「不道徳教育-擁護できないものを擁護する」の文庫版
訳者が超訳と断っているからと言って、ゴシップ雑誌がインターネット匿名掲示板、
メープルシロップがリンゴ、オレンジがサトウキビはひどいと思う。
特に、ホリエモンってなんだろう。百歩譲ってせめて「 「稼ぐが勝ち」のホリエモン」とかにして訳注すべきだろう
平等より公平。公平のためには市場原理主義
経済的に正しいことであっても、政治的に正しいとは限らない。
→ドラッグ自由化の公約では政治家は選挙で勝てない
自発的な取引、誰の権利も侵害していない者が関与する取引と定義すると、取引参加者はみな利益を得ており、かれらの活動は公益に資すことになる。そして、もし取引が禁止されれば参加者は不利益を被り、場合によって(ある種の負の外部性によって)社会全体にとって有害である(公益を損なう)。
リバタリアン
・人類の理想とは、国家の存在しない世界
・「市場原理主義」こそが、人々の自由と幸福をもたらす唯一の希望
「自由」を市場のものとし、
機会の平等を重視し、
結果の平等を否定する「自由原理主義者」で、
国家はあらゆる物事になるべく口をはさむべきでない、
最小限の機能で収まっているべきだ。
ひとは自由に生きるのがすばらしい
リベラリスト(平等重視派)
ひとは自由に生きるのがすばらしい。しかし平等も大事だ
保守主義者(伝統重視派)
ひとは自由に生きるのがすばらしい。しかし伝統も大事だ
日本がリバタリアン国家になったら
https://www.tachibana-akira.com/2011/01/1888/2
すべての教育機関は民営化できる。
雇用事業(ハローワーク)は民間企業がシェアの大半を占めており、国家が同じサービスを提供しなければならない理由はどこにもない。
労働基準法や雇用機会均等法などの労働関連の法律は百害あって一利なしなので、労働災害保険や労働基準監督署とともにすべて廃止。
小さな政府においては、国家は原則として市場に干渉しないのだから、個々の産業を保護したり、育成したりする必要もない(こうした産業政策は逆に市場を歪める)。
河川や交通網の維持管理も民間企業に委託
郵政事業と同様に通信事業の規制も撤廃すれば、総務省の旧郵政省部門は必要なくなる。国が地方自治に関与する理由はなく、地方交付税も廃止されるから、同省の旧自治省部門も自然消滅。
厚生労働省の旧厚生省部門
国公立の医療機関を民間企業に売却。年金の民営化によって年金局と社会保険事務所を廃止。
医薬品などの審査は審査機能を国際的な専門家組織に委託。
外務省
仕事の半分は政治家等の海外渡航のアテンドなので、旅行代理店に委託。
「小さな政府」は外国からの移民を制限しないから、ビザの発給業務は原則として不要。調査業務というのはCNNなどのテレビを観てレポートを送る仕事のようだが、これなら大学生のアルバイトで十分だ。他国の重要機密にアクセスしたいのであれば、自分たちで調べるよりCIAから購入したほうがずっと効率がいい。
外交交渉は、小さな政府はいっさいの貿易規制を撤廃しているので交渉すべき事項はそれほど多くない。安全保障にかかわるような重要な外交問題は首相官邸の役割だ。どうしても大使館が必要だというのなら、旅行代理店の海外支店の一室を間借りすればいい。
民事裁判はかなりの程度まで民間組織が代替できる。
→裁判外紛争手続き(ADR)
法務省および裁判制度を完全に民営化することは難しそう。刑事裁判や、民事でも損害賠償請求の強制執行などでは、なんらかの強制力が必要になるので、国家が関与する余地は残る。
交通取り締まりや地域の治安維持にかかわる仕事は民間警備会社。ただし犯罪捜査に関しては、それが個人(容疑者)の権利を不可避的に侵害するものである以上、民間企業(探偵事務所)が行うのは当面は難しいだろう。
イラクなどの準戦闘地域で活動する国際警備会社(傭兵のようなもの)に業務委託することも考えられるが、これはさすがに無理がある。それよりむしろ、駐留米軍に全面的に防衛業務を“アウトソーシング”するほうが現実的かもしれない。
財務省・日銀
所得税を住民税のように、各自治体が住民票に基づいて徴収することで、国税庁と主税局は不要。
予算の穴埋めをするために国債を発行する必要がないので、理財局は不要。
中央銀行としての日銀が必要になるのは、日本円という通貨を発行するからだ。香港のように基軸通貨である米ドルと日本円を固定し金融政策を放棄するか、通貨そのものを米ドルに統合することで中央銀行を廃止できる。世界の主要通貨を加重平均した通貨バスケットを「新円」にするのもいいかもしれない。これなら国内通貨と外貨は一体化するから、円高問題は消滅する。
原理的に民営化不可能。
「一人ひとりの無限の欲望を駆動力とする資本主義では、地球というかぎりある資源を未来の世代に残すことができない」
地方自治体
地方交付税が廃止されれば、各自治体は独自に住民税を徴収して行政サービスを提供する。地方自治体は国家とちがって住民の移動がきわめて容易だ。したがってそこには、市場競争のはたらく余地がある。税金が高くサービスの悪い自治体からは住民が逃げ出し、税収不足に陥った自治体は大規模なリストラを敢行するか、ほかの自治体に吸収合併されることになるだろう。国の関与をなくしただけで、自治体経営は消費者(住民)の自由な選択によって健全化するのである。
このように小さな政府のもとでは、市場圧力によって自治体は統合され、地方公務員や地方議員の数は減少していく。それと同時に、国会も参議院(なんのために存在するのかさっぱりわからない)を廃止し、衆議院の比例代表をやめ、現在の小選挙区を倍程度に拡大して150議席程度にする(もっと少なくてもいい)。国家の役割はきわめて限定されているので、国会には決めるべきことはあまりなく、会期は大幅に短縮されるだろう。地方交付税も公共事業も存在しないので、国会議員による地元への利益誘導もない。
国家の機能を縮小すると、公務員数は激減して失業率が上昇するというのは杞憂。
「公的」サービスは、自由な市場のなかで爆発的な成長をはじめ、職を失った公務員を補って余りある雇用が発生する。