akon2.00βのよっぱらいの戯言

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世界は贈与でできている

 

 

著名人や哲学者の言葉の焼き直し。

ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」、マイケル・サンデル「それをお金で買いますか」、カール・マルクス「経済学・哲学草稿」、映画「ペイ・フォワード」、トマス・アクィナス「不動の動者論」、フロイト「唯幻論」、岸田秀「親からの呪い」論、「鶴の恩返し」、サンタクロース、ウィトゲンシュタイン言語ゲームメンデレーエフの発見、シャーロック・ホームズカミュ小松左京など。

 

贈与

金で買うことができないものおよびその移動

 

贈与は受け取ることなく開始することはできない。

贈与は返礼として始まる。

 

・贈与とは商品価値+余剰
・交換のロジックは「助けてあげる、で何してくれるの?」の原理。貸し借り無しの等価交換
・贈与は「それが贈与だ」と知られてはいけない。

・贈与にはプレヒストリーがある
・贈与だったと過去時制によって把握される贈与こそ、贈与。

 

・どうやって贈与に気づくのか?
①求心的思考
ー合理性という基盤と常識的知識に基づく
アノマリー(変則性)に気づける
②逸脱的思考
言語ゲーム(例えば3+5=8という真理)を書き換える想像力
ー当たり前がなくなる時に、何が与えられていたかに気づく

 

誰かからプレゼントと手渡された瞬間に、「モノ」がモノでなくなる。

 

「お礼はいいから、次に渡しなさい(pay it forward)」

 

「助けてあげる。で、あなたは私に何をしてくれるの?」これがギブ&テイクの論理を生きる人間のドグマです。要するに「割に合うか合わないか」で物事を判断する態度です。

 

サンクション(制裁)をかけると逆効果になる

 

天職(calling)

→誰かから呼ばれること。誰かの声を聴くこと。

→「自分にできること」「自分のやりたいこと」に加えて「自分がやらなければならないと気付くこと」、つまり、使命の直感が発生しなければならない。

 

政治的有効性感覚

→投票などの政治的なアクションがどれだけ社会を変えると感じるかという指標

 

贈与的有効性感覚

贈与には積極的だが、有効性感覚を感じにくいものには価値を感じにくい→セカイ系の贈与

→私の一挙手一投足がこの世界を救う

→贈与に見せかけた交換

 

贈与はつながりをつくりだす。

人間的なつながりは贈与的なつながり。

一方で、縛り付ける呪いの効果もある。

 

グレゴリー・ベイトソンダブルバインド

→「呪い」の贈与
→矛盾するメッセージによる束縛
→「返信無用」は「これは贈与であり。かつ同時に交換である」という矛盾したメッセージになってしまう。

→したがって、贈与は「それが贈与だ」と知られてはいけない。

 

礼儀の本質は「冗長性」

長ければ長いほど丁寧

 

サンタクロースという装置によって「これは親からの贈与だ」というメッセージが消去されるからです。つまり親に対する負い目を持つ必要がないまま、子は無邪気にそのプレゼントを受け取ることができるのです。

 

贈与は、受け取っていた過去の贈与に気づくこと、届いていた手紙の封を開けることから始まり、それは「求心的思考/逸脱的思考」という想像力から始まる

 

言語を教えるということは、それを説明することではなく、訓練するということ。

哲学探究

贈与は不合理なもの、アノマリー(変則性、常識に照らし合わせる等の句説明のつかないもの)という形で現れる。。

 

「あとがき」の謝辞が贈与。

自らが起点ではなく、先行する贈与があったという事実を示す場。

 

目次
まえがき
第1章 What Money Can’t Buyー「お金で買えないもの」の正体
すべてはヒトの「早産」から始まった
「お金で買えないもの」とは何か
プレゼントの謎
贈与が嫌いな経済学者
「祝う」と「祝われる」、そのどちらが嬉しいか
なぜ親は孫が欲しいのか
「無償の愛」という誤解
映画「ペイ・フォワード」に見る贈与の困難さ
贈与の「起源」をたどれ
受け取ることなく贈与した者の悲劇
神学者アクィナスの「不動の動者」
贈与、偽善、自己犠牲
第2章 ギブ&テイクの限界
助けてあげる。で、あなたは何をしてくれるの?
交換のロジックの「速さ」
「自由な社会」の正体
インセンティブとサンクションの幻想
献血コスパが悪い
セカイ系の贈与
第3章 贈与が「呪い」になるとき
強いつながり
届いてしまった年賀状
毒親」に悩んだ心理学者
「架空の借金」の正体
愛と知性があるから呪いにかかる
ダブルバインド
あなたのことが好き。でも……
「親の心、子知らず」の正しさ
「鶴の恩返し」の部屋を覗いてはならない理由
第4章 サンタクロースの正体
差出人のいない贈与
「16時の徘徊」の合理性
礼儀の本質は「冗長性」にある
「君のすきなとこ」の不合理
名乗らない贈与者サンタクロース
時間軸が狂った形で現れる
誤配と届かない手紙
届いていた手紙の封を開けよう
第5章 僕らは言語ゲームを生きている
辞書のなかのメリーゴーランド
「窓」という言葉をどうやって覚えたのか
意味は心の中にあるのではない
僕らはこの言語ゲームの中に閉じ込められている
他者と共に言語ゲームを作っていく
第6章 「常識を疑え」を疑え
「常識を疑え」とは言うけれど
世界像を固定する
メンデレーエフの孤独
常識は科学的探究を生む
未来と同時に過去にあるもの
「血液の循環」の発見
科学革命の構造
アノマリーとは何か
言語ゲームの中に閉じ込められている効用
逸脱的思考と探求的思考
シャーロック・ホームズの求心的思考
贈与と求心的思考
第7章 世界と出会い直すための「逸脱的思考」
SF的想像力=逸脱的思考
逸脱的思考は世界像を破壊する
逸脱的思考は根源的問いかけを持つ
「夜が明けたら」が問うもの
SFとしての『テルマエ・ロマエ
ルシウスの「驚き」の意味
第8章 アンサング・ヒーローが支える日常
二つのつりあい
「世界像の破壊」を描き続けた小松左京
ボールを支える外力を失った世界
災厄への備えを怠るということ
シーシュポスの不幸
小松左京カミュの希望
アンサング・ヒーローの倫理学
第9章 贈与のメッセンジャー
「I love you」=「月がきれいですね?」
「賦」という所作
メッセンジャーとしてのルシウス
贈与は市場経済の「すきま」にある
クルミドコーヒーの贈与論
「命のバトン」とルシウスの使命
贈与は「差出人」に与えられる
なぜ僕らは「勉強」すべきなのか
教養とは誤配に気づくこと
受取人の想像力から始まる贈与
あとがき