ひまつぶしはいちばん忙しい仕事である
「パーキンソンの法則」だけで一冊の本になっていることに驚きを感じる。
第3法則まであったのは知らなかった。
パーキンソンの法則は以下の2つの法則から成り立つ。
第一法則:「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
第二法則:「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
第一法則は仕事の量と時間の関係を示す法則である。パーキンソンが述べた「公務員の数は、仕事の有無・軽重に関わらず、一定の割合で増加する。」が表すように、仕事における需要は、その必要性に関わらず、リソースが確保できる分まで増大する傾向にある。
役人はライバルではなく部下が増えることを望む
役人は相互に仕事を作りあう
第二法則は支出と収入の関係を示しており、第一法則を金銭の面から捉えた法則である。実際に、政府における財政支出は予算財源を超え、常に増加し続けているケースが多い。
中間派の理論
会議の決議においては(議題を理解する能力のない)中間派の票が最終的に重要であり、議会における勝利を得るためのキーは、反対者の説得ではなく、明確な意見を持たない中間層を引き込むことであり、それは会場の議席の配置によっても大きな影響を受け。
関心喪失点
予算審議に必要な時間は、金額が巨大になりイメージが沸かなくなればなるほど短くなる。誰でも口を出せる事案では発言者が多くなり、審議時間が長くなる(パーキンソンの凡俗法則)
閣僚の定数→非能率の係数
委員会の最適な人数は5人~7人程度で、20人を超えると運営不可能になる。
人選の原理
人材取得に時間をかけることを避けたいのであれば、募集内容に具体的な内容を記載すれば良い。
非建設的建築 行政のしこり
ある組織の立派な建造物の建設計画はその組織の崩壊点に達成され、その建築が有効活用されることは少なくともそのとき必要とされた組織によってはされない。
完成は組織の終息や死を意味する→パーキンソンの第3法則
人物映写幕 カクテル・パーティーの公式
カクテル・パーティーにおける重要人物の見分け方
その人物は、パーティ開始後75分から90分後に遅れてやって来て、E7(会場を左からA,B,...Eと分け、入り口から奥に向かって1,2,3...8と分けたときのE7の方形)の中におり、グループの中心となっている人物である。
劣嫉症 組織病理学
劣嫉症→インジェリティティス
組織病理学における組織のマヒ
第1期:劣嫉症の出現:劣嫉症
第2期:優秀な人物の排除:独善
第3期:劣嫉症のみの組織の形成:無関心
治療の原則
①治療を行うものと、治療をうけるものが同一人物ということはあってはいけない。
②第1期と第2期は治療可能であるが、第3期は治療不可であること。
治療の方向性として、第1期は、叱咤激励、報奨の実施、第2期は外部からの人材補充による組織の活性化、第3期は隔離し、速やかに組織を潰すことである。
苦力百万長者の話 中国風成功法
目立てば、身代金、納税、マスコミ対策に対する出費がかさむので、中国人のお金持ちは決して目立ってそれを表すことはなく、目立ってそれを見せている人は、そのような対策を気にする必要も無いほどの権力を得た者たちである。
恩給点の解析→退職の潮時
目次
まえがき
1 パーキンソンの法則 公務員は如何にしてふえるか
2 民衆の意志 中間派の理論
3 高度財政術 関心喪失点
4 閣僚の定数 非能率の係数
5 人選の原理 採用試験と求人広告
6 非建設的建築 行政のしこり
7 人物映写幕 カクテル・パーティーの公式
8 劣嫉症 組織病理学
9 苦力百万長者の話 中国風成功法
10 恩給点の解析 退職の潮時
訳者あとがき