「会社の不文律」の著者
イギリスで最初のシビルユニオン(パートナー婚)、アメリカで最初に婚姻関係のないパートナーに、性別は問わないと明記させた。
ホーキングと同じALSを患う。
そこで、自身のサイボーグ化を身体とコミュニケーションの二つの側面から進めた。
まず、身体についてバージョンアップ。
ALSが進行すると、歩くことはもちろん、食事をとったり呼吸をすることもできなくなる。そこで、トリプルオストミー、つまり、3つのチューブを通すことで「生きる」ことにした。
喉が動かなくなると呼吸ができなくなるため、まずは人工呼吸のためのチューブを通し、食事も自力でとれなくなるため、栄養をとるためのチューブ、そして排泄物を出すためのチューブもつけた。
さらに、唾液が肺に入るのを防ぐために咽頭を除去し、車椅子型ロボットやロボットハンドも用意した。
次に、コミュニケーションについてバージョンアップ。
ALSによって筋肉は動かなくなるが、眼球を動かすことはできるので、アイトラッキングによって指示を出せるようにした。これだけだと、人と対話をするには遅いので、話し相手の言葉をAIが聞き取り、ピーターの思考スタイルに合わせて、ピーターのの実際の声を元とした声を音声合成し、自動的に返事をするようにした。さらに、アバターを開発し、会話の内容によって表情を変えることができる。
つまり、「ピーター2.0」は、物理的空間の「身体」だけでなく、デジタル空間に「マインド」を存在させ、メタバースのなかでアバターとして暮らす。
そして、ピーター2.0にバージョンアップされたわけだが、つぎに、生物学的な僕が死んだ後も、AIの僕が「ピーター3.0」となって、「何が理由で死ぬのかわからない」という未来まで考えているところがすごい。