序文 ビル・ゲイツ
「ワシントンDCにオフィスを持たすに済ましてるなんてすごいことじゃないか」
→こんなことがいっていられないくらい法廷闘争が重要になってきた。
米国NSAによる国民監視(PRISM)を暴露したスノーデン。
アメリカ政府がグーグル、フェイスブック、マイクロソフトなどのテック企業のデータを使って監視しているというスノーデンの告発。少なくともマイクロソフトは政府にそのようなデータを提供していない。マイクロソフトとしてはデータセンターの外にある通信ケーブルをタッピングされていた可能性が高いとしている。データセンターのセキュリティーは守っていたが、データセンターの外の通信までは考慮が足りていなかった。多くのテック企業はスノーデン後に全ての通信を暗号化することに決めた。
第2章 テクノロジーと治安│テロリストのメールは開示すべきか
プライバシーの観点から、テロリストのメールは捜査機関に開示してよいのか。
マイクロソフトとして情報開示請求に対するプロセスを制定。
第3章 テクノロジーとプライバシー│クラウド法とサイバー捜査
CLOUD法成立。
第4章 サイバーセキュリティ│ハッカー集団との戦い
北朝鮮によるマルウェアWannaCryによる攻撃で使われていたWindows XPの脆弱性をついた攻撃ツールはNSAによって開発されていた。ロシアによるNotPetyaも同じツールが使われていた。
そして、WannaCryのキルスイッチが容易に見つかったことで、アジア時間の月曜日まで停止されるように仕込まれていたのではないか。
ロシアのハッカー集団ストロンチウムによるサイバー攻撃は、盗み出したメールをウィキリークスに流出させた。
第5章 民主主義を守れ│独裁政権による選挙妨害
ロシアの情報機関GRUによる、米国選挙への関与。マイクロソフトDCU(Digital Crime Unit/犯罪対策部門)による対応。
第6章 ソーシャルメディア│自由ゆえの分断
ソーシャルメディアの影響。ロシア企業がソーシャルメディアを使ってハッキングを行い、米国大統領選挙でプロパガンダを流していた。
デジタル版ジュネーブ諸条約
パリ・コール、クライストチャーチ・コール
テクプロマシー→テクノロジーと外交を意味するディプロマシーを組み合わせた造語
サイバーセキュリティの国際法ともいえるタリン・マニュアル2.0もあるがインパクトに欠ける。
「人類が物事をまとめ上げる能力を技術進歩に合わせて進歩させることができたなら、人類の暮らしは不安のない幸せなものに変わっていたはずだ」
「われわれの世代が苦労して手に入れた機械化時代の成果は、三歳児に持たせたカミソリのように危険である」
第8章 消費者のプライバシー│フェイスブックを訴えた男 GDPRとカルフォルニア州消費者プライバシー法
第9章 深刻化するデジタルデバイド│ブロードバンド空白地帯をなくせ
デジタルデバイド問題 (田舎にブロードバンドが行き渡っていない)
いつもどおりにアメリカ「出羽」情報スーパーハイウェイ構想というのがあるのでと
e-Japanでがんばって、2019年の総務省通信利用動向調査によると、インターネットを利用している世帯の89%が:『総務省|通信利用動向調査』)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/200529_1.pdf
アメリカでのブロードバンド普及はFCCの調査によると46%。
第10章 テクノロジーと人材│コンピュータサイエンスの教師が足りない
人材。移民問題とIT教育問題と住宅問題
第11章 AIと倫理│現代の「ロボット工学三原則」
Microsoft の AI の基本原則
https://www.microsoft.com/ja-jp/ai/responsible-ai?activetab=pivot1%3aprimaryr6
・公平性
AIシステムはすべての人を公平に扱う必要があります
・信頼性と安全性
AIシステムは信頼でき安全に実行する必要があります
・プライバシーとセキュリティ
AIシステムは安全であり、プライバシーを尊重する必要があります
・包括性(インクルージョン)
AIシステムはあらゆる人に力を与え、人々を結びつける必要があります
・透明性
AIシステムは理解しやすい必要があります
AIシステムにはアカウンタビリティが必要です
AIが暴走することよりも現実的に懸念すべきことが倫理問題。特に顔認識AIと人種差別の繋がり。
第12章 AIと顔認識│誤認、偏見、監視を防ぐには
ICE(移民・関税執行局)へAI技術提供の是非。
第13章 AIと労働者│大量失業の時代は来るのか
AIによって失われる職もあるだろうけど多くの人にとっては有益だし、新たな雇用も生まれる。
AIの苦手なこと
・仲間とのコラボレーションのような対人関係を含むソフトスキル
・看護師、カウンセラー、教師、セラピスト
空想アドバイザー
「人間は、二年後の変化は過大評価し、十年後の変化は過小評価する」ビル・ゲイツ
古代ギリシャ人の幸福の定義
自らの力を行使して、制約のない人生を追求できること
第15章 オープンデータ革命│すべての人々に平等な未来を
オープンソース同様オープンデータを推進。(トランプは2016年選挙でデータ共有方式を活用した)
目が不自由な人の代わりに見えるものを読み上げるスマホアプリ、Seeing AIなど。
「ルビコン川を渡る」とは「重大な決断や行動をとることの例え」を意味することわざで、後戻りができなくなったり、生死を分けたりするよう大きな決断・行動に対して使用されるため、日常的にある小さな出来事へは使用されない。
目次
序文 ビル・ゲイツ
第2章 テクノロジーと治安│テロリストのメールは開示すべきか
第3章 テクノロジーとプライバシー│クラウド法とサイバー捜査
第4章 サイバーセキュリティ│ハッカー集団との戦い
第5章 民主主義を守れ│独裁政権による選挙妨害
第6章 ソーシャルメディア│自由ゆえの分断
第8章 消費者のプライバシー│フェイスブックを訴えた男
第9章 深刻化するデジタルデバイド│ブロードバンド空白地帯をなくせ
第10章 テクノロジーと人材│コンピュータサイエンスの教師が足りない
第11章 AIと倫理│現代の「ロボット工学三原則」
第12章 AIと顔認識│誤認、偏見、監視を防ぐには
第13章 AIと労働者│大量失業の時代は来るのか
第15章 オープンデータ革命│すべての人々に平等な未来を
日本語版あとがき コロナとの戦いがテクノロジーの力を加速する