akon2.00βのよっぱらいの戯言

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人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか

 

 

進化は往々にしてやっつけ仕事である。

 

人体は59の元素でできている。61%酵素酵素は水素と結合して、水なっているために重い。

細胞の各成分は他の成分からの信号に反応して無作為に動いているが、

全身では円滑な協調行動になる。

 

ヒトゲノムのうちタンパク質でコード(遺伝子暗号で指定)しているのは2%。

→つまり、実質的な働きをしているのは2%で、残りは何をしているかわかっていない。

 

皮膚は最高の「センサー」である。

皮膚はおそらく、人体で“最も融通の利く”器官である。中身を保持し、悪いものを締め出すことで体を守り、打撃を和らげ、ヒトに快感と温かさと痛みをもたらし、日光から体を守り、自ら修復もする。加えて、外観の美しさの源でもある。

皮膚は髪の毛と同じケラチンでできている。

 

肌の色は日光に対する反応に過ぎず、人種というものは存在しない。

 

真皮には、マイスナー小体、ルフィニ小体、メルケル細胞、パチニ小体という受容体がある。

マイスナー小体はそよ風を感じ、ルフィニ小体は熱、メルケル細胞は圧力、パチニ小体は振動に反応する。

 

触れなくても砂利かやわらかい土かが分かる。

 

湿気に対する受容体は持っていない。

 

触覚は何かをどう感じるかだけでなく、どう感じるべきかも伝える。

 

いつ無毛になり、数か所の残したのかはわかっていない。

ヒトフェロモンは存在しない。

 

脱毛しても毛根には影響がないので意味がない。

 

指紋が何のため存在するのかはわかっていない。

 

体毛のほとんどを失い、エクリン腺から汗をかいて体の余分な熱を放散する能力のおかけで最も温度に敏感な脳を拡大できた。

 

手のひらだけは、ストレスだけによって汗をかく。

 

汗自体は無臭で、細菌と汗の化学分解によって臭いになる。

 

体が冷えると風邪をひきやすくなる。

だからコールドと呼ばれている。

 

脳の能力の大部分が不必要である。作曲したり、哲学にふけったりする能力は生きていくために必要がない。切実に必要とされていない知的能力を得るために、多くのエネルギーを費やしているのかはわかっていない。

 

膠細胞(グリア)はニューロンより10倍も数が多いが知られていない。ミエリン鞘の生成から除去までをつかさどっている。

 

眉毛やまつげの存在理由も不明確。

なぜ、鼻面なのか。哺乳類は丸みのある突き出た鼻なのに。

顎先もヒト固有である。

 

唾液にはオピオルフィンという鎮痛成分が含まれている。

味覚受容体は口内以外にも存在する

→消化器官と喉

 

インスリンはホルモンの一種で、ホルモンは化学的メッセンジャー

 

レプチンの発見により、ホルモンはそこら中でつくられていることがわかる。

レプチンは内分泌腺ではなく、脂肪細胞で産出されるホルモンで、食欲を調節している。

ただし、ヒトの体は食べ物の過剰ではなく不足という危機に対処するように進化してきたため、レプチンには、「食べるのをやめろ」という命令はプログラムされていない。

 

肝臓は数週間で再生する。

 

骨はオステオカルシンというホルモンを生成し、記憶力を高めたり、気分を高揚させたりする。

骨は鉄筋コンクリートより強いのに、全力疾走しても平気なくらい軽い

骨は再生して隙間を埋める。

そして、その継ぎ目が分からなくなる。

 

木の上に住む類人猿が直立した現生人類になるために、首は長くまっすぐに、後方ではなくほぼ中央で頭蓋骨とつながり、曲げられる柔軟な背中と、特大の膝、絶妙な角度で曲がる大腿骨を手に入れた。

脚は類人猿のように腰からまっすぐ下に伸びているのではなく、大腿骨は骨盤から膝に降りていくにつれて内向きに角度がついている。

さらに前方への動きを強化するために、特別巨大な筋肉である大臀筋とアキレス筋。

土踏まず(弾力性を得るため)と、しなやかな脊髄(体重を再配分する)、再構成された神経と血管の経路。

すべて頭が足のはるか上方に置かれたことで必要になった。

激しい活動で加熱しないように体は無毛になり、たくさんの汗腺を発達させた。

顔は平坦で鼻面がない。

脳の大きさに合わせて額が広い。

加熱調理のおかげで歯は小さくなり、顎は華奢になった。

口腔が短くなり、舌も短く丸みを帯び、喉頭は喉の低い位置におさまった。

これらのことで、はっきりとした言葉を発音できる声道を偶然獲得する。

後頭部は走るときに頭を支えるために項靭帯がある。

 

旧石器時代に設計されて体と現代の飽食の時代のあいだでバランスを取らなければならない。

 

ヒトが生存可能なのは地球の全表面積の4%

 

虫垂は腸内細菌の貯蔵庫

 

冬眠と睡眠は違い、冬眠中も睡眠する。

クマは「冬眠」しているのではなく「休眠」している。

 

寝ている間に痙攣、またはミオクローヌスと呼ばれる落下するような突然の感覚は、人が木の上で眠り、落ちないように気を付けなければいけない時代にさかのぼる。

 

睡眠中の方が活発に活動する前脳

 

「体内時計」という発見

ヒトの目に、周知の杆体(かんたい)と錐体(すいたい)に加えて、第3の光受容細胞があることを発見したのだ。感光性網膜神経節細胞と呼ばれるこの新たな受容体は、視覚とは関係なく、明るさを感知するため、つまり昼か夜かを知るためだけに存在する。その情報は、脳内の視床下部に埋め込まれたピンの頭ほどの小さなふたつの束になったニューロンに伝えられる。「視交叉上核(しこうさじょうかく)」と呼ばれるこのふたつの束(各半球にひとつずつ)が、概日リズムを制御している。つまり体内時計だ。

 

体内時計は脳だけではなく、全身――膵臓、肝臓、心臓、腎臓、脂肪組織、筋肉、ほぼあらゆる部分――にあり、それらは独自の時刻表に従って働き、いつホルモンを放出するかや、いつ器官が最も忙しく働き、最も弛緩するかを指示していることがわかってきた。たとえば、反射神経は午後半ばに最も鋭敏になり、血圧は夕方にかけて頂点に達する。男性は、一日の後半よりも朝早くに多くのテストステロンを分泌する。こういうシステムのどれかがうまく同期しなくなると、問題が起こる。体の概日リズムの乱れは、糖尿病や心臓病、うつ病、深刻な体重増加の一因となる(場合によっては直接の原因となる)と考えられている。

 

メラトニン」は眠気を促進するわけではない。

 

「あくびにはどのような役割があるのか」よくわかっていないうえ、なぜ、うつるのかもわかっていない。

 

60歳で半数、70歳で3/4の男性は、死亡時に気づかずに前立腺がんを患っている。

つまり、長生きすれば前立腺がんになる。

がんは進化の代償。細胞異変がなければがんにならない。進化もできない。

 

健康な人とは「まだ検査を受けていない人」

 

死亡率

がん75%

肺炎90%

インフルエンザ90%

 

アメリカでは死因から老衰を外した。

 

目次

第一章 ベネディクト・カンバーバッチの作り方
あなたがあなたでいられる理由/何をしているのかほとんどわからないヒトゲノム
第二章 わたしたちは毎日皮膚を脱ぎ捨てている
皮膚は最高の「センサー」である/皮膚と人種差別/指紋の「万人不同性」の発見/私たちの体は生きた「エアコン」/皮膚微生物という便利な同居人
第三章 微生物との「甘い生活
人の九割は細菌?/三万年眠り続けたウイルス/抗菌薬の登場/抗生物質と細菌の終わりなき死闘
第四章 脳はあなたそのものである
脳はあなたのすべてである/脳ほどあてにならないものはない/「宣言記憶」と「手続き記憶」/脳と人格は関係があるか/脳が傷つくとどうなるか
第五章 頭のなかの不思議な世界
世界最大の「頭蓋骨コレクション」/「見える」という奇跡/ヘッドホンの使い過ぎにご注意を/嗅覚は私的な感覚
第六章 あなたの「入り口」は大忙し
「食べる」と「話す」と「呼吸する」を同時に行う場所/バスタブ二百杯分の唾液/味覚受容体は口内以外にも存在する/「うま味」の発見/チンパンジーには不可能で、わたしたちしかできないこと
第七章 ひたむきで慎み深い心臓
体内でもっとも「ひたむき」な器官/開胸手術の歴史/血液は何をやっているのか/血液型の発見
第八章 有能な「メッセンジャー」ホルモン
ランゲルハンス島のなぞ/ヒトが過食になりやすい理由/肝臓は数週間で再生する/テニスボール大の結石
第九章 解剖室で骨と向き合う
ヒトは死なないように設計されている/死体が足りない! /骨だって生きている/骨と筋肉と腱の華麗なるコラボレーション/私たちは生涯で二億歩歩く
第十章 二足歩行と運動
二足歩行の代償/旧石器時代の設計と飽食の時代
第十一章 ヒトが生存可能な環境とは
ヒトはワニのひと月分の食糧を毎日食べている/ヒトが居住可能なのは地球の全表面積の四パーセント/アメリカに提供された七三一部隊の研究成果
第十二章 危険な「守護神」免疫
侵入者から体を守る頼もしい味方/臓器移植と拒絶反応/アレルギーという負の側面
第十三章 深く息を吸って
大気汚染は喘息の発作を起こすが発生の原因ではない/タバコメーカーと医学会の熾烈な戦い/六十八年間しゃっくりし続けた男
第十四章 食事と栄養の進化論
ヒトの進化と調理の関係/ビタミンとミネラルの発見/タンパク質/炭水化物/脂肪/飢餓よりも肥満に苦しむ人が多い時代/塩をめぐるパラドクス
第十五章 全長十二メートルの管で起きていること
胃は過大評価されている/胃に穴があいたままの男/薬剤師であるというだけで開腹手術をさせられた男
第十六章 人生の三分の二を占める睡眠のこと
クマは「冬眠」しているのではなく「休眠」している/睡眠中の方が活発に活動する前脳/「体内時計」という発見/睡眠不足がわたしたちにもたらすもの
第十七章 私たちの下半身で何が起きているのか
消えゆくY 染色体/セックスという優れた「生存戦略」/すべての人類の祖先が女性である理由/誤解まみれの生殖器
第十八章 命の始まり
極端に非効率なヒトの生殖/母になることとあの世に行くこと/進化の代償としての難業
第十九章 みんな大嫌いだけど不可欠な「痛み」
どのように痛みを数値化するか/よい痛みと無意味な痛み
第二十章 まずい事態になったとき
どこからともなく現れ、消えていくウイルス/感染症は畜産の発達の副産物である/一番危険なのは進化のはやいインフルエンザ
第二十一章 もっとまずい事態(つまり癌)になったとき
がんは「許可なき自殺」/麻酔なしの切開手術/母親の腹部に放射線をあたてみた医師と物理学者の兄弟
第二十二章 よい薬と悪い薬
盗まれた栄誉/長生きしたければ金がいる/健康な人とは「まだ検査を受けていない人」のこと/過剰医療で得をするのは誰か
第二十三章 命が終わるとはどういうことか
「人を死なせるのはライフスタイル」という時代/わたしたちの寿命は細胞にプログラムされている/人が百十歳まで生きる可能性は七百分の一/アルツハイマー病にお手上げ状態/人が死んだあとに起こること