そもそも、ITSS自体がいけていない、という説もあるでしょうが、専門分野がインダストリとビジネスファンクションに変更されたことがあまり知られていないようですが(そもそも、ITSS自体が知られていない、という説もあるでしょうが)、改悪です。
インダストリコンサルタント
各インダストリ(例えば産業・金融・公共)固有なスペシャリティ(全体構想、顧客マネジメント、サプライチェーンマネジメント、業種特定サービス/業務/制度)の知見
ビジネスファンクションコンサルタント インダストリに共通した業務(例えば会計、人事、設備管理、IT ガバナンス)の知見<<
なにがいけていないってITコンサルタントではなく、単にコンサルタントであることですが、これはITSSなので、ITコンサルタントを指していると思うことにしましょう。各インダストリ固有なスペシャリティ
って、なんでしょうね。まず、クロスインダスリはだれがコンサルしてくれるんだという疑問。たとえば、流行でいえば、物流と金融の統合ね。
つぎに、この「インダストリ」の例示。ひとくちに金融といっても、消費者金融と都市銀行、さらには証券は違うと思っています。さらにいえば、鉄鋼は産業に入ると思いますが、必要な知見は電炉と高炉では違うし、厚板とか薄板といった鋼材によっても違う。このように細分化しないと意味がないと思いますが、そうなるとインダストリとは呼べない。しかも、鉄鋼インダストリのコンサルが成立したとしても、自動車なり缶なりの他のインダストリの知見もないとコンサルはできないわけですよ。
そのうえに、「固有なスペシャリティ」って、たとえばSCMについて教科書的には固有でしょうが、実質各社異なるわけで、つまり、教科書的な知見があればコンサルできるということなのかな。ある会社は有能なSCMスペシャリストであっても、SCMコンサルではないと思います。もっともSCM自体を考えた方はコンサルであり、私的にビジネスコンサルだと識別しています。ちなみに、SCMを実務に展開すること自体がコンサルではないとはいいません。SCMという「固有なスペシャリティ」を持ちつつ、横展開できるところが「スペシャリティ」だと考えます。
このような方たちがいるから、システム屋は通り一遍の業務知識でシステムが開発できるのです。
そして、インダストリに共通した業務
ってなんでしょうかね。外資とは国内の企業では違うし、会計といっても、国内の企業でも、共通していないから、ERPの導入で痛い目にあったんじゃないかな。これってERPベンダ的発想のコンサルですよね。
たとえば、ムーアのコア・コンテキストでは、コアについてコンサルを期待し、つぎのコアについての提案を期待するのではないでしょうか。共通、つまりコンテキストの部分にコンサルはいらないのではないでしょうか。もし共通(にできる)ならばパッケージをもってくるだけ。コンテキストとしての会計は共通でも、コアの部分が肝なので、むしろ、共通していない部分に対応できる知見がコンサルに求めれると考えています。「アドオン開発すればなんでもできます」的な発言がみえかくれしていますが、ならば、パッケージ導入コンサルといっていただいたほうがすっきりします。
いったいこれを考えた方はどんなコンサルをしていたのでしょうか。