ツイスター理論とひも理論が結びついた超ひも理論というのがあるらしい。
「ワープする宇宙」のリサはツイスター理論に触れていなかったと思う。
初期宇宙を理解するには宇宙レベルを説明する一般相対理論と素粒子レベルを説明する量子場の理論が必要。
特殊相対論的量子力学もあるが、量子重力理論を試みている。
量子重力によって、初期宇宙、ブラックホール、意識が理解できるようになる。
ツイスター理論
twistor(複素数の値を持つ座標)であってtwister(竜巻)ではない。
論理(logic)は「筋道がとおっていること」、理論(theory)は「うまくやる方法」
ゲーデルの不完全性定理は、論理ではなく、理論についての定理である。
理論の不完全性と計算不可能性はほぼ同義語であり、ゲーデルが証明したことは世の中にはスパコンでも計算できないことがある、ということ。ペンローズによれば、人間の脳は計算機以上の何かであり、人間の意識は計算不可能である。
ゲーデルが証明したのは、世の中に完全な数学理論は存在しないということ
ペンローズ・タイルの計算不可能性
いくつかの多角形の図形が与えられたとき、そのピースを用いて平面が充填できるかどうか(タイル問題)を決定する計算アルゴリズムは存在しない。
コラム 心の影 要約
人間の知性には、計算不可能な要素がある。
この要素を理解するためには、新しい物理学が必要。
意識の作用は、量子重力的な効果、すなわち波動関数の自己収縮と関連している。
具体的にはニューロンにあるマイクロチューブルが量子重力的効果による波動関数の自己収縮の起こる場所だ。
ペンローズ世界を理解するためのキーワード
・健全と完全
・無矛盾性
・Π-文
・ゲーデル文
・真偽値
・対角線の方法
・プラトン主義
・積み上げ方式
・状態の収縮
「意識はマイクロチューブルにおける波動関数の収縮として起こる」
部分の寄せ集めではなく、一種の大局的な能力で、おかれている全体の状況を瞬時にして考慮することができる。だから、意識が量子力学と関係する。量子力学でも、意識に似たような状態がある
意識とは
「客観的な波動関数の収縮」(objective reduction)=OR
マイクロチューブルは、「チュープリン」(tubulin)と呼ばれる蛋白質のサブユニットから構成されている。
量子力学的な重ね合わせ状態が、チュープリンの中で出現し、そのままコヒーレントな状態(波動関数の位相がそろった状態)に保たれる。そして、ある質量―時間―エネルギーのしきい値(このしきい値は、量子重力理論で与えられる)に達するまで、他のチューブリンの波動関数を次々と巻き込んでいく。
こうしたプロセスの結果システムがしきい値に到達したときに、瞬間的に、波動関数の自己収縮、すなわち、「OR」が起こる。
波動関数の収縮が起こる前のコヒーレントな重ね合わせの状態(すなわち、量子力学的な計算が行われている状態)を、「前意識的プロセス」と見なし、瞬間的に起こる(そして、非計算論的な)波動関数の収縮を、「一つの離散的な意識的イベント」と見なす。このような「OR」が次々と起こることによって、「意識の流れ」(stream of consciousness)が生ずる。
結果として生ずる波動関数の自己収縮、すなわち「OR」が、時間的に不可逆なプロセスとして起こる。これが、意識における心理学的な「今」を決定する現象なのである。このような「OR」が次々と起こることによって、時間の流れと意識の流れが作り出される。
「Orch OR」による意識のモデルの要約
意識はニューロンを単位として生じてくるのではなく、微小管と呼ばれる量子過程が起こりやすい構造から生じる。
線虫であるということはどんな感じがするか
「Orch OR」のモデルは、10^9個のチューブリンの間で500ミリ秒の間量子的にコヒーレントな状態を維持できる生物体は意識的な経験を持つ可能性がある。
線虫は10^9個のチューブリンを持っているので、うすぼやけた「現在」があって、すぐに「次の瞬間」へと経てしまう。
すべては数学で書くことができる。
人工知能批判→人間の知性には遠く及ばない
コンビューターには、計算可能なプロセスしか実行できない
意識は、計算不可能なプロセスが実行できる
したがって、意識は、コンビューター以上のことができる
→人間の知性は意味の理解なしでは成立しない。
→意識は非計算的な要素を含んでいる。
チューリング機械は計算不可能なことはできない。
→あらゆる自然数の組(n,m)に対して、 Tnにmを入力した場合にそれが停止するかどうか決めるアルゴリス無は存在しない。
ペンローズへの巡礼