枕草子のスピンアウト小説といってもよいだろう。
高句麗が唐によって滅ぼされたが靺鞨族(女真人)は反乱を起こし、渤海国を建国した。
渤海国は日本とも交流していたが、西に契丹が勃興すると渤海国は滅んだ。刀伊とは、女真人の一派。
藤原道長のライバルであった伊周が失脚にともない、兄妹であり一条天皇の后藤原定子も権力を失うと道長は娘藤原彰子を入内させた。定子の凋落に伴い、定子の女房清少納言にかわって、彰子の女房紫式部が台頭していく。
女房という官職は、単に高位の女性使用人ではなく、妃に付けられた女房は、妃が天皇のために役立つ学識、才知をもてるような女房でなければならない。天皇に直接仕えるのは「上の女房」(内裏女房)
一方で、伊周の弟は政変のあおりを受けて、大宰府にいて、刀伊入寇を食い止めることになるのだから、何が幸いするかわからない。