テクノロジーの社会実装ではなく、テクノロジーが生み出す新しい社会、すなわち未来の実装
リバンドリング
バンドル化された状態→アンバンドリング化の進展→リバンドリング化の加速
https://www.hitachiconsulting.co.jp/column/dx/images/financial_02.png
日立グループが牽引する金融イノベーションFinTechが社会を、暮らしを変える 2
https://www.hitachiconsulting.co.jp/column/dx/02/index2.html
※P2Pレンティング
→インターネットを通じ資金の貸し手と借り手をマッチングする
インパクト思考
インパクト(理想)を設定し、理想と現状のギャップによって新たなイシュー(課題、問い)を生み出し、インパクトを提示することで人々を巻き込みながらそのイシューを解決していく。
・ロジカルシンキング、仮説思考、デザイン思考(問題解決)から、イシュー思考、アート思考(問いの立て方)が求められ、インパクト思考(良い問い)につながる。
・テクノロジーによって、業種がアンバンドリング、リバンドリングされる。全てにデジタル技術を前提とした業界構造が変化する。
・業法の改正が必要であり、政治との接点が出る。
・社会貢献と営利活動、規模が同時実現できる。
・インパクトと政治との関わりで、ソーシャルセクターのアプローチを逆輸入する。
「社会の形」も同時に変わっていかなければ、その技術のポテンシャルを活かすことはできない
成功する社会実装の四つの原則と一つの前提
①最終的なインパクトと、そこに至る道筋を示している
②想定されるリスクに対処している
③規則などのガバナンスを適切に変えている
④関係者のセンスメイキングを行なっている
+デマンドがある前提
アンチパータン
・SISP: Solution in search of a problem
→課題を探している解決策
・「単一」かつ「最新」の技術で解決できる問題を探しがち
■インパクト
理想がなければ、課題もない。理想に当たるのがインパクト
インパクトの重要性
・インパクトを設定することが変化のために必要な要素
→変革のモデル(デイビッド・グレイチャー)
D(Dissatisfaction:不満)×V(Vision:ビジョン)×F(First Step:最初の一歩) > R(Resistance to Change:変化への抵抗)
・長期的な成果に目を向けることで、短期的な費用便益のバランスの合わなさを補填できる
・関係者に目的を説明できる
・デマンドを醸成できる
ロジックモデル→目指すインパクトに辿り着く道筋=ロジックモデル
・インプット/リソース:投入する資源(資金、人材、知財、技術、文化等)
・アクティビティ:プロセスや事象、行動
・アウトプット/実装:製品やサービス等
・アウトカム:製品やサービスによる個人や環境の変化・効果
→アウトプットによって起こる望ましい変化
・インパクト:成果がもたらす社会的な変化や効果
インパクトの定め方
・公益性の高いインパクトを設定する
・インパクトを設定・運用する
FASTを利用する
F:Frequent→頻繁に議論する
A:Ambitious→大志
S:Specific→特定する
T:Transparent→透明性がある
※SMARTの法則もある
Specific(具体的な)
Measurable(測定可能な)
Achievable(達成可能な)
Realistic(現実的な)
Timely(期限がある)
・インパクトからバックキャスティングする
・ロジックモデルを共有して、コレクティブインパクトを目指す
-コレクティブインパクト
→様々なプレイヤーが共同して社会課題解決に取り組むための一つのスキームであり、共同の効果を最大化するための枠組み
-コレクティブインパクトの達成
・共通のアジェンダ
・評価システムの共有
・お互いに強化し合う活動
・継続的なコミュニケーション
・活動を支えるバックボーン組織
■リスク
R-Map(Risk Map:リスクマップ)
の大きさを表現する手法
https://www.juse.or.jp/reliability/introduction/02.html
ASARP:as soon as reasonably practicable
■ガバナンス
ガバナンス
関係者や関係するモノの相互作用を通して、法律(制度)や社会規範、市場、アーキテクチャを形成・変化させることで、効率・公正・安定的に社会や経済を治めようとするプロセス全般
ガバナンスイノベーション
・イノベーションのためのガバナンス
・イノベーションのガバナンス
・イノベーションによるガバナンス
GovTech
■センスメイキング→納得、腹落ち
①アイデンティティに関わる
②回顧的である
③有意味な環境をイナクト(制定)する
④社会的である
⑤進行中である
⑥手がかりが焦点となる
⑦正確性よりももっともらしさ
・正確性よりも当人にとってのもっともらしさが重要
・決して誰かが一方的に与えるものではなく、関係者と一緒に共同構築していく
→徐々にその方向を一致させていく意味付けのプロセス
解決策とテクノロジーのセンスメイキング:解決策の導入によるアウトカムから説明を始める
センスメイキングの効果的な手法
・ナラティブ
-行動変容を促す:ポジティブが有効
-現状維持を促す:ネガティブが有効
・フレーミングを変える
・言葉や概念を作る
・データを示す
・参加型の取り組み
・共同での作成
・プロトタイプを作って世に出す
・小さな成果から初めて好循環を引き出す
・オーバーコミュニケーションを行う
■社会実装のツーキット
・変化経路図
ロジックモデルを作る前に、まず変化経路図を描いて全体を把握し、変化経路図をもとに、自分たちが実行可能で、かつ有効な施策を選んで、ロジックモデルを構成する。
セオリー・オブ・チェンジ
https://impact-management-lab.org/docs/a06/b20/c25/
社会的インパクト評価の普及促進に係る調査 最終報告書
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/h28-social-impact-sokushin-chousa-01.pdf
・アウトカムの測定と評価
SDGs指標、IRIS+、新富国論指標を用いて、社会的インパクトを測定する。
・課題分析と因果ループ図
適切なアウトカムを選択するために課題分析を行う。
・現場に出て仮説をぶつける
・システム全体を理解してレバレッジポイントを見つける。
・課題の適切なフレーミングを行う。
・解決策の実現可能性を考える。
・解決策の二次影響を考える。
現在のシステムの在り方を描写したり、最もレバレッジの効く介入点を見つけるためにシステムマップを利用する。システムマップの一種に、時系列変化をとらえてる図や因果関係を示す因果ループ図、ステークホルダーの関係を示す図、ストックとフローの関係を描いた図がある。
・アクティビティシステムマップ
アクティビティ同士の親和性を整理する際には、ポーターのアクティビティシステムマップが利用できる。
・リスクと倫理への対応方法
リスクコミュニケーションをはじめとした、リスク対応のためのツール
・パワーマップ
ガバナンスを変えていくために、ステークホルダーの力関係を整理する
-パワーマップを描く
→パワーマップはパワー(力、権力)についてのマップであり、公式から非公式な関係者の力を持つ人たち全体の関係性を図にする。
-ステークホルダーを洗い出して、それぞれの利益を整理する。
-キーパーソンの理解と巻き込み
・規制の変更
-規制の確認を行う
-実験環境を利用する
-法律の変え方を理解する
・ソフトローと共同規制
ハードローは法律、ソフトローは法的な強制力がないにもかかわらず、現実の社会において人々の行動を規定しているような、様々な規範。
共同規制
ハードローを直接規制、ソフトローを自主規制とした場合、共同規制はこの中間にあたる。ソフトローや共同規制をうまく使うことで、法で規制しない、柔軟性のある規制ができる。
・業界団体
業界団体によって自主的にガバナンスを作り上げる
・アドボカシー活動とパブリックアフェアーズ
アドボカシー活動
→社会の課題を解決するために、政治を動かすための提言をする。
パブリックアフェアーズ
→社会全体にイシューレイジングをしていく手法
→企業など民間団体が政府や世論に対して行う、社会の機運醸成やルール形成のための働きかけ
<目次>
第1章 総論~テクノロジーで未来を実装する
第2章 社会実相とは何か
第3章 成功する社会実装 4つの原則
第4章 インパクト~理想と道筋を示す
第5章 リスク~不確実性を飼いならす
第6章 ガバナンス~秩序を作る
第7章 センスメイキング~納得感を醸成する
附章 社会実装のツールセット