Libertarianism(自由尊重主義)
Liberalism(自由主義)の現代版を指すために造語されたもので、小さな政府を主張する。
自由主義は進歩主義であり、弱者救済、社会的平等、福祉の充実を目的として、国家が社会生活に介入する。
自由尊重主義は利益配分ではなく、個人とその選択の自由を問題とする。
近代というのは、地縁・血縁の伝統的な共同体を離れ、一人ひとりが「自立した個人」として生きることを余儀なくされた時代。
しかし、ひとは社会的な動物であり、共同体に属さなければ生きていくことができない。共同体は構成員を拘束し、自由を奪うが、その代わりに安全や帰属意識を与えてくれる。
共同体を否定するのではなく、どうしたら個人の自由と共同体の掟が共存できるか。
国家は、共同体としては大きすぎ、国民を過剰に拘束する。
多様な価値観を持つ国民を国家というひとつの器に収めようとすれば、かなりの無理を強いなければならず、それに抵抗するひとたちは排除される。
国家は共同体ではなく、たんなるフレームワーク(枠組)であるべきだ。そのフレームワークは、基本的人権や私的所有権の保護などの基本ルール(憲法)と、外交や治安維持のような最低限の安全保障(暴力の独占)でつくられていて、それ以外の価値観に対しては中立。
ひとびとはこのフレームワークのなかで、宗教的、政治的、文化的な共同体を自由につくることができ、本人の意思で自由に退出できる。