日本では、大麻(たいま、マリファナ)と大麻草を区別できない人がいるので、大麻取締法は、大麻草取締法ではないため、茎と種から抽出されたCBDは規制対象ではないことから説明しないといけない。
つまり、日本の大麻取締法では、葉と花穂、その製品を規制しており、種子と茎、その製品を除外している。健康保険も適用されない。
大麻(たいま)は、アサの花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたものなので、大麻取締法となる。
一方、花から製造されたものをガンジャ、樹脂をハシシ、チャラスと呼ぶ。
カンナビノイドは、アサ(大麻草)に含まれる化学物質の総称で、炭素数21の化合物で、104種類ある。本書では、カンナビノイドの一種であるCBD(カンナビジオール)について述べられている。カンナビノイドの一種であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)はマリファナの主成分である。
第1章:何がそんなにすごいの?
第2章:大麻草の歴史
第3章:エンドカンナビノイド・システム
第5章:カンナビジオール(CBD)って何?
第6章:CBDって安全なの?
第8章:CBDと二七の疾患
第9章:あなたに合ったCBDの使い方
第10章:どれくらい摂ったらいいの?
第11章:信頼できる製品をみつけるには
・THC(テトラヒドロカンナビノール)
「大麻」「カンナビス」あるいは「マリファナ」と呼ばれる植物は13-30%のTHCを含み、精神作用がある。カンナビノイドで有名なのがTHC。
カンナビノイドは、医療効果のある活性化合物で、大麻にもヘンプにも含まれる。
カンナビノイドは、体のバランス(ホメオスタシスまたは恒常性)を保つのを助け、体内で産生される内因性カンナビノイドに似た機能を持つ。
ホメオスタシスとは、体外の環境の変動にかかわらず体内の環境が一定に保たれること
・CBD(カンナビジオール)
・ECS(エンドカンナビノイド・システム)
→エンドカンナビノイドームは、エンドカンナビノイド・システムをより拡大させ、内因性カンナビノイドと内因性カンナビノイドのように働くそれ以外の化合物、結合する(CB1とCB2だけでなく)すべての受容体、そして、これらの化合物を産生したり分解する酵素を含む概念。
→ECS(エンドカンナビノイド・システム)とは、カンナビノイド様の化合物を体内で作り出して、ヘンプや大麻草に含まれるカンナビノイドを処理することが可能な肉体のシステム
→ECSは体全体のホメオスタシス(恒常性)の維持のために休まず働いている、ニューロン、神経経路、受容体、細胞、分子、酵素の形成する複雑なネットワーク。
→ECSは「リラックスし、食べ、眠り、忘れ、守る」かに影響を与える信号を伝える
ESCは体の主要な二つの機能を司る。
外部から肉体的・感情的・心理的なストレスを受けたときに体内のバランスを取り戻すと同時に、肉体的な快感、活力、健康状態を調整する。
総合的には、ECSには体内のホメオスタシスを維持して病気や老化を防ぐ。
体にウイルスや細菌が侵入すると免疫系が熱くなり、ウイルスや細菌を焼き殺す。
それが終わると、ECSは免疫系に熱を冷ましてホメオスタシスを回復するように指令する。
このフィードバックが・ループが制御されておらず、免疫系がストレスに過剰反応したり、自分自身を外からの侵入者と勘違いししまうと、自己免疫疾患や炎症性疾患が起こる。
ECSには、逆行性シグナル伝達は細胞内情報伝達のひとつの形で、免疫反応を阻害し、炎症を抑え、筋肉を弛緩させ、血圧を低下させ、気道を拡張し、過度の神経刺激を平常に戻す。
ヘンプや大麻草に含まれるカンナビノイドは、内因性カンナビノイドと同じ受容体(CB1とCB2)を刺激し、体のバランスを保つためにするのと同じことを、内因性カンナビノイドに代わる逆行性シグナルのメッセンジャーとして行う。
これによって、大麻には体内プロセスとの独特な相乗作用が生まれ、結果として大麻は自然で無害な薬となる。
体温を下げるためにECSが送り出す化学信号を神経伝達物質と呼ぶ。
カンナビノイドには、体内で作り出するのと大麻草から取り入れるものがあるが、いずれも神経伝達物質である。
エンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)は、体内で作り出す化合物。
このため、オメガ酸3脂肪酸(鮭、ナッツ、卵)が少ない食生活では、エンドカンナビノイドの調節がうまくいかない。
オメガ3酸も、エンドカンナビノイドや植物性カンナビノイドと同様に、抗炎症効果がある。
エンドカンナビノイドは。細胞にあるカンナビノイド受容体と結合すると、その細胞に指示を与える。
その指示は、腸内の炎症を抑えることであったり、痛みを和らげることであったりする。
ECSが目指すのは体内のホメオスタシスを取り戻すことであり、エンドカンナビノイドの産出がそのプロセスの調整に役立つ。
ECSの働きをサポートする方法
・食べ物→野菜、豆、タマネギ、キノコ類、ベリー類、種子類
・生活習慣→マッサージ、鍼、エクササイズ、体重をコントロールする
ストレスはECSわ消耗させるので、ヨガ、瞑想、深呼吸などによって、積極的にストレスを管理する。
運動を行うと体内のエンドカンナビノイド(特にアナンダミト)量を増加させる
ECSがカンナビノイドとその受容体を通して、次のように身体機能に影響を与える。
睡眠
食欲、消化、空腹感
気分
運動制御
免疫機能
生殖機能と受胎能力
快楽と報酬
痛みと炎症
記憶
体温調整
大麻草に含まれるテルピン
ミルセン
ホップ、レモングラス、マンゴー、タイムに含まれる。
鎮静効果。
THC分子と組み合わさると、ミルセンはより強力な効果が得らる。
不眠症、痛み、炎症の治療に役立つ。
カリオフィレン
黒胡椒、クローブ、綿および緑黄色野菜に含まれる。
ペッパー、ウッド、スパイスの香り。
自己免疫疾患および炎症の治療において良い可能性を示す。
リナロール
花の香り。
鎮静作用。
いくつかの種類の癌の治療に役立つ。その他にも、皮膚の状態を治療し、瘢痕(はんこん)を減らすのに使用される局所薬の有益な成分。
有効な殺虫剤にもなりえます。
ピネン
松の木の精油やローズマリーといった多くのハーブに含まれている。
気管支拡張薬になるため吸入量が多く、喘息の治療に最適。
注意力、集中力および記憶保持を高める可能性を示す。
アルツハイマー病の臨床治療に有用である。
フムレン
リモネン
柑橘系の果物の皮に見られ、レモンやライム、オレンジ系のアロマと関連している。ます。注意力の増大。
乳癌と戦うことが出来る可能性。
よく知られているのは、マリファナの主成分で有名なTHC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)と精神作用のないCBD(カンナビジオール)。
これら以外にカンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビゲロール(CBG)などがある。
THCまとめ
・医療用途
精神活性作用
ストレスとうつの軽減
食用增進
痛みの緩和
神経保護作用
抗炎症作用
抗増殖(抗がん)
制吐作用
・体に表れる作用
陶酔感
弛緩
目まい
内省的になりうっとりする
眠気
時間の感覚が歪む
空腹感、
・適応疾患
線維筋痛
綠內障
がん
脊髓損傷
睡眠時無呼吸症
拒食症
トゥレット症候群
「フルスペクトラム」「全草抽出」
→原料である大麻草が天然の状態で含む活性化合物がすべて含まれている。
「アイソレート(単離)」
→CBDのみ、あるいはTHCのみ
・医療用途
・体に表れる作用
・適応疾患
CBNの概要
・医療用途
鎮痛作用(痛み止め)
睡眠補助
骨成長
抗菌作用
抗炎症作用
抗けいれん作用
食欲增進
抗増殖作用
・肉体的な作用
リラックス
眠くなる
空腹感
・適応疾患
関節痛
てんかん/発作
痙縮(筋肉の緊張、硬直、肉離れ)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
皮膚病
喘息
肺がん
大麻草とヘンプに含まれている活性化合物を「カンナビノイド」という。
CBDはカンナビノイド。
人間をはじめ、多くの生物の体内には、CBDを利用する臓器や器官がある。
エンドカンナビノイドシステム(ECS)はCBDを利用する体内のシステムの主要なもの
CBDには精神作用がない
脳と体内のCBD
CBDは、CB1受容体とCB2受容体に間接的に作用することで人間の体に影響を与える。
受容体を刺激しながら、同時に主要な酵素が内因性カンナビノイドであるアナンダミドを分解するのを阻害するので、事実上、再取り込み阻害薬、分解酵素阻喜楽の働きをする。
それによって脳内のアナンダミド量が増加し、そのことが、けいれん発作を抑える
のにCBDが非常に効果的である理由だ。
また、神経伝達物質アナンダミドの再取り込み阻害薬として作用することで、CBDは抗不安作用と抗炎症作用を発揮する。
CBDが医療効果を発揮するもう一つの方法は、脳内にある、カンナビノイド受容体以外の受容体数種との結合である。
セロトニン5HT1A受容体とは直接結合して、不安感、食欲、睡眠、痛みの認識、気分、 悪心と嘔吐の抑制、性行動、その他さまざまな機能に影響する。
CBD A(生の大麻草に含まれる酸性のCBD)もセロトニン5HT1A受容体との親和性が高く、
CBDやTHC以上に強力な吐き気止め効果がある。
CBDはまた、疼痛知覚、炎症、体温などを調節するTRPV1受容体にも直接働く。
内因性カンナビノイドであるアナンダミドも同様にTRPV1受容体を刺激する。
CBDは、GPR55受容体をブロックし、骨粗鬆症を防ぎ、がん細胞の増殖を抑える。
また、PPARγを刺激することで抗増殖効果があり、肺がんの成長を抑制する。
PPARγの活性化は、アルツハイマー病に関連するとされるアミロイドβの沈着物を分解するのを助ける。エネルギー恒常性、脂質取り込み、インスリン感受性そ
の他の代謝機能に関連する遺伝子の調節をするのもPPAR受容体です。
CBDの主要な効能
・制吐作用:悪心、嘔吐に効果
・抗けいれん作用:けいれん発作に効果
・抗炎症作用:炎症性疾患に効果
・抗酸化作用:神経変性疾患に効果
・抗ガン作用:腰痛、がん細胞に効果
・精神安定(抗不安)作用/抗うつ作用:不安症。うつ病に効果
CDBは神経保護物質、つまり、脳を保護してくれる物質として、脳と神経系への損傷を軽減し、新しいニューロンの成長を助ける。
虚血、外傷、自己免疫疾患や遺伝性疾患などによる酸化ストレスは、一時的あるいは永続的な神経損傷を起こすことがあるが、CBDはこうした損傷から神経を護り、回復を助ける。
CBDと27の疾患
依存症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
ADD/ADHD
不安神経症
関節炎
自己免疫疾患
がん
脳震とう/脳/脊髄損傷
糖尿病1型・2型
炎症性腸疾患
多発性硬化症(MS)
悪心/嘔吐
ニューロパチー
肥満
疼痛
発作性疾患(てんかん症候群)
皮膚病