「それってどうなの主義」と「チャンプラリズム」は、思考のスタイルであり、思想の内容ではないので本書の対象ではない。
それってどうなの主義
なんか変だなぁとおもったらときに、とりあえず、「それってどうなの」とつぶやいてみること→斎藤美奈子
チャンプラリズム
→あれもいい、これもいい、みんないい
→チャンプルはマレー語
A | B | C | D | |
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新保守主義 | Y | Y | X | X/Y |
新自由主義 | X | Y | X | Y |
リベラリズム | X | Y | Y | Y/X |
国家型コミュニタリアン | Y | Y | X | X |
地域型コミュニタリアン | Y | X | X | X |
リバタリアニズム | X | X | X | Y |
マルクス主義/啓蒙主義 | X | X | Y | X |
平等主義/啓蒙主義 | X | X | Y | Y |
A:企業(X:道徳、Y:利益)
B:経済(X:公正、Y:秩序・安定)
C:組織(X:自由な関係性、Y:人為的なリベラル)
D:政府と企業(X:包摂主義、Y:非包摂主義)
八つのイデオロギー
新保守主義(ネオコン):リベラルの再定義、反福祉国家
新自由主義(ネオリベ):小さな政府、秩序と成長のための自由
リベラリズム:福祉国家型。既存慣行からの自由
国家型コミュニタリアン:自治・参加・美徳。社会全体の秩序(全体主義に近接)
地域型コミュニタリアン:ローカルな共同体(アナキズムに近接)
リバタリアニズム:原理的な自由
マルクス主義/啓蒙主義:理性による統治(設計主義と革命を除くとリベラリズムに近接)
平等主義/啓蒙主義:格差是正
包摂主義→温情的介入主義
・祭祀型
・主体化型
非包摂主義→非温情的不介入主義
・ヒューマノイド型
・サバイバル型
市場の倫理
・行政者(巨大組織の運営)
・生活者
・企業家
統治の倫理
・封建的共同体(共同体の善)
・貴族的精神(上位者の心得)
・ポスト近代社会(消費社会における賞賛の基準)
第三の倫理→老後の倫理
清貧、スローライフ、マイノリティ(文化的社会的弱者)への感受性。
政治的自由度が高く、経済的自由度が高いと、リバタリアニズム、
政治的自由度が高く、経済的自由度が低いと、福祉国家型リベラリズム、
政治的自由度が低く、経済的自由度が高いと、保守主義
政治的自由度が低く、経済的自由度が低いと、共同体主義
共同体主義には権威主義、共産主義、全体主義が入り、リバタリアニズムには新自由主義がはいる。過去のファシズム対共産主義の対立は共同体主義内の対立であり、現在のリベラル対保守の対立とは異なる。
シュヴァルツとイングルハートの価値マップ
→イデオロギーは価値観に規定されている
→価値観は言語文化、宗教文化、地政学的位置に依存する。
日本人は、「階層支配構造」と「調和」という相反する価値を同時に支持し、その中間にある「社会に埋め込まれた生活」を支持しない。つまり、知的自律を重んじるが、平等主義は重んじない。
価値観は所得水準に依存しており、
所得が上がると価値観は、世俗-合理的価値が高く、自己表現価値も高くなる。
自分の価値観を主体的・自律的に形成するためには
・「下部構造(生活環境・生活習慣)」を変化させる。
・別の言語文化を習得する。
・別の宗教・芸術・文化に触れる。
・地政学的位置を変える
・諸処のイデオロギーを検討する
・自分の性格を変える。
目次
はじめに
第一章 一貫した経済倫理の立場を形成してみよう
1.はじめに
2.四つの経済倫理問題
2-A.「利益」対「道徳」
2-B.「公正」対「安定・成長」
2-C.「自由な関係性」対「人為的なリベラル制」
2-D.「包摂主義」対「非包摂主義」
3.争点一覧/八つの倫理的立場
第二章 イデオロギーの立場を分類してみよう
1.はじめに
2.八つのイデオロギー類型について
3.補説:社会民主主義の分裂
4.八類型以外の立場について
5.イデオロギーに引き裂かれた自己
6.おわりに
第三章 最近の経済倫理問題について考えよう
1.はじめに
2.「包摂主義」と「非包摂主義」――新たな分類
3.派遣社員を減らすべきか
4.マクドナルドを廃止すべきか
5.たばこを規制すべきか
6.グレーゾーン金利を撤廃すべきか
7.ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すべきか
8.会社は誰のものか
9.まとめと調査結果
第四章 「市場の倫理」と「統治の倫理」
1.市場の倫理/統治の倫理
2.「市場の倫理」を類別する
3.「統治の倫理」を類別する
4.新たな分類のまとめ
5.第三の倫理
第五章 政治経済の羅針盤――あなたは「右」?それとも「左」?
1.あなたは「右」?それとも「左」?
2.政治経済の羅針盤による診断
3.「政治経済の羅針盤」にもとづくイデオロギー分析
4.自分のイデオロギーを検討するために
5.おわりに
第六章 価値観マップを作ってみよう
1.はじめに:心理学的アプローチの必要性
2.PVQアンケート
3.PVQアンケートのスコア平均を計算する
4.分類の説明
5.文化的価値構造とイデオロギーの関係
6.文化的価値構造と下部構造
7.イングルハートのアンケート[拡張版]
8.イングルハートの価値マップ
9.まとめ
おわりに 自分の鋳型を疑ってみよう
ブックガイド(イデオロギーを鍛えるための基礎文献)
文献
あとがき