akon2.00βのよっぱらいの戯言

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アブダクション

 

 

アブダクションを提唱したチャールズ・サンダース・パース記号論(semiotics)を提唱したチャールズ・サンダース・パースと同一人物であるとは知らなかった。なお、記号論記号学(semiology)は異なる。

 

付録の「反デカルト主義的論考」では、チョムスキーがここにもでて来る。

川喜田二郎の「発想法」で紹介されていたとは気が付かなかった。

 

著者は哲学者。人工知能学会のパネルに登壇している。

・人間の認識思考は記号過程である

・記号は本質的に曖昧である。

・日常、演繹的にのみ思考しているのではないし、まして厳密な記号論理の方法と体系に従って推論を行っていない。

・厳密でない推論も重要

 

推論(inference、reasoning)

・分析的推論

 演繹法(deduction)

・拡張的推論

 帰納法(induction)

 アブダクション(abduction)

 

演繹

     ・この袋の豆は、すべて白い

     ・これらの豆は、この袋の豆である

     ・ゆえに、これらの豆は白い

帰納

     ・これらの豆は、この袋の豆である

     ・これらの豆は、白い

     ・ゆえに、この袋の豆はすべて白い

アブダクション

     ・この袋の豆は、すべて白い

     ・これらの豆は、白い

     ・ゆえに、これらの豆はこの袋の豆である

 

 

パースによる帰納アブダクションの相異点

帰納の方がアブダクションより、推論として強力

帰納は、ある1群の事実から同種の他の1群の事実を推論する(サンプルとクラス全体で同じ事実がある)。

アブダクションは、ある1種類の事実から、別の種類の事実を推論する(天王星の軌道が計算と異なることから、海王星の存在を発見)。非常にしばしば、直接観察のできない事実を推論する(万有引力など)。

・生理学的な相異

帰納は、思想の習慣的要素(規則・法則・一般性)を生みだす。

アブダクションは、思想の感覚的要素を生みだす。

・学問の分類

帰納は分類的諸科学、アブダクションは理論的諸科学に対応している。

 

 

目次

第一章 アブダクションと探究の論理学

第二章 分析的推論と拡張的推論

第三章 アブダクションの推論の形式と特質

第四章 帰納アブダクションはどのように違うのか

第五章 科学的探究における帰納アブダクション

第六章 帰納主義の考え方について

第七章 W・ニールの「仮説的方法」

第八章 G・ポリアの「発見的推論」