akon2.00βのよっぱらいの戯言

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進化しすぎた脳

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

 

単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)を読んでいたら面白かったので、前作の本書から読むことにした。

 ニューラル・プロステティクス(神経補綴学)→体の代わりになる機会を神経を通じて操作する手法

脳の地図は、脳が決めるのではなく体が決めている。つまり、体の部位が変化すれば、それにつれて、脳の地図も変化する。脳が乗る体の構造と環境が重要である。

視神経は視床だけでなく、上丘にも情報が送られている。上丘は処理の仕方が原始的で単純なので、判断が速くて正確。このため、目に見えていないのに、見えているかのように振る舞うことができる。これを盲視という。

 

 感情を意識的に変えられない。

生々しい感覚をクオリアといい、クオリアは表現を選択できない。

 

 意識の条件

1.表現を選択できる→言葉は意識の典型。言葉はいろいろな表現を選択できる。

2.短い時間、情報を胸にしまっておくための「短期記憶」が必要

3.選択の根拠を持っている。→その根拠というのは、「現在の状態」や「過去の記憶」に存在する。いわゆる可塑性。

記憶は正確ではだめで、あいまいでなければいけない。気沖が完璧だと完全一致以外では同一性を判断ではなくなる。

神経細胞は培養で、2年くらい生き、シャーレのなかでその独自な活動をする。

人体にある60兆の細胞は2~3か月ですべて入れ替わる。

自分の心、脳が入れ替わらないように、神経細胞は増殖しない。

人類は体ではなく、環境を進化させている。

人類は進化のプロセスを進化させることで進化しょうとしている。

 

目次
第一章
人間は脳の力を使いこなせていない
1-1 講義をはじめる前に
1-2 みんなの脳に対するイメージを知りたい
1-3 心と脳の関係を人間はどう考えてきたんだろう
1-4 ネズミをラジコンにしてしまった?
1-5 脳にはできてコンピュータにはできないこと
1-6 脳は表面積を増やすためにシワをつくつた
1-7 イルカは本当に頭がいい?
1-8 哺乳類の大脳皮質は6層構造
1-9 脳は場所によって役割が違う
1-10 目で見たものを見えたと感じるためには?
1-11 WHATの回路、HOWの回路
1-12 「いつでも同じ場所に腕を移動させる神経細胞
1-13 ラジコン・ネズミの〈報酬系
1-14 それでも「自分」なのだろうか?
1-15 念力の科学
   ---ニューラル・プロステティクス
1-16 目に見える形になった意志
1-17 視覚と聴覚のつなぎ替え?
1-18 脳の地図はダイナミックに進化する
1-19 進化しすぎた脳
1-20 運動神経と引き換えに、知能を発達させた
1-21 心はどこにあるのだろうか
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第二章
人間は脳の解釈から逃れられない
2-1 「心」とはなんだろう?
2-2 意識と無意識の境目にあるのは?
2-3 前頭葉はどうやって心を生んでいるのか
2-4 立体は片目でも感じられる
2-5 なぜ長さが違って見えるのだろう?
2-6 風景がギザギザに見えないわけ
2-7 世界は脳のなかでつくられる
2-8 脳の時間はコマ送り
2-9 「いま」は常に過去
2-10 目ができたから、世界ができた
2-11 視神経は半分だけ交叉している
2-12 目が見えなくても「見えている」
2-13 「見る」ことは無意識
2-14 表現を選択できること、それが意識
2-15 「クオリア」は表現を選択できない
2-16 言葉は意識の典型
2-17 表情のパターンは世界共通
2-18 人間は言葉の奴隷
2-19 「ウエルニッケ失語症
2-20 「ミラー・ニューロン」の驚き
2-21 ミツバチの「8の字ダンス」
2-22 無意識に口にすること
2-23 自由意志と脳の指令
2-24 「悲しいから涙が出る」んじゃない
2-25 「恐怖」の感情がなくなったら
2-26 扁桃体は大脳皮質のコーチ
2-27 脳の構造は先天的か後天的か
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第三章
人間はあいまいな記憶しかもてない
3-1 「あいまい」な記憶が役に立つ!?
3-2 なかなか覚えられない脳
3-3 言葉によって生み出された幽霊
3-4 記憶の「あいまいさ」はどこから生まれる?
3-5 神経細胞に電気が流れる!?
3-6 神経細胞は増殖してはいけない
3-7 暗記そのものは生命の目的にはなりえない
3-8 細胞は内側がマイナス、外側がプラス
3-9 神経の信号の実体は「ナトリウムイオンの波」
3-10 神経細胞神経細胞のすき間
3-11 シナプス神経伝達物質を次の細胞に放出する
3-12 シナプスこそが脳のあやふやさの原因だった
3-13 ナトリウムイオンはアクセル、塩素イオンはブレーキ
3-14 神経細胞は出口と入口を持っている
3-15 「脳がいかにあいまいであるか」のミクロな理由
3-16 分解したら「わかった」と言えるのだろうか
3-17 全体として秩序が起こること
   ---自己組織化
3-18 しびれるくらい美しいメカニズム
   ---「ヘブの法則」
3-19 ミクロがマクロを決定する
3-20 神経の活動はランダムではない

第四章
人間は進化のプロセスを進化させる
4-1 神経細胞の結びつきを決めるプログラム
4-2 ウサギのように跳ねるネズミ
4-3 情報のループを描く脳---反回性回路
4-4 脳の情報処理には上限がある
   --100ステップ問題
4-5 神経に直接効(き)く薬
4-6 薬は「科学のツール」だった
4-7 アルツハイマー病は神経の病気
4-8 老人斑(はん)に猛毒β(ベータ)アミロイドを発見
4-9 βアミロイドはどこから生まれる?
4-10 プレセニリンがβアミロイドを生み出している
4-11 βアミロイドがシナプスに攻撃をしかけている?
4-12 神経伝達物質を回収して伝達の効率を悪くする
4-13 アルツハイマー病の治療法を見つけたい
4-14 毒をもって毒を制す
4-15 アセチルコリンを壊すハサミを抑制する
4-16 「裁きの豆」
4-17 人間は「体」ではなく「環境」を進化させている
4-18 改造人間
4-19 いままでの講義をまとめてみよう
4-20 ヒトの脳は〈柔軟性〉を生むために発達した
4-21 ドリアンや納豆を最初に食べた人間はすばらしい
4-22 人間の脳がそんな簡単にわかってたまるか

付論 行列をつかった記憶のシミュレーション-