akon2.00βのよっぱらいの戯言

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〈意識〉とは何だろうか 脳の来歴、知覚の錯誤

 

認知と記憶は「脳内だけで完結するものではない」

 

結果から原因を推定する事が多いので「錯誤」をおかす

 

左手を冷たい水につけ、右手を熱めのお湯につけ、馴れたところで、ぬるま湯につけます。そうすると、左手は熱く感じ、右手は冷たく感じる。

錯覚
・知覚-刺激の入力パターンから自動的に解釈が決まる(ボトムアップ
・認知-知識や予見の影響を受け状況次第で解釈が変わる(トップダウン
・共通点-結果から原因を推定する事が多い。人が皆同じような「錯誤」をおかす。

順応(知覚的順応)と陰性残効
オレンジ色のゴーグルをかけると視野がオレンジ色になるが、時間が経つと通常の見え方になり=順応、
ゴーグルを外すと逆に青味がかって見える=陰性残効

退行睡眠
睡眠状態に誘導してから、年齢をさかのぼり、そのときの経験を追体験させる方法で、忘れていた出来事を想起できる。
→睡眠状態での記憶はあてにならないというのが最近の研究成果

自発的なエージェントの無限後退
脳の受動的な部分を削っていっても
残った「本体」は永遠に「ホマンキュラス(賢いこびと)」となって残る。


プロザック現象
プロザックとは向精神薬と呼ばれる抗鬱剤であり、鬱病を解消する効果を持っている。これが画期的な薬で、効き目が抜群で、服用した鬱病患者は悲観的な気分が治るだけでなく、人格のバランスや人間関係も一気に良くなり、思慮深くなり、集中力も増し、仕事もはかどり、これまでの抗鬱剤と比べてはるかに優れていた。
さらに、健常者にまで効く。圧倒的多数の「病的ではないが、多少落ち込みやすい」人々が服用することで、彼らの生活も良い方向に変化し、気持ちも楽になった。そして、それまでの抗鬱剤とは大きく異なる点が、薬への依存性や効き目が切れたときの気持ちの反動などの副作用が一切ない。
プロザック現象とは、画期的な新薬として宣伝されたため、健常者までが大量に使い始めたことで、神経学や精神科の治療の範囲を大きく超えた倫理的問題のこと。

眼鏡をかけて視力を矯正することと、プロザックにより脳や精神を向上させることは科学的には同等。
一方で、カルヴァニズムの禁欲主義により、努力もせずに快楽や爽快感を得ることは悪という感覚がキリスト教圏には根強いため、今の社会的には健常者がプロザックを服用することは悪とされる。

<目次>
 0.脳と心の全体像
 1.錯誤とは何か
 2.脳の「来歴」―錯誤から浮き彫りにされるもの
 3.心とからだと他者―連動する脳と世界
 4.意識と無意識のありか―心の全体像
 5.人間観と倫理