「真実の満洲史」の新書版。
古代、中世、近世と区切ること自体、マルクス主義だ。
「すべてが経済で決まる」というマルクス主義。
中国はマルクス主義を便宜的に取り入れただけで、社会主義市場経済といい、実際には共産主義を放棄している。
中国の歴史観は、すべて結果ありき、結果から過去を判断する。
モンゴル人の元朝に征服されたが、元朝が滅ぶと女真は、清朝を建国した。
王朝は人間を支配するが土地を支配するものではないという俗人主義によって、国境を確定してこなかった。
現在は、満州人ではなく、満人と呼び、満州語、満州文字を読める人は少ない。
辛亥革命後、地方では満州人であると漢人に殺されたので、満州語を捨てた。
愛新覚羅は満州語で金という意味なので、金を名乗っていることが多い。
満漢全席は、清朝の宮廷料理で、支配層である満州人の料理と、満州に多くの人が移住した山東料理を合わせて出す。
清朝が消滅して、宮廷料理人の職がなくなり、中華料理として広まった。
チャイナドレスを中国語で旗袍(チイパオ)といい、現代知られているのは天津租界で生まれたもの。
モンゴル服が起源で、モンゴルの寒いので、風が吹き込まないように襟が立っている。
スリットが入っているのは、馬に乗るため。
香港映画などでキョンシーが来ているウエストを締めないズボッとした長衫(チャンサン)は官人しか着れないものであり、現在では男だけが着る。
ベトナムのアオサイも清朝時代の満州人の服をモデルにしているので、暑いところなのに、襟が立っている。現在のチャイナドレスと違ってズボンも残っている。
明朝が崩壊した時点で、無用の長物であった。
清朝は科挙官僚を地方官として赴任させる場合は、故郷ではなく、話し言葉の違う地方に赴任させて、一族と結託できないようにしていた。
日本の国際連盟脱退。
そもそも国際連盟には米ソが加盟していなかった。
満州国は当時の世界の約60ヶ国のうち20ヶ国が承認していた。