勘よりビックデータという話。
本書のタイトル(絶対計算者たち)もA/Bテストによって決めたが、邦訳タイトルは編集者の直感で決めたという。
携帯電話を盗まれて、通話記録をダウンロードして、分析して電話を取り戻したというのが興味深い。
オーリー・アッシェンフェルターのワインの質の方程式
ワインの質A=12.145+0.00117×冬の降雨量+0.0614×育成期平均気温Y−0.00386×収穫期降雨量Z
→ワイン商やワインライターはオーリーが提供する情報を一般人に知ってほしくない。
絶対計算→ビッグデータ
→直観や経験に基づく専門技能はデータ分析に負ける。
Amazonの「おすすめ」などの協調フィルタリング→群衆の知恵
ハラーズ社のカジノ「トータルリワード」は顧客情報から「痛みポイント」を分析して負けが込んできたら、ステーキをおごる。
※ステーキをおごるより、でるようにしたら、さらに稼げるのではないか
政府、とくに税務署には大量のデータがあるので、絶対計算して市民のことを理解すればいい。
クレジットカードのVISAは、カードの購入履歴から離婚確立を予測している。
→カードの支払い遅延率が変化する。
タグチメソッド
※海外では「実験計画法」のことをタグチメソッドと呼んでいるようだ。
ABテスト→無作為抽出テスト
無作為抽出テストは試験を行う前に仮説を立てる必要がある。
一方、回帰テストは何を試験するかは事後に行えばよい。
診断支援ソフト イザベルIsabel
広範な医療論文を検索して、データベースをアップデートする。
データを入力するのも人間の仕事→仮説立案が人間に残された出番
もっとも有効な教育法
ダイレクト・インストラクション
教師に理解しやすい細かい概念として情報を提示させる。
その情報が生徒に咀嚼されているかを確認する。
二標準偏差ルール
正規分布する変数が、平均値から正負を問わず二標準偏差内にある確率は95パーセントである
ベイズ理論とはトーマス・ベイズによって確立された確率論で、「神の存在を方程式で説明できる」という主張の元に成り立つものだ。ではそのベイズ理論とはどういうものなのか。簡単にまとめると「未来を推測するには過去を振り返らなければならない」というもの。つまり「未来の出来事はその事象の過去の発生頻度を求めることで計算・予想できる」「過去に起きた事象の発生頻度(確率)から未来の出来事の発生頻度(確率)を予測する」。もっと簡単に一言でまとめれば「未来は過去の経験則で推し量れる」ということになる。
google website Optimizerで、ランダム化試行(RCT: Randomized Controlled Trial)ができる
ABテストツール
・Optimizely
・Visual Website Optimizer
目次
序章 絶対計算者たちの台頭
第1章 あなたに代わって考えてくれるのは?
第2章 コイン投げで独自データを作ろう
第3章 確率に頼る政府
第4章 医師は「根拠に基づく医療」にどう対応すべきか
第5章 専門家vs.絶対計算
第6章 なぜいま絶対計算の波が起こっているのか?
第7章 それってこわくない?
第8章 直感と専門性の未来/補章 革命は続く