akon2.00βのよっぱらいの戯言

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意識をめぐる冒険

意識をめぐる冒険

ある経験をしたときの「感じ」が。その経験のクオリアだ。

ミラーテスト→18か月に満たない赤ん坊は、鏡に映る自分を認識することができない。

 脳には有名人に反応するニューロン

大脳皮質を二つに割っても意識は半分に減るわけではない

皮質のある部分が損なわれると世界から色が消える。

脳幹や視床組織がわずかに損なわれるだけで意識が永久に失われる

脳へのインプットに最初に反応するニューロンの発火回数は非常に多いが、「概念」を司どるニューロンの発火は非常に稀である。これは情報理論の表現では「スパース(まばらな)・コーディング」と呼ばれている

 自由意識は錯覚である。

リベットの実験→脳は意識が決める前から、腕を動かす決定を下していた

→自由意志のクオリアの一部である自己主体感

選択盲


ワインはただの無機的な液体に過ぎないのに、
ちょっと一口喉を通ると、味わい深い意識が生じてくる。

 

プリューターク英雄伝

プリューターク英雄伝 (講談社文芸文庫)

プリューターク対比列伝の河野与一訳プルターク英雄伝(プルタークプルタルコスの英語名)は、昭和初期の訳なので読みにくいので、全訳ではなく編集されているが現代仮名遣いなのでこちらを読んだ。
全訳ではないので以下しか取り上げられていない。
大王アレキサンダー
英傑シーザー
高士ブルータス
哲人プラトン
智謀テミストクレス
怪傑アルキビアデス
義人ペロピダス
雄弁デモステネス
大豪ハンニバル
賢者シセロ

新年の抱負

還暦へのカウントダウン(むっちゃんがいうところのみかん色)がいよいよ赤くなってきました。昨年は、ボルドー5大シャトー(セカンド)をプリムールで仕込んだので、

還暦にあけようかと思っています。昨年、果たせなかったよっぱらいセコガニは今年こそ。

 

七賢古酒

ソノマ五大白ワイン

パソロブスツアー

オーボンクリマ飲み比べ

北陸香箱蟹食べ比べ

よっぱらいセコガニ

2019七味五悦三会、七味の部

まだまだ除夜の鐘まで時間がありますが七味の部を。

懸案であった鴨は解決でき、あと銀宝。

そして、新たによっぱらいセコガニという課題が。

一方、田澤亭の開店によりワインの持ち込める店も増加。

 

 

今年の国内での新たな出会い

コウジイガラシ

・室 石田屋、二左衛門牡丹鍋香箱蟹の金沢おでん

・ドミナス

諸菜匠 鴨のお狩場焼

ラ・サンテ ホワイトアスパラの塩釜焼きとミルクラム

・兎田ワイナリー イチローモルトのピーテッド樽熟成ワイン

藤十郎 うにおに

正泰苑がもれていた

 

活カレーは、ヴェヌスのチキンカレー食べ比べはなかなかでした。

ネパール料理の街大久保も、僕の中ではすっかりカレーの街となりました。

衝撃的だったのは、押上と五反田でした。

とはいえ、通ったのは大師前だったりします。

 

ここにあげましたところ以外にもいろいろお付き合いいただきまして感謝しております。来年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

第一章 脳は私のことをホントに理解しているのか

意識は私の全部じゃない

医学部では脳の研究、理学部では脳の探求、脳の心理的な側面は文学部、人工知能は工学部、薬学部では脳のための薬を作る。

・理系の人は人差し指が短い。

男性ホルモンの影響で、男性は薬指よりも人差し指が短い。

理系は男性の方が多い。

つまり、「理系の人は人差し指が短い」というデータがでてしまった。

たまに逆の人がいるが、LGBTの可能性がある。

・天然パーマはIQが低い

アフリカ大陸のいくつかの国では、政治的、経済的、文化的、環境的に恵まれていない国があり、十分に教育が受けられない人がいるから。

ゲシュタルト群化原理

脳波全体をひとまとめに認識する。

・人の顔など半分しか見ていない

言語は左脳がつかさどり、映像は右脳がつかさどる。

脳が支配する体側は左右交錯するので、左側の視界でみたものは交差して右脳に届く。

つまり、映像は右脳がつかさどるので、左側の視界でみたもので、みたものを判断している。

・変化盲

脳は「変化したことに気づかない」。したがって、髪型が変わったことに気づかない。

・単純接触現象

長時間接しているほど好きになる。

・つり橋の上の告白は成功率が高い

つり橋の上は高所にあり緊張する。このドキドキを脳は「ときめている」と勘違いする。

・好きな人を振り向かせたければ、「何かを手伝わせる」

脳は感情と行動の矛盾を解決させたいので、「好きでもないのに手伝っている」という矛盾を解決するために好きになってしまう。

身近な「まあまあ良い人」を選んで妥協しないといけないが、納得できないので、「この人でいいんだ」と無理やり納得するために脳には「恋愛」という機能がある。恋愛はテグメンタ(脳の腹側被蓋野)を活性化する(快感が生まれる)ので、「この人が好きだ」という奇妙な妄想が生まれる。

 

「私の気持ちはこうだ」と本人が思っていることは、案外とあてにならなくて、むしろ脳は無意識が支配的だから、「本当は自分で考えるぼとの自由はない」。「意識は単なるる脳の奴隷」「私が決断した行動さえも本当は別のところに真の理由があるかもしれない」

 

基底核

大脳基底核に属する「淡蒼球」をここでは、基底核と呼ぶ。基底核は「やる気」や「モチベーション」に関与する。基底核は「直感」を生む場所。

・直感とひらめきは異なる。

ひらめきは思いついたのちに理由が言える。

直感は自分でも理由がわからない。

・ひらめきは寝て待て

睡眠は脳の休息時間ではなく、情報の整理や保管のための活動で、この際にひらめきがうまれることがある。

・ブーバ・キキ試験

図形の意味が分からなく読み方はなんとなくわかる。これが直感。直感は訓練したことにしか働かない。

・ノンヴァーバル・コミュニケーション(言葉を使わない会話)

女性は、ちょっとした仕草や態度や表情に、メッセージを込めたり、読み取ったりする能力にたけている。

・パターン・コンプリーション

部分から全体を類推する

 

・「好み」は操作される

正しいか間違っているかという基準は、どれだけそれに慣れているかという基準

「正しさ」は、記憶のしやすさに規定される。

「正しい」は「好き」の言い換えに過ぎない

「何度も見かけたら好きになる」

「周囲の状況を引き込みつつ、好きになったり嫌いになったりする」

 

第二章 脳は空から心を眺めている

人間らしさは、人間社会で育って生まれてくる後天的なもの

他人の心が理解できる。

→相手の痛みを理解する「共感」は、痛みを感じる脳回路を転用することで生まれた。

脳は幽体離脱を生み出すための回路を用意している。

→他人の視点に立って、自分を客観視することができる。

 

進化の過程で他者の存在を意識できるようになり、

他者の仕草や表情を観察することによって、その行動の根拠や理由を推測することができるようになり、他者の心の理解や社会性行動の種になった。

この他者の存在を意識できる機能を自分自身に使って自分の仕草や表情を観察できるようになって、自分の行動の根拠や理由を推測することができるようになった。

 

無から新しい機能を生み出すのは大変なので、生物は祖先の生命機能を使いまわすことで進化してきた。

このため脳内から自分自身にアクセスするのではなく、他者の存在を意識する機能を使って自分自身に心があることを知ることができた。

これが幽体離脱機能。

 

目では、ロドプシンという受容体によって光を電気に変えている。

光を感受する細胞は常にチャネルを開いていて光が入ってくるとチャネルを閉じる。

そして、目を閉じているときに、この細胞は最も活動していて、目を開くと活動が停止する。その電気信号の変化が情報となって脳に届く。

ところで、光を感じる受容体はひとによって持っているタイプが血液型のように異なる遺伝多型である。つまり、ひとによって感じる色が異なる。

味の受容体も同様に遺伝多型で、受容体のセットによってニューロンの反応性が異なるので、同じものを食べてもひとによって感じる味が違う

嗅覚も遺伝多型であるため、ひとによって同じ匂いでも、いい香り、無臭、臭いにわかれる。

 

 

進化しすぎた脳

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

 

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)を読んでいたら面白かったので、前作の本書から読むことにした。

 ニューラル・プロステティクス(神経補綴学)→体の代わりになる機会を神経を通じて操作する手法

脳の地図は、脳が決めるのではなく体が決めている。つまり、体の部位が変化すれば、それにつれて、脳の地図も変化する。脳が乗る体の構造と環境が重要である。

視神経は視床だけでなく、上丘にも情報が送られている。上丘は処理の仕方が原始的で単純なので、判断が速くて正確。このため、目に見えていないのに、見えているかのように振る舞うことができる。これを盲視という。

 

 感情を意識的に変えられない。

生々しい感覚をクオリアといい、クオリアは表現を選択できない。

 

 意識の条件

1.表現を選択できる→言葉は意識の典型。言葉はいろいろな表現を選択できる。

2.短い時間、情報を胸にしまっておくための「短期記憶」が必要

3.選択の根拠を持っている。→その根拠というのは、「現在の状態」や「過去の記憶」に存在する。いわゆる可塑性。

記憶は正確ではだめで、あいまいでなければいけない。気沖が完璧だと完全一致以外では同一性を判断ではなくなる。

神経細胞は培養で、2年くらい生き、シャーレのなかでその独自な活動をする。

人体にある60兆の細胞は2~3か月ですべて入れ替わる。

自分の心、脳が入れ替わらないように、神経細胞は増殖しない。

人類は体ではなく、環境を進化させている。

人類は進化のプロセスを進化させることで進化しょうとしている。

 

目次
第一章
人間は脳の力を使いこなせていない
1-1 講義をはじめる前に
1-2 みんなの脳に対するイメージを知りたい
1-3 心と脳の関係を人間はどう考えてきたんだろう
1-4 ネズミをラジコンにしてしまった?
1-5 脳にはできてコンピュータにはできないこと
1-6 脳は表面積を増やすためにシワをつくつた
1-7 イルカは本当に頭がいい?
1-8 哺乳類の大脳皮質は6層構造
1-9 脳は場所によって役割が違う
1-10 目で見たものを見えたと感じるためには?
1-11 WHATの回路、HOWの回路
1-12 「いつでも同じ場所に腕を移動させる神経細胞
1-13 ラジコン・ネズミの〈報酬系
1-14 それでも「自分」なのだろうか?
1-15 念力の科学
   ---ニューラル・プロステティクス
1-16 目に見える形になった意志
1-17 視覚と聴覚のつなぎ替え?
1-18 脳の地図はダイナミックに進化する
1-19 進化しすぎた脳
1-20 運動神経と引き換えに、知能を発達させた
1-21 心はどこにあるのだろうか
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第二章
人間は脳の解釈から逃れられない
2-1 「心」とはなんだろう?
2-2 意識と無意識の境目にあるのは?
2-3 前頭葉はどうやって心を生んでいるのか
2-4 立体は片目でも感じられる
2-5 なぜ長さが違って見えるのだろう?
2-6 風景がギザギザに見えないわけ
2-7 世界は脳のなかでつくられる
2-8 脳の時間はコマ送り
2-9 「いま」は常に過去
2-10 目ができたから、世界ができた
2-11 視神経は半分だけ交叉している
2-12 目が見えなくても「見えている」
2-13 「見る」ことは無意識
2-14 表現を選択できること、それが意識
2-15 「クオリア」は表現を選択できない
2-16 言葉は意識の典型
2-17 表情のパターンは世界共通
2-18 人間は言葉の奴隷
2-19 「ウエルニッケ失語症
2-20 「ミラー・ニューロン」の驚き
2-21 ミツバチの「8の字ダンス」
2-22 無意識に口にすること
2-23 自由意志と脳の指令
2-24 「悲しいから涙が出る」んじゃない
2-25 「恐怖」の感情がなくなったら
2-26 扁桃体は大脳皮質のコーチ
2-27 脳の構造は先天的か後天的か
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第三章
人間はあいまいな記憶しかもてない
3-1 「あいまい」な記憶が役に立つ!?
3-2 なかなか覚えられない脳
3-3 言葉によって生み出された幽霊
3-4 記憶の「あいまいさ」はどこから生まれる?
3-5 神経細胞に電気が流れる!?
3-6 神経細胞は増殖してはいけない
3-7 暗記そのものは生命の目的にはなりえない
3-8 細胞は内側がマイナス、外側がプラス
3-9 神経の信号の実体は「ナトリウムイオンの波」
3-10 神経細胞神経細胞のすき間
3-11 シナプス神経伝達物質を次の細胞に放出する
3-12 シナプスこそが脳のあやふやさの原因だった
3-13 ナトリウムイオンはアクセル、塩素イオンはブレーキ
3-14 神経細胞は出口と入口を持っている
3-15 「脳がいかにあいまいであるか」のミクロな理由
3-16 分解したら「わかった」と言えるのだろうか
3-17 全体として秩序が起こること
   ---自己組織化
3-18 しびれるくらい美しいメカニズム
   ---「ヘブの法則」
3-19 ミクロがマクロを決定する
3-20 神経の活動はランダムではない

第四章
人間は進化のプロセスを進化させる
4-1 神経細胞の結びつきを決めるプログラム
4-2 ウサギのように跳ねるネズミ
4-3 情報のループを描く脳---反回性回路
4-4 脳の情報処理には上限がある
   --100ステップ問題
4-5 神経に直接効(き)く薬
4-6 薬は「科学のツール」だった
4-7 アルツハイマー病は神経の病気
4-8 老人斑(はん)に猛毒β(ベータ)アミロイドを発見
4-9 βアミロイドはどこから生まれる?
4-10 プレセニリンがβアミロイドを生み出している
4-11 βアミロイドがシナプスに攻撃をしかけている?
4-12 神経伝達物質を回収して伝達の効率を悪くする
4-13 アルツハイマー病の治療法を見つけたい
4-14 毒をもって毒を制す
4-15 アセチルコリンを壊すハサミを抑制する
4-16 「裁きの豆」
4-17 人間は「体」ではなく「環境」を進化させている
4-18 改造人間
4-19 いままでの講義をまとめてみよう
4-20 ヒトの脳は〈柔軟性〉を生むために発達した
4-21 ドリアンや納豆を最初に食べた人間はすばらしい
4-22 人間の脳がそんな簡単にわかってたまるか

付論 行列をつかった記憶のシミュレーション-

 

フューチャー・オブ・マインド

フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する

詭弁とも言えなくはないがテレパシーとか念力とかの可能性を示唆している。

hapticsもでてくる。

 

テレパシー

脳は電気的な機関で、電子を加速すれば電磁波が放射される。

同じことが脳内を行き来する電子にもいえ、

それは電場を発している。

これは脳波センサーでキャッチできる。

つまり、テレパシーは脳波センサーで可能だ。

 

念力

チップからの神経シグナルから現実世界の物を動かす。

 

 

人工的な記憶

感情情報(視覚、触覚、味覚など)はまず脳幹を通って視床に達する。

視床は中継局の役割を果たし、そこからシグナルは各種感覚の脳葉へと導かれ、分析される。

処理された情報は前頭葉皮質へ届き、そこで意識となり、数秒から数分の幅を持つ短期記憶を形成する。

記憶長期保存するためには、情報をさらに海馬に送り、記憶をさまざまなカテゴリーに分解する。

たとえば、感情の記憶は扁桃核、言葉は側頭葉、視覚情報は後頭葉、触覚や運動の感覚は頭頂葉に保存される。

ひとつの記憶、たとえば、公園の散歩のさらに一つの要素、刈りたての芝生の匂いを

ばらばらに記憶された欠片から結び付けてくる。これを結び付け問題という。

脳全体にわたる40ヘルツの電磁振動があり、ある周波数で振動する、脳内で離れた部位に保存されていた記憶のかけらが刺激される。

この現象を使って人工海馬が開発されている。

また。たとえば、後頭葉に保存された視覚情報は、以下V1からV8の領域に保存されている。

V1では、元のイメージに似た形のパターンを作っている。

V2では、立体視。左右の眼に入るイメージを比較する。

V3では、距離。両眼から得られる影などの情報を利用して、対象までの距離を見積る。

V4では、色。

V5では、運動。直線、らせん、拡張など、運動の種類ごとに異なるカイロでとらえる。


スマートマウスは記憶がありすぎることで、失敗も苦痛も忘れられないので、臆病である。

 

CREBリプレッサー遺伝子を一つ余分に持つショウジョウバエは長期記憶を持たなかったが

CREBアクチベーター遺伝子一つ余分に持つショウジョウバエは長期記憶を持っていた。

 

記憶が感情と強く結びつくと、CREBリプレッサーを取り除くか、

CREBアクチベーターの量を増やす。

 

無害なウィルスを使って細胞を「良い」遺伝子に感染させても、

身体は抗体を送り込んで侵略者を攻撃し、治療をだめにする。

 

頭が良くなる薬

長期記憶が酵素と遺伝子の相互作用によって可能になる。

学習がなされると、CREB遺伝子などの特定の遺伝子が活性化され、

それに対応するタンパク質を放出する結果、なんらかの神経経路が強化される。

脳内をめぐるCREBタンパク質が多いほど、長期記憶が早く形成される。

 

記憶を消す

長期記憶にダメージを受けた場合でも、新しい記憶は形成できる。

海馬にダメージを受けると短期記憶がダメージを受ける。

 

忘れさせる薬

アドレナリンは長期記憶を形成しているので、

プロプラノロールによってアドレナリンを吸収することによって記憶は薄れていく。

 

天才の脳

アインシュタインの脳は、普通の人よりやや小さく、小さな差異しかなかった。

アインシュタイン

・ほとんどの時間を思考実験していた。つまり、未来を考えていた。

・ひとつの思考実験に長ければ10年以上かけていた。

・自由奔放な人間だった

 

人間の意思には、目標を成し遂げるために、世界モデルを構築してから、

それをもとに未来をシミュレーションする能力がある。

 

サヴァンは超天才か。「左脳の損傷、右脳による埋め合わせ」

アスペルガー症候群などの軽い自閉症のひとは、知的集中力を必要とする分野に向いている。

脳の左半球に損傷が生じると、右半球が優位になりだす。

たとえば、右脳は左脳よりも芸術性が豊かだが、通常は左脳がこの才能を圧制している。

左脳がなんらかの形で損傷すると右脳に潜んでいた芸術的才能が解き放たれる。

左脳の一部を働かなくして、右脳の活動を高め、サヴァンの能力が獲得できる。

つまり、TMS(経頭蓋時期刺激)を使って、左前側頭皮質と左眼前頭皮質を働かなくするとサヴァンになる。

 

夢の改ざん

MRIで夢の大まかな写真やビデオが撮れる。

動物から夢を奪うと、食べ物を奪うより早く死ぬ。

 

脳波をスキャンすると、目覚めている間は定常的な電磁波を発しているが、

眠りにつくと、脳波シグナルの周波数が変わりだす。

夢を見る段階になると、脳幹から出て勢いよく上昇する電気エネルギーの波が、

脳の皮質領域、とくに視覚皮質に入り込む。

夢見の状態に入ると、脳波はレム睡眠に特徴的なパターンを示す。

夢を見て脳の視覚皮質が活動している間、嗅覚、味覚、触覚にかかわるほかの領域はおおむね活動を停止している。

身体が処理するすべてのイメージと感覚は、脳幹が発する電磁振動をもとに自分から生み出したものであって、

外部からの刺激によるものではない。

また、夢を見ているとき、麻酔状態にある。

これは夢の中の行動を実際におこなわないためです。

そして、6%のひとは夢から覚めてもまだ麻痺が続く、睡眠麻痺、俗にいう金縛りに悩まされる。

 

 

薬物が脳を変える仕組み

薬物は快楽中枢に向かう神経伝達物質(ドーパミンセロトニンノルアドレナリン)の

流れをコントロールするVTA側坐核の回路をだめにする。

コカインなどの興奮剤は、VTA細胞を直接刺激してより多くのドーパミンを産出させ、

側坐核に過度なドーパミンをなだれ込ませる。さらに、VTA細胞が「オフ」の状態に戻るのを妨げ、

ドーパミンをずっと作らせ続ける。このような薬物は、セロトニンノルアドレナリンの脳細胞への再取り込みも阻害する。そうして、この三つの神経伝達物質が同時に神経回路にあふれることで、恍惚感を生み出す。

ヘロインなどの鎮静剤は、ドーパミンの産出を抑えられるVTA内の細胞を無力化し、

その結果VTAドーパミンを過剰産出させる。

LSDのような薬物は、セロトニンの産出を促すことによって作用し、幸福感を高める。

しかし、同時に幻覚の生成にかかわる側頭葉の領域も活性化する。

 

MRIのスキャンデータによると、睡眠術をかけられているあいだ、被験者の感覚皮質は外部からの感覚刺激をほとんど受けていない。

 

光遺伝子で脳が調べられる。

オプシン遺伝子をニューロンに挿入して光を当てると、ニューロンは光の指令に応じて活性化する。

スイッチが入ると、オプシン遺伝子の作り出したたんぱく質がイオンを通してニューロンが活性化するため、

これを利用して特定の行動に関する神経経路がわかる。

 

ジャンヌ・ダルク側頭葉癇癪を患わっていた。

「もし私が恩寵を受けていないならば、神がそれを与えて下さいますように。もし私が恩寵を受けているならば、神がいつまでも私をそのままの状態にして下さいますように。もし神の恩寵を受けていないとわかったなら、私はこの世でもっともあわれな人間でしょうから。」

側頭葉癇癪の患者は宗教性過剰を示し、どんなものの背後にも霊がいるように思えてならない。

 

幻覚

幻覚はある程度自由に生み出せる。

だれかを真っ暗な部屋や隔離したスペース、気味の悪い環境に置いて異様な音を聞かせたら、幻覚は生じる。

「パレイドリア効果」という、脳は自らを騙し、偽りのイメージを脳内に生み出して、世界を理解しようとしたり、危険を見つけ出そうとする。

われわれが目にするイメージは実存の物であれ、バーチャルなものであれ、

脳が「ギャップを埋める」ために、つねに偽りのイメージを作り続けている幻覚である。