
有胎類がもうひとつの哺乳類のグループである有袋類と出会う。
オーストラリアとニューギニアをあわせで、メガネシアやサフルと呼ぶが、オーストラリネアと呼びたい。
オーストララシアはオーストラリアとニューギニアとほとんど共通性を持たないニュー時ランドが含まれる。
・フクロモグラの物語
フクロモグラは有袋類で、モグラよりもカンガルーに近いが、住む環境がモグラに類似したものになるよう進化を促した。これが収斂進化である。同様のことがアメリカモモンガとフクロモモンガにも言える。
モグラのように、
・巣穴をほる
・二本のかぎ爪
・尾が短い、目も見えず、耳もない。
・育児嚢をもつ
つまり、穴掘りという修正のために、異なった発端から、異なった祖先から、独理に進化して、収斂。
15.単孔類
・カモノハシの物語
「原始的」という言葉は「祖先に似ている」ということを意味するが、どの現生種も同じだけの時間を与えられて現代に至っているのであり、見た目が似ているからといって他の点までそうなわけではない。
くちばしの表面全体に4万個の電気センサーが散在している。
16.蜥形類(鳥類+爬虫類)
ゴンドワナ大陸の分裂と走鳥類の分布、古磁気。
ティラノサウルスはイグアノドンやトリケラトプスよりも鳥類と近縁。
ダチョウは他の鳥類とは早くに別れたほとんど独立の鳥類。
ドードーなど絶滅した大型走鳥類が鳩の仲間。
・ガラパゴスフィンチの物語
ダーウィンの提唱した進化の過程を証明する実例として、人工的な淘汰圧をかけ明らかな生得的な違いを見出すまでになったショウジョウバエとトウモロコシ、および旱魃を原因として急速な自然淘汰が起こったガラパゴスフィンチが挙げられている。
・クジャクの物語
ダーウィンの性淘汰。
クジャクの華麗な扇はたまたま雌の嗜好がそちらへ傾き、どこかで爆発的な連鎖反応として進化していって、それに伴い二足歩行はたまたまの流行が性淘汰によって保存された。同様に脳の発達も性淘汰が原因。
なぜ、人間は体毛を喪失したか。
→パジェルとボドマーはシラミ対策としている。
なぜ、二足歩行が起きたか。
→ジョナサン・キングドンのしゃがみ採餌説
→著者の説
有効性に関係ない恣意的な方向に進化を駆動する
模倣への傾向
類人猿の間に、性的ディスプレーや攻撃的ディスプレーにみられる、一時的に後脚で立ち上がるという習性
・ドードーの物語
ロバート・シルヴァーバーグの『地上から消えた動物』が詳しい。
ランデヴー17.両生類
カリフォルニア州セントラル・ヴァレーの南端に住む二種は全く交雑する事のない別種の二種なのに、それぞれ北端に向かってゆくと、少しずつ色や形が違う交雑可能な種が住んでいて、ついには、谷の北端で繋がる。
明確な種の区別は、全く交雑不可能となるまでの違いが出る、その中間の種が絶滅しない限り不可能。
・サンショウウオの物語
輪状種の説明による、独立した種の決定の難しさ、ある種の近似種との連続性。
A-B二種の間にどちらの種にも似ており交雑可能なCとDが存在し、
B-C-A-D-Bというようなリングが作れるケースを例として、
あらゆる種の連続性、種の決定の恣意性が指摘される。
自然界にはAより10分の1だけBに近いA'、という個体も存在する。
・アフリカヒメアマガエルの物語
同一地域に住む種が分化するのに必要な条件。
基本的なダーウィン主義では分化は地理的な隔離を原因として説明するのだが、種の差異が「強化」されて分化に至るパターンが紹介されている。
さらにそれはお互いが単独でいるよりも分布が重複している方が競合のため差異が大きくなりやすく、この現象は「形質置換」もしくは「逆クライン」と呼ばれる。
・アホロートルの物語
ネオテニー(幼形成熟)とは「性成熟に比べて相対的にその他すべてのことが遅くなった」ことであり、「成体の残りの部分に比べて相対的に性成熟が加速された」プロジェネシスとの区別が存在する。
アホロートル(別名ウーパールーパー)は外見上は幼生のままで、生殖が可能になったサンショウウオであるが、その他ダチョウやペギニーズ種のイヌもネオテニーの例として挙げられている。
ランデヴー18肺魚
ランデヴー19シーラカンス
肺魚やシーラカンスは、金魚やコイよりも、人類と近縁
ランデヴー20条鰭類
ヴィクトリア湖のシグリット。
条鰭類の浮き袋は、肺が変化した器官で、鰭は手足の変化した器官
リーフィー・シードラゴンの物語
動物の自在な体系の変化。
自然界には淘汰の積み重ねによって現れた信じがたい形状の生物が存在する。
カワカマスの物語
魚はウキブクロに血液中から気体分子を放出し圧力を増やして上昇をする。下降はその逆である。
トビハゼの物語
陸上に上がることが可能な魚類。
酸素の乏しい沼地で生きる魚はそれを補うために鰓腔を発達させ、陸上での行動をある程度可能にしている。
シクリッドの物語
種分化の原因を説明する二つの理論。
・ある集団が別の集団と物理的に交雑できなくなり、環境に従って変化するという一般的な地理的隔離説
・同所内で別の要因により分化が起こる。
第二の状況に見える一つの湖の中での分化も、実は細かな環境の違いが独立した「島」となって集団を隔てている。
洞窟魚の物語
進化は不可逆的であるというドロの法則の疑わしさ。
洞窟魚が眼を失うというケースは、このドロの法則に反している。
しかし結局生物は環境に適しているものになるのであって、一度変化した生物が元には戻らないというドロの法則は何ら妥当性を持たない。
カレイの物語
進化は漸進的に行わなければいけない。
生物は以前の構造の一部を変化させていかなければならないので、無理矢理姿を変形させたカレイのような生物ができやすい。
これはゼロからの設計による生物創造という説では説明できない。
ランデヴー21サメとその仲間
ランデヴー22ヤツメウナギとメクラウナギ
あごが無く、四肢もない、いわゆる無顎類
ヤツメウナギの物語
祖先に関して遺伝子の目からの視点による見方があり、伝統的なやり方とは独立している。
αグロビンとβグロビンのというタンパク質の分離の出来事が系統樹を作るのに役立つ。
ナメクジウオの物語
いずれかの化石が現生生物の実際の祖先であることはまずありそうにない。
ある生物の祖先というのは確実に存在するが、無数に分岐する種の多さを考えると、
ほぼすべての化石は現生生物の祖先ではなく親戚でしかない。
ランデヴー24ホヤ類
幼生の時にはオタマジャクシ型。その後、魚へと進化する動物が幼形成熟個体説。
ホヤ類が独立に泳がない成体になる生活環を独立に進化させた説
ランデヴー25ヒトデとその仲間
最初の無脊椎動物。
ランデヴー26旧口動物
種数が多いことをもって「繁栄している」と言うならば、地球上で最も繁栄しているのは昆虫。
その昆虫も旧口動物の一種で、たこやイカなどの軟体動物、回虫やギョウ虫などの線虫類も、旧口動物。
分子時計・牧畜と農業・光感受性・眼の誕生・交雑と種内差異・ショウジョウバエに於ける発生学と遺伝学・ホック遺伝子・中立説。
ゴカイの物語
動物の対称性の根拠。
生き残る可能性を増すことを考えると、左右の危険性は常に同じなので違いを持たせる必要はない。しかし上下の区別は海底に住もうと海中に住もうと必然的に存在するので、ほとんどの生物は左右のみ対称になる。
アルテミアの物語
脊椎動物の体制が蠕虫の祖先を上下逆にして進化したという理論。
遺伝的変化よりも行動習性の変化が先にあった。
背中側に神経を持つが、脊椎動物は腹側に神経を持つ。
ハキリアリの物語
農耕をするアリの驚くべき生態と、その驚くに値する理由。
ハキリアリは葉を食わず切って運び(しかも葉に小型の同種を載せて運ぶ)、キノコを栽培する。食糧ともなる作物の種、ここでは葉、を食べずに温存する。
バッタの物語
バッタなどの動物は別種の区別を鳴き声の高さなどで行う。これにより同所内種分化が進められる。
種分化の定義である「自然状態では繁殖能力のある子をなさない」で「別の種の生物」であると定義されるのに、ちょっと温度を操作すると、繁殖能力のある子どもを作るバッタを例に用いて、「厳格な種の区別は難しい」。
一方人間は相手が別種、つまり遺伝的異常のない交配可能な対象ではないのに人種という恣意的な区分で区別する。この理由を性淘汰で、ある種のトレンドが発生したために集団の好みが偏った。さらに人種分類はそこに情報が含まれているから意味がある。しかしそれは能力的なものでないがゆえに、雇用について人種で差別するのは不当である。
この「バッタの物語」自体は、と言うことを、上巻のヤモリの例に加えて、重ねて解説している形です。
ショウジョウバエの物語
ホックス遺伝子の性質→胚発生のメカニズム
ホックス遺伝子は、細胞内の遺伝子に現在いる、もしくは今後形成される身体の位置についての情報を与える。これが正しく働くことによって、パーツごとの別々な形成が可能となる。
ワムシの物語→単性生殖生物の存在
無性生殖の不利と、唯一無性生殖なのに長続きしているヒルガタワムシ。
無性生殖は何度も発見されたが、ヒルガタワムシの例を除いてどれもすぐ有性の方に移行している。コストを考慮すると有性の方が二倍もかかるのだが、それでも遺伝子プールが存在することは生物に有利に働くようである。
フジツボは蟹の仲間で、背を岩にくっつける形で定住している。
カギムシの物語
バージェス生物群。
爆発したのは「化石になりやすさ」だった。
ランデヴー27無体腔型扁形動物
スノーボールアース説→地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態
ランデヴー28刺胞動物
イソギンチャクやサンゴ類、クラゲなど
クラゲの物語
パラオのクラゲは太陽を追って一日に二回の大規模な移動をする。
この性質が何のために進化したのかは現在よくわかっていない。
サンゴ虫の物語
サンゴ礁はサンゴ虫の死骸によって構築された最大の人間以外の手による構造物であり、そこには様々な生物が多様な生態で暮らしている。
ランデヴー29有櫛動物
クシクラゲ類
ランデヴー30板型動物
ランデヴー31カイメン類
ここまでが多細胞動物。
カイメンの物語
カイメンを分割して混ぜ合わせると、結合して再び多細胞の群体となるが、それらは同種の細胞としか混ざらない。ここに多細胞の起源を解く鍵がある。
ランデヴー32襟鞭毛虫類
襟鞭毛虫類の物語
エルンスト・ヘッケルは生物の系統分類に関しては大きな功績を残した。しかし彼の主張である「個体発生は系統発生を繰り返す」という論には問題があり、現在では支持されていない。
ランデヴー33ドリップス
中動菌類。
ランデヴー34菌類
カビ、キノコ。
ランデヴー35アメーバ類
ランデヴー36植物
二回単細胞生物と合流、つまり、動物、菌類、植物は、それぞれ独自に多細胞生物として進化した。
カリフラワーの物語
クレイバーの法則→生物の代謝速度と体重の対数グラフの比が常に四分の三に近づく。
この法則は最小の細菌類から最大のクジラ類にまで当てはまり、『ゾウの時間ネズミの時間』で扱っている話もこの法則から導かれている。
ウェスト、エンクイスト、ブラウンの理論→あらゆる生物は水や血液の輸送システムが必要であり、その供給ネットワークの最大に理想的な配分が四対三なのである。
セコイアの物語
年代測定法のシンプルなものはセコイアなどの木の年輪を見る方法であり、その他にも地磁気の逆転を地層が記録した結果を見るものや、非常に幅広く適用できる放射性年代測定の方法について説明されている。
ランデヴー37不確かなグループ
微生物。
生物同士の融合、例えば、ミトコンドリアを取り込んだ真核生物、葉緑体を取り込んだ植物。
ミクソトリカの物語
シロアリの腸に存在するミクソトリカがさらに複数の個体の結合でできていることから、複数種が組み合わさって多細胞生物を構成する。
ミクソトリカは鞭毛と繊毛を両方持っており、それらは元は別々の生物であったことが推測されている。
■歴史的大ランデヴー
生物史上の決定的な発展である真核細胞の生物が生まれる起源について。
ミトコンドリアや葉緑体は以前は別の生物であったことが明らかとなっており、
それらと共生することで真核動物は新たなエネルギーの利用法を身に付けた。
ランデヴー38古細菌
ミトコンドリアや、葉緑体などのバクテリア由来の細胞副器官を持たない真核生物
。
ランデヴー39真性細菌
バクテリアなどとの共通祖先が、生物の始まり。
生物を三分割すると、「真性細菌」「古細菌」「真核生物」である。
リゾビウムの物語
生物が車輪を発達させなかった理由。
セシル・アダムズは「自然界は道がでこぼこであり、車輪ではデメリットが大きすぎる」と述べていたが、道路整備する動物は可能だがそれは完全に利他的行為であり、
淘汰の際に自らに有利でなかったから発達しなかったのだと述べている。
共生はあり得るが、自分に一切有利にならない、もしくは他者をも同様に助けうる行動は人間のみが行うのである。
タクの物語
太陽から直接的にも間接的にもエネルギーを得ていないという点できわめて特異である好熱菌は火山噴出孔などの鉱物から栄養を得ており、そのことは他のあらゆる生物と異なっている。
■カンタベリー
チョーサの「カンタベリー物語」に倣っているので、目的地カンタベリー大聖堂に到着。
RNAワールド説
→数の物質を捉えて自らと同じものを作る酵素があれば、それは自己複製する一つの塊を生む。しかしこのままでは火も同様に増殖するものであり、自らの性質を残しつつ自己複製する能力を得る必要
■主人の帰還
グールドは『ワンダフル・ライフ』で進化を巻き戻してやり直したらまったく異なった生物が出てきただろうと述べていた。
しかしドーキンスは、生物の進化はある方向性を持っていると主張する。
「体節構造の発現」や、目などは別々の過程で四十回以上も発明されており、眼が生じるのはある種の必然なのだ。同様に、光に頼れない環境ではコウモリのようなエコーロケーションが発見されるのである。
眼については、「不可能の山に登る」の「光明に至る40の道筋」、反響定位。
私たちの視点から眺めれば、あなたがた真核生物は、そんな横柄な態度をすぐにやめるでしょう。あなたがた二足歩行の類人猿、あなたがた尾を切り詰めたツバイ、あなたがた干からびた肉鰭類、あなたがた背骨のある蠕虫、あなたがたホックス遺伝子をもつカイメン、あなたがたこの界隈への新参者、あなたがた真核生物、あなたがた均質で狭い教区にすむほとんど見分けのつかない信徒の集まり、あなたがたは、細菌の生活の表面に浮かぶ気まぐれな泡とほとんど変わらないのだ。なぜなら、あなたをつくっ
ているすべての細胞は、それ自体が細菌のコロニーであり、私たち細菌が数十億年前に発見したのと同じ技を再現しているだけなのだ。私たちは、あなたたちが到着する前からここにおり、あなたたちがいなくなった後もここにいることだろう。
by テルムス・アクウァーティクス(グラム陰性桿菌好気好熱性の細菌)
===
上
→ヒトから細菌に
すべての人類
チンパンジー
ゴリラ
オランウータン
テナガザル類
旧世界ザル
新世界ザル
メガネザル
キツネザルとその仲間
ヒヨケザルとツパイ
齧歯類とウサギ類
ローラシア獣
異節類(貧歯類)
アフリカ獣類
有袋類
単孔類
蜥形類(鳥類+爬虫類)
両生類
下
ヒトと魚の共通祖先に辿り着く。さらに、無脊椎動物、菌類、アメーバ、植物
肺魚
シーラカンス
条鰭類
サメとその仲間
ヤツメウナギとメクラウナギ
ナメクジウオ
ホヤ類
ヒトデとその仲間
旧口動物
無体腔型扁形動物
刺胞動物
有櫛動物
板形動物
カイメン類
襟鞭毛虫類
ドリップス
菌類
アメーバ動物
植物
不確かなグループ
古細菌
真正細菌